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7月24日に東京・新代田FEVERにて中国のロックバンド、Chinese Footballの来日ツアー「Chinese Football Japan Tour 2023」のファイナル公演が行われた。

【写真】今回の来日ツアーで7公演を実施したChinese Football。

2019年以来およそ4年ぶりに来日し、全国6会場で7公演を実施したChinese Footballファイナル公演にはtricotKOTORIに加え、Chinese Footballの演奏にはセントチヒロ・チッチ(CENT、ex. BiSH)がゲストとして参加した。

1番手を務めたKOTORIは現行のオルタナティブロックのサウンドを基調としつつ、メロコアの要素も織り交ぜたサウンドを展開。序盤の「GOLD」「1995」からスケール感あふれる音像をかき鳴らして来場者を歓迎した。ミドルチューン「RED」ではどこかノスタルジックなムードを生み出しつつ、「素晴らしい世界」の途中では細川千弘(Dr, Cho)が椅子の上に立ち上がってオーディエンスをアジテート。そのパフォーマンスに合わせ、大勢の観客たちによるシンガロングが巻き起こった。

続くtricotは変拍子を多用した目まぐるしい展開の楽曲をノンストップで披露。その一方で「アナメイン」「おちゃんせんすぅす」といった楽曲では巧みにコーラスを駆使し、幻想的な世界観を表現していった。過去に中国でライブを行ったことがあるというtricotは、MCで当時のエピソードを振り返る。途中では中嶋イッキュウ(Vo, G)が中国語で挨拶し、観客たちとの交流を楽しむ場面もあった。そして「不出来」終盤では、キダモティフォ(G, Cho)のフリーキーなギターソロが炸裂。禍々しさをも感じさせるほどの轟音で強いインパクトを残した。

この日が来日ツアー最後のライブとなったChinese Footballは、軽快な音像でさわやかなムードに満ちた「家犬日記」、繊細かつ美しいギターフレーズを前面に押し出した「清醒白日夢」といった楽曲で会場を心地よい音色で包み込んでいく。そんな中MCでは、KOTORIとtricotの気合いあふれるパフォーマンスを舞台裏で見守っていたジョハ(Vo, G)が「2組ともエネルギーがすごくて、tricotは以前中国で観たときからさらに力強くなっていました。自分もがんばらなきゃいけない」と背中を押されたことを明かした。

中盤の「夏日限定彼女」では、セントチヒロ・チッチがゲストとしてステージに登場した。チッチは2019年に行われた来日ツアーでChinese Footballのファンになったとのことで、メンバーからオファーを受けて今回のゲスト参加が実現。彼女はオリジナルの中国語詞で同楽曲のボーカルを担当し、柔らかな歌声で楽曲のみずみずしい雰囲気をより強調させた。その後Chinese Footballは初期曲「Goalkeeper」「Flying Fish」を挟みつつ、アンコール「漂流人間」ではジョハがマイク片手に客席へと移動。フロア中を練り歩くうち一緒に歌うオーディエンスが続々と増えていき、大合唱フィナーレを彩った。

「imakinn records presents Chinese Football Japan Tour 2023」2023年7月24日 新代田FEVER セットリスト

KOTORI

01. GOLD
02. 1995
03. unity
04. トーキョーナイトダイブ
05. RED
06. 素晴らしい世界
07. We Are The Future
08. YELLOW

tricot

01. エコー
02. 餌にもなれない
03. アナメイン
04. おちゃんせんすぅす
05. OOOL
06. potage
07. 不出来

Chinese Football

01. 家犬日記
02. 清醒白日夢
03. 電動少女
04. 片道電車
05. The Last Emo Boy on Earth
06. 夏日限定彼女(ゲスト:セントチヒロ・チッチ)
07. The World Is Splitting In Two
08. Goalkeeper
09. 植物人
10. 怪獣
11. Flying Fish
12. No.10 Jersey ~not for anybody~
アンコール
13. Continue
14. 漂流人間

Chinese Footballとセントチヒロ・チッチ。(Photo by Machida Chiaki)