こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、TwitterやVoicyではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。 

いつの間にか呼び方が変わった言葉30選

こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。

今回は「いつの間にか変わっていた呼び方」です。

同じものを指しているのに親と子で呼び方が変わってることありますよね。その度に「ジェネレーションギャップだな」と少し切ない気持ちになったりするわけですが、それ以外にも人知れず名称が変わっているものもあったりします。その背景には技術の変化や価値観の変化などさまざまあります。

今回はそんないつの間にか変わっていた呼び方を厳選して30個ご紹介します。

巻き戻し⇒早戻し

記憶媒体がテープからDVDなどに変化したことで、テープを巻き戻すことがなくなったため、2000年頃から各社変更に。お手元のリモコンを是非チェックしてみてください。

肌色⇒うすだいだいorペールオレンジ

「肌の色はこの色」という先入観を子供たちに与えないようにするため、2000年頃から各クレヨンメーカーが変更してきました。ちなみに「ペール」というのは「淡い」を意味しています。

体育の日スポーツの日

2020年に予定していた東京オリンピックパラリンピック開催に向けて、同年から世界的に使われている「スポーツ」を採用し、「スポーツの日」に変更されました。元々「体育の日」が制定されたのも1964年東京オリンピック開会式が行われた10月10日を記念したためでした。

マッキンリー⇒デナリ

アメリカ・アラスカ州にある北米最高峰の山で、これまではアラスカロシアから購入した第25代アメリカ大統領の名前であるマッキンリーで呼ばれていましたが、2015年からアメリカ政府は現地で使われている「デナリ」に名称変更しました。

日射病熱中症

日射病熱中症の一種で太陽光が原因で起こるものです。以前は炎天下で発症するものを日射病と呼んでいましたが、現在は高温になった屋内でも発症することが多いため、2000年から全体を含めた名称である「熱中症」に統一されるようになりました。

スチュワーデス⇒キャビンアテンダント

元々は英語で執事などを意味する“steward”から来た言葉で、女性客室乗務員を指していました。1980年以降、差別や偏見を含まない言葉を使用しようという考え方が進み、言い換えが進みました。日本では略して「CA」や「客室乗務員」とも言います。一方で海外では、「フライトアテンダント」や「キャビンクルー」もよく使われています。

プータロー⇒ニート

厳密には意味が異なり、プータローは就労意志はあるが就労できない者、ニートは就労意志がなく就労していない者を指します。プータローの語源は諸説あり不確かですが、「浮浪者」や「poor(貧乏)」からプーが来たと言われています。ニートは“Not in Education, Employment or Training“の頭文字から来ています。

助教授⇒准教授

2007年の学校教育法の改正により名称変更されました。漢字的に教授のアシスタントというイメージがありましたが、「准教授」とすることで独立した教育・研究者としての位置づけをより明確にする意味合いを持たせています。同時に「助教」という新しい肩書も生まれていますが、こちらもアシスタントの意味合いはなく、若手の独立した研究者に与えられる役職です。

カロチン⇒カロテン

以前から専門家の間ではカロテンと呼ばれており、2000年に食品標準成分表の表記が変更されたため広がっていきました。カロテンは動植物に含まれる色素で、動物の体内ではビタミンAに変化する物質です。ニンジン、ホウレン草、ピーマンカボチャなどに多く含まれます。

ロスタイムアディショナルタイム

サッカーで「試合が中断された分を延長する時間」を意味します。ロスタイムという言葉が和製英語だったことから、日本サッカー協会が2010年に「アディショナルタイム」に統一しました。

OL⇒女性社員

OLはオフィスレディ頭文字ですが和製英語です。ジェンダーフリーの流れのなかで使われなくなってきました。欧米では元々「オフィスワーカー」という性別に関係のない言葉が使われています。

成人病⇒生活習慣病

年齢よりも生活習慣に原因があるという見方から1996年に「生活習慣病」と改称されました。生活習慣病とは、食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣に深く関与し、日本人の死因の上位を占める、がん・心臓病・脳卒中は、生活習慣病に含まれます。

ドキュンネーム⇒キラキラネーム

粗暴な人や迷惑行為をする人を「ドキュン」と言いますが、これはテレビ朝日系列1994年~2002年に放送していた「目撃!ドキュン」という番組に由来するそうです。ここに人生相談で登場していた若者たちに非常識な人が多く、そういう人たちを「ドキュン」と呼ぶようになったようです。そこからこれまでにないような奇抜な名前をドキュンネームとネット上で呼ばれてきましたが、2010年代に入りメディアなどが批判要素を少なくした「キラキラネーム」を使い始めました。

歯舞諸島⇒歯舞群島

北方領土の1つですが、以前は歯舞諸島と歯舞群島が混用されていました。そこで2008年に国土地理院が「歯舞群島」に統一し、マスコミなどもこちらを使用しています。

センター試験大学入学共通テスト

古くは「共通一次」と呼ばれ、その後長らくセンター試験と呼ばれていましたが、2021年から名前が変更となり、一般的には「共通テスト」と呼ばれるようになっています。内容はセンター試験よりも思考力・判断力・表現力が問われるものになっています。

タンバリンタンブリン

文部科学省から発行されている「教育用音楽用語」という冊子で音楽用語に関する基準が示されており、そこには「タンブリン」となっているため教科書では現在これに統一されています。

pH(ペーハー)⇒pH(ピーエイチ)

酸性、アルカリ性、中性の内どれなのかを表す指数ですが、元々はドイツ語由来の読みでしたが、JIS(日本産業規格)の方では以前から「ピーエイチ」を正式なものとしており、最近はそれが優勢になってきています。

終戦記念日⇒終戦の日

一般的にはまだまだ「終戦記念日」が使われていると思いますが、敗戦は記念するようなことではないため、「終戦の日」という言葉をメディアは使用しています。もちろん国民の祝日でもありません。

エアーズロックウルル

オーストラリアにある世界最大級の一枚岩で世界自然遺産です。かつてのエアーズロックの名前は、その存在をヨーロッパに紹介した旧南オーストラリア植民地総督のヘンリーエアーズにちなんでいました。現在は先住民が昔から呼んできた名前に変更されています。

NHK教育テレビ⇒Eテレ

2011年から名称変更となっています。このEには教育の“Education”と、NHKの教育テレビ放送時間の短縮や自然保護の取り組みから“Ecology”の意味が込められているそうです。

看護婦看護師

2002年に「保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律」が施行され、看護婦看護師、助産婦は助産師、保健婦は保健師に名称変更となりました。また、以前は「看護士」という漢字が使われていましたが、これは看護婦に対する男性を表すものであったため現在は消滅しました。

保母⇒保育士

1977年から男性も資格を取得できるようになり呼び名が変わっていきました。一時は保母に対し「保父」という通称もありました。

下駄箱⇒靴箱

現代では下駄を履く人はほとんどいないため死語となってきています。ただし、「靴箱」と言うと、靴を入れる紙製の箱のことも意味するため、「シューズボックス」という言葉も使われています。

競艇⇒ボートレース

2010年に日本ボート競走会は言い換えを発表し、競艇選手を「ボートレーサー」、競艇場も「ボートレース場」に変更されています。背景としては、名称変更によって若年層へのイメージアップを図り、ボートレースの発展を目指すためです。

自殺点⇒オウンゴール

サッカーで味方のゴールにボールをいれてしまい失点することです。表現として不適切とし、英語由来の表現に1994年日本サッカー協会が改めました。

チョッキ⇒ベストorジレ

明治期に袖なしの短い胴着を「チョッキ」と呼ぶようになり、1970年頃からベストという言葉が広がり、最近ではフランス語由来の「ジレ」という言葉も広がっています。

痴呆⇒認知症

「痴呆」の漢字の意味が侮辱的な意味合いを持ち、家族に呼ばれると感情やプライドを傷つけられるため不適切とし、2004年に厚生労働省認知症への言い換えを発表。その後、医学会を中心に広がっていきました。

シンクロナイズドスイミング⇒アーティスティックスイミング

2017年に国際水泳連盟が種目名を変更しました。理由は、曲や人に同調することを意味する「シンクロナイズド」が芸術性を求める演技にふさわしくないためです。

官製はがき⇒郵便はがき

郵政事業が民営化されたため「官」の字は使われなくなりました。現在は日本郵便が発売しているはがきを「郵便はがき」と呼んでいます。またはがきのなかで、63円の郵便はがきは「通常はがき」とも呼ばれています。

AV女優セクシー女優

メディアが「AV女優」という露骨な表現を直接口にするのに抵抗があり、「セクシー女優」と言い換えたのが始まりのようです。

いかがだったでしょうか?知らず知らずのうちに自分自身も呼び方が変わっていたもの、変わっていたことに気づいていなかったものなどあったのではないでしょうか。

これを知って呼び方を変えるかどうかは人ぞれぞれですが、変わっている・変わってきているという事実はしっかりと知っておく必要はあると思います。仕事で文章などを書く人や人前で話す人は尚更ですね。言葉の変化は悲しいものもありますが、時代の変化を肌で感じるのも楽しいのではないでしょうか。

いつの間にか呼び方が変わった言葉