株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)の医療分野の子会社である株式会社メディカル・プリンシプル社(以下MP社)は、「民間医局」の医師会員を対象に、「開業・事業承継」についてアンケート調査を実施しました。その結果、勤務医の7割以上が開業に関心があり、地域医療への貢献のほか、労働環境や収入面でメリットを感じている人が多いことがわかりました。一方で、経営維持や開業資金の借り入れについての不安の声も多数寄せられました。なお、調査結果の詳細は、医師の情報収集Webサイト「民間医局コネクト」内の記事(https://connect.doctor-agent.com/article/column478/)にて、ご確認いただけます。

■調査背景
勤務医が、開業・事業承継のメリット・デメリットについてどのように考えているかを調査するため、 「民間医局」の医師会員322人を対象に、「開業・事業承継」についてオンラインアンケートを実施しました。

■調査結果サマリー
・約7割の医師が開業に関心がある
・開業を考える理由は、地域医療への貢献などのやりがいや労働環境の良さ
・開業医となるメリットは収入面、裁量を発揮できることや患者との深い関わりができること、しがらみからの解放など
・開業医となるデメリットは経営や開業資金の借り入れ、院長としての精神的な負担
・開業医となる一番のハードルは経営維持や開業資金の借り入れ、患者の確保など
・第三者承継に興味がある人とない人は約半数となり、回答が分かれる結果に
・第三者継承のメリットは「患者を引き継げること」、「初期費用を削減できること」
・第三者承継を行う場合の心配な点と、その不安を解消されれば承継を前向きに考えられる点は、「承継元が抱えているトラブルがないかどうか」と「すでにいるスタッフとの人間関係の構築」

■調査結果
1. 約7割の医師が開業に関心がある
開業に対する関心について質問したところ、「現在開業医である」と回答した14人を除いた308人のうち、約2割にあたる58人が「今後開業するつもりで考えている」と回答しました。「開業予定はないが興味はある」と答えた人を含めると、7割近い人が開業に関心があることがわかりました。


2. 開業を考える理由は、地域医療への貢献などのやりがいや労働環境の良さ
「現在開業医である」「今後開業するつもりで考えている」「開業予定はないが、興味はある」と回答した235人に対し、開業を考える理由について尋ねました(複数回答可)。最も多かったのは「患者さんの近くで『かかりつけ医』として地域医療に関われるやりがい」で45%にあたる105人が回答しました。以下、「勤務医よりも収入が高い」が94人(40%)、「開業して事業主として経営に携われる」が89人(38%)と続きます。かかりつけ医として地域医療に貢献したり、経営者として携われるなど「やりがい」の面において、ポジティブにとらえている医師が多いことがうかがえます。

さらに、「診療時間や休診日がはっきりしていて、勤務医より労働環境がいい」と考える人が84人(38%)、「仕事以外の時間が取りやすい」が67人(29%)、「転勤や異動がない」が54人(23%)、「勤務医よりも精神的なストレスが少なそう」が39人(17%)と、開業医になることは、働く環境の面でも魅力的だと考えている人も一定数いました。


3. 開業医となるメリットは収入面、裁量を発揮できることや患者との深い関わりができること、しがらみからの解放など
開業医になる一番のメリットについて、自由記述形式で尋ねました。
「自分の労働成果がきちんと収入に反映されること」(糖尿病科・30代)
「自分の診療方針がたてられる」(産婦人科・30代)
「病院の経営者として自分の意思で行動できる」(リウマチ科・40代)
といった、高い給与や自身の裁量でできることについての回答が目立ちます。

「自分の理想の医療を実現できる」(消化器外科・40代)
「地域の子ども達の健康の支援ができること」(小児科)
など、自分の理想の医療が実現できることや、患者さんとの深い関わり・地域貢献などへのやりがいを挙げる声もありました。

その他には、
好きなように診療時間をコントロールできる、医師間の気遣い不要」(呼吸器内科・30代)
「煩わしい人間関係からの解放」(小児科・30代)
「緊急呼び出しがないこと」(消化器外科・30代)
「当直勤務がないこと」(内科・20代)
「定年退職がないこと」(その他・40代)
といった勤務時間や働き方、人間関係などさまざまなしがらみから解放されることをメリットと考えている医師もいました。

4. 開業医となるデメリットは経営や開業資金の借り入れ、院長としての精神的な負担
開業医になることのデメリットについて聞きました(複数回答可)。最も多かったのは「経営を維持できるかどうか不安」(172人)で、次いで「開業資金を借り入れることへの不安」(169人)、「院長・経営者としての精神的なストレス」(159人)でした。いずれも5割前後の回答を集めており、経営者としてリスクを負うことへの不安が上位を占めるという結果となりました。また、「事業の計画や税金などの手続き面への負担」(115人)、「レセプト作成やスタッフ採用など、診療以外の仕事への負担」(111人)など、勤務医時代とは異なり経営者として診療以外でもやるべきことが多いことをハードルととらえている医師も3割以上いることがわかります。その他には、「仕事以外の時間が取りづらそう」(87人)、「勤務医よりも患者とのやりとりが煩雑になりそう」(86人)、「自分の医療水準の維持への不安」(80人)、「自分の診療科以外の疾患を知る機会が減る」(22人)、「開業した同僚が苦労している」(20人)という人もいました。


5. 開業医となる一番のハードルは経営維持や開業資金の借り入れ、患者の確保など
開業医になるうえで、一番ハードルになることについて自由記述形式で聞きました。
「赤字で倒産もありえること」(消化器内科・60代)
「開業後早期に安定した収入が築けるか」(消化器外科・40代)
「最初の借金額が大きくなること」(産業医・20代)
など、莫大な初期費用がかかることなど、金銭面でのリスクを不安視する回答が多く寄せられました。

「開業と経営のノウハウがないこと」(緩和ケア科・40代)
「従業員の生活も背負って経営しないといけない」(透析科・30代)
「安定した患者数を抱えることができるか」(消化器内科・30代)
といった回答からは、自身の経営力や経営者として負うべき責任やリスク、患者の確保(集客)について不安に感じている様子がうかがえます。

その他には、
「スタッフの管理」(産婦人科・30代)
「医学医療以外の負担が増える」放射線科・40代)
「専門性の高い分野の勤務医をしているので、ジェネラルに診療できるかが不安」放射線科・40代)
市町村医師会で波風を立てずに開業の同意を得ること」(糖尿病科・30代)
など、医学医療以外で負担が増えることや医療レベルの維持、地元医師会との関係を懸念する声などがありました。

6. 第三者承継に興味がある人とない人は約半数となり、回答が分かれる結果に
後継者がいない病院を承継して、開業医になる「第三者継承」についての考えを聞きました。「病院を承継して開業医になることに興味がある」は48%、「興味はない」は49%と、回答がほぼ半々に分かれるという結果になりました。


7. 第三者継承のメリットは「患者を引き継げること」、「初期費用を削減できること」
自身で一から開業することに比べて、第三者から承継をすることのメリットについても尋ねました(複数回答可)。最も多くの回答を集めたのは「承継元の患者を引き継げる」が217人(67%)で、以下「設備導入などの初期費用が抑えられる」が214人(66%)、「開院する場所などを探す必要がない」が192人(60%)と続きます。また、「スタッフを確保する必要がない」は143人(44%)、「承継元が培ってきた信頼を引き継げる」は127人(39%)、「税金面での優遇がある」は40人(12%)がメリットだと考えていることがわかりました。


8. 第三者承継を行う場合の心配な点と、その不安を解消されれば承継を前向きに考えられる点は、「承継元が抱えているトラブルがないかどうか」と「すでにいるスタッフとの人間関係の構築」
第三者承継を行う場合の心配な点と、その不安を解消されれば承継することを前向きに考えられる点についても聞きました(複数回答可)。心配な点と、その心配ごとが解消されれば承継を前向きに考えられる点の両方で特に多くの回答を集めたのは、「承継元が抱えているトラブルがないかどうか」と「すでにいるスタッフとの人間関係の構築」でした。患者とのトラブルやスタッフとの人間関係など、人間関係構築に対して不安を抱えている医師が多いことがうかがえます。また、「承継後に安定的に外来患者が確保できるかどうか」「安定的な月収があるかどうか」「事業承継する譲受費用の捻出」「事業主として、経営手腕が問われること」といった項目も、いずれも3~4割ほどの医師が選択しています。経営面での不安も第三者継承の懸念材料となっていることがわかりました。


■まとめ
今回のアンケートでは、勤務医の7割以上が開業に関心を持っていることがわかりました。開業することで地域医療への貢献ができることに加えて、収入面やワークライフバランスの面で勤務医よりも良い待遇を期待している人が多いことがうかがえました。一方で、経営維持や開業資金の借り入れ、患者の確保などに対してハードルに感じているようです。その点、病院を承継して開業医になる「第三者継承」は、継承元の患者を引き継げることや設備導入などの初期費用が抑えられることがメリットです。しかし、実際に引き受けることについて具体的に話を聞いてみたいという医師は3割程度にとどまりました。

【調査概要】
調査期間: 2023年6月8日
対象   : 「民間医局」会員の医師
回答者数: 322人

※引用・転載時のお願い
本調査結果及びデータの引用・転載の際は、「株式会社メディカル・プリンシプル社調べ」と弊社クレジットの表記と「民間医局コネクト」の掲載記事(https://connect.doctor-agent.com/article/column478/)へのリンク、運営元の株式会社メディカル・プリンシプル社(https://www.medical-principle.co.jp/)へのリンク記載をお願いいたします。

■「民間医局」について
「民間医局」では、医師向け転職支援サービスを中心に、会員向けサービスとしてドクターマガジン、医師賠償責任保険、民間医局書店サービスなど様々なサポート事業を展開しております。(URL: https://www.doctor-agent.com/

■「民間医局コネクト」について
「民間医局コネクト」では、民間医局コネクトセミナーをはじめ、若手医師必見の情報や、海外留学・地方医療のレポート、全国各地のセミナーなど、医師が成長し続けるための情報を掲載しております。今後も様々なWebイベント開催の他、医師や医療機関を対象としたアンケート調査なども行ってまいります。(URL: https://connect.doctor-agent.com/


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株式会社メディカル・プリンシプル社 広報広告室
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T E L : 03-4565-6100  F A X : 03-4565-6102 
U R L : https://www.medical-principle.co.jp/

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■株式会社メディカル・プリンシプル社 会社概要
本  社 : 東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
設  立 : 1997年1月
代 表 者: 代表取締役社長 由良芳從
拠  点 : 東京(本社)・大阪・札幌・仙台・さいたま・横浜・船橋・高崎・金沢・名古屋・京都・神戸・高松・広島・福岡・熊本・那覇
事業内容: 医師等 職業紹介業、医学生・研修医臨床研修支援サービス事業、医療界向け情報提供事業
事業概要: 「民間医局」をブランドに掲げ、医師紹介業を中心に、医療業界への多面的なサポート事業を行っています。医師の紹介事業「民間医局」における医師・医学生の登録会員数は約153,000人、契約医療機関約17,000施設に対し、年間約71,000件の紹介を行っています。また、臨床研修支援サービスとして日本最大規模の研修病院合同説明会「レジナビFair」を全国で開催し、研修医・医学生向けWeb説明会「レジナビFairオンライン」や、医師向け月刊ヒューマンドキュメント誌「DOCTOR’S MAGAZINE」、医師の情報収集Webサイト「民間医局コネクト」などの事業を展開しています。
U R L : https://www.medical-principle.co.jp/ (コーポレートサイト)
https://www.doctor-agent.com/     (医師のための求人情報検索サイト「民間医局」)

■株式会社クリーク・アンド・リバー社 会社概要
本   社 : 東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
設   立 : 1990年3月
代 表 者 : 代表取締役社長 黒崎 淳
拠   点 : 東京(本社)・大阪・札幌・仙台・さいたま・横浜・川崎・船橋・高崎・金沢・名古屋・京都・神戸・高松・広島・福岡・熊本・那覇/ソウル・上海・北京・ロサンゼルス
事業内容: 映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、医療、IT、会計、法曹、建築、ファッション、食、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、舞台芸術、CXO、アスリート、アグリカルチャーの18分野でプロフェッショナルに特化したエージェンシー(派遣・紹介)、プロデュース(開発・請負)、 ライツマネジメント(知的財産の企画開発・流通)事業を展開。プロフェッショナルの叡智で革新的な事業を無限に創造している。
U R L : https://www.cri.co.jp (コーポレートサイト)
https://www.cri.co.jp/website-sns/ (公式サイト・SNS一覧)
https://www.creativevillage.ne.jp/プロフェッショナル×つながる×メディア「CREATIVE VILLAGE」)

配信元企業:株式会社クリーク・アンド・リバー社

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