松岡茉優が主演を務め、芦田愛菜らが出演するドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系Huluでも配信)の第3話「拝啓、心優しき貴方へ」が、7月29日に放送された。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】黒板に書かれた九条への殺害予告にざわめく生徒たち

■教師役初挑戦の松岡茉優“九条”が「命がけ」で生徒と向き合う

同ドラマは、菅田将暉主演のドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(2019年、日本テレビ系)を手掛けたプロデューサーと監督による完全オリジナルの“新時代”の学園ドラマ。

鳳来高校3年D組の担任・九条里奈(松岡)は、卒業式の日、4階から突き落とされる。その直後、九条は始業式の日の教室に戻っていた。突き落とされる直前に見た制服の袖から、30人の生徒が突如30人の容疑者となる。1年後の死を避けるべく、九条は文字通り“命がけ”で生徒と向き合っていく。

■本音をぶつけたことで、夫・蓮との距離が縮まった

鵜久森(芦田)のいじめ問題に続いて、瓜生(山時聡真)の家庭問題にも踏み込んでいった九条。しかし、1周目の人生にはなかった“殺害予告”という事件が発生。何かを変えると未来が変わる。それは良いこともあるが、悪いこと、思いがけないことも発生する。

3年D組の担任としてだけでなく、九条にはもう一つ大きな問題があった。それは夫・蓮(松下洸平)から離婚話を切り出されたこと。1周目の人生では、なぜ離婚話を夫が切り出したのかが全く分からず、そのまま離婚してしまった。

2周目の人生でも、話を切り出されるのは分かっていたけど、学校の問題を優先にしていたために1周目の人生と同じ日に、同じように離婚話をされてしまった。

しかし、そこからは1周目と同じにはならない。第2話で、夫に「ちょっと大事な話があるの」と声を掛け、「蓮が離婚したいって言って、全然本心じゃないのに心のどこかで“最後くらい良い妻でいたい”ってカッコつけてた自分がいた。私、離婚したくない。本当は嫌だ。この日々を守りたいと思ってる」と本音をぶつけた。

それに対して、「初めて聞いた気がする。里奈のそんな言葉。分かった。ちょっとだけ考えてみていいかな」と、夫の気持ちにも変化が生じていた。

■夫・蓮が離婚話を撤回

前回の食卓での対話によって、夫・蓮との距離感は縮まり、1周目の人生の時とは違って、会話もできるような雰囲気になっていた。結果的に蓮が「離婚の相談も里奈がよければなかったことにしてほしい」と言って、未来が変わったのだが、その発言が出るに至るまでには、里奈と蓮だけでなく、里奈の友人・夏穂(サーヤ)らも大きく関わっていた。

友人・智美(森田望智)の店「べすとほっぷ」で飲んでいた夏穂は、その店でアルバイトをしている瓜生らから“殺害予告”の話を聞かされる。夏穂は「仕事っつう場所で勝負していることは友達にも知られたくないこともあるんだよ」と言って、自身が関わることを否定したが、「でも、家族にとってはまた別の話」と言って、蓮にそのことを知らせた。

■俺なんかで聞けることがあったらいつでも伝えてくれ

夏穂から話を聞いた蓮は、帰宅した里奈に「大丈夫か? 学校でなんかいろいろ大変なんじゃないの?」と声を掛ける。前回の会話があったからこそ、こういうふうにして声を掛けることができるようになったのは大きな進展と言える。

「本当うれしかったんだよ。この日々を守りたいって真っすぐ言ってくれたこと。だから、俺なんかで聞けることがあったらいつでも伝えてくれ」と、さらに距離を縮めるべく踏み込むが、里奈の表情は浮かない様子。

殺害予告”をした生徒たちの「僕らなんかが声を上げても『勝手なことするな』『調子に乗るな』と攻撃される」という発言とオーバーラップする部分があったからだ。

■夏穂に怒られて気付いた“なんかが”という言葉が持つ意味

夫・蓮と生徒たちの発言に共通していたのは“なんかが”という言葉。後日、蓮は「ちょっと飲まない?」と里奈に声を掛けて、離婚を言い出した理由を明かした。以前はよく二人で家で飲んで話していたけど、互いに仕事に責任を持つようになって時間がなくなり、話すことも無くなっていた。里奈は気遣いの人だから話し掛けるのを遠慮していて、でも本当は言いたいことがあって、それを悟ってほしい。それを分かっているのに、自分は何もできず、だんだん変えるのがつらくなった、と。

その流れで、蓮は「“俺なんかが”って自分を卑下した言い方で逃げ道を残したヤツに、何を相談できるんだ?って」と夏穂に怒られたことも告白。そして「俺なんかとか、俺でよければとか二度と言わない。俺が里奈のつらいこと全部聞くから言ってほしい。てか、言え! だって、俺は里奈が好きで結婚した夫だから」と力強く伝え、離婚話も撤回した。

「これからは何でも聞くから」の言葉に、里奈も覚悟を決めて言った。「私ね、今2周目の人生なの」と。学校での問題はまだまだ山積みだが、夫が味方になってくれることは大きな力になったはずだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

夫・蓮(松下洸平)と飲みながら話をする里奈(松岡茉優)/(C)日テレ