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まだプロトタイプ 発売は2024年

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

8月2日トヨタランドクルーザーのニューモデル「250シリーズ」を世界初公開した。

【画像】顔はどっちが好き? 新型「ランクル250」2種 デザイン/内装【じっくり見る】 全105枚

今回公開されたモデルはプロトタイプであり、発売は日本では特別仕様車の「ファーストエディション」を含めて、2024年の前半を予定している。

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丸目のランドクルーザー250    トヨタ

したがって、搭載されるパワートレインの種類は判明したが、グレード構成・車両価格などは、日本仕様も含めてアナウンスされていない。

これまでランドクルーザーは、最新技術を導入しフラッグシップを担う「ステーションワゴン系(現行は300シリーズ)」、高い耐久性・走破性が求められる「ヘビーデューティ系(70シリーズ)」、悪路走破性をベースに快適性を付与した「ライトデューティ系(プラド)」の3系統で展開されてきた。

今回公開されたランドクルーザーのニューモデルは、ライトデューティ系であるプラドの後継にあたる。

ただし歴代モデルに付けられてきたサブネームの「プラド」はなくなり、単に「ランドクルーザー250シリーズ(以下、ランクル250)」となっている。

従来型とサイズ比較 顔は2種類

現時点ではプロトタイプの情報となるが、ランクル250のボディサイズは、全長4925×全幅1980×全高1870mm、ホイールベースは2850mm。

これは従来型(プラド150シリーズ)と比べて、全長は100mm、全幅は95mm、全高は20mm大きい。ホイールベースも60mm長くなっており、全体的にひとまわり以上大きくなっている。

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角目のランドクルーザー250    トヨタ

スタイリングは、伝統とモダンを統合しながら、Reliable(過酷な使用に耐えられる信頼性)、Timeless(永く愛せるシンプルさ)、Professional(プロの道具に宿る機能美)をキーワードに外装・内装をデザインしている。

外装は水平基調のデザインによって再現されたランドクルーザーらしいシルエット。しかも今回公開されたモデルでは、2種類の違うフロントマスクを与えられたバリエーションが登場した。

1台は、ヘッドランプの周囲がちょっとクラシカルな丸型LEDを採用。もう1台は現代風?の角目3連LED。この2種類のライトは、購入後に付け替えられる互換性を持つという情報もある。

なお、現時点ではプロトタイプということで、どちらにもサブネームやグレード名などは与えられていない。

トヨタの関係者によれば、「2種類のフロントマスクを設定します、ということです」とのことで、詳細に関しては正式発表までにアナウンスがあると思われる。

内装は? 2列シート・3列シートあり

エクステリアと同様のキーワードでデザインされたインテリアは、高級・豪華な雰囲気から本格オフローダーらしい機能性を感じさせるデザインへとシフトした。

強さと安定感のある空間、水平基調のインストルメントパネルや、さまざまな環境で運転するときでも迷わず操作がしやすいスイッチ形状を採用するなど、“悪路走行時も含めた機能性向上”に貢献している。

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ランクル250の発表会場には3列シート車も。    小川亮輔

詳細は発表されていないが、展示車両は輸出仕様を考慮してか、2台とも左ハンドルだった。インパネまわりの基本デザインは右ハンドルでも変わらないだろう。

メーターパネルには全面液晶モニターを採用しており、センターダッシュ上にはカーナビなどを表示する大型のモニターも設置されている。

シート地はレザーとファブリックのコンビだったが、これは仕向け地やグレードによって変わるだろう。

なお、シートレイアウトは「2列5人乗り」と「3列7人乗り」が設定され、これは外観がどちらのフロントマスクであっても両方が用意されるとのことだ。

ランクル250はライトデューティ系のSUVという位置づけだが、インテリアはステーションワゴン系に近く上質に仕上げられている。装備の充実度も高そうだ。

あぁ ハイブリッドは日本に来ない

パワートレインに関しては別記事で紹介したが、現段階では仕向け地によって5種類が搭載される。なお、下記リストの地域名は、現時点で予定されている仕向け地となる。

2.4Lガソリンターボハイブリッド+8速AT(330ps/64.2kg-m):北米・中国

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展示車両はいずれも左ハンドル車だった。    小川亮輔

2.4Lガソリンターボ+8速AT(281ps/43.8kg-m):中近東・東欧・その他

2.8Lディーゼルターボ・48Vマイルドハイブリッド+8速AT(204ps/51.0kg-m):豪州・西欧

2.8Lディーゼルターボ+8速AT(204ps/51.0kg-m):西欧・東欧・日本・中近東・その他他

2.7Lガソリン+6速スーパーECT(163ps/25.1kg-m):東欧・日本・その他

注目はランドクルーザー初のハイブリッドだが、残念ながら日本仕様には現段階では設定される予定がなく、この国では、まずはディーゼルターボと自然吸気ガソリンエンジンからということになるようだ。

トヨタセーフティセンスを全車に

ランドクルーザー300シリーズと同じGA-Fプラットフォームを採用し、悪路走破性を大幅に向上したランクル250。

かつ、「お客様の生活と実用を支えるクルマ」として、オンロードも含めた操縦のしやすさと快適性も高めてる。

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日本発売は特別仕様車の「ファーストエディション」を含めて、2024年の前半を予定。「ファーストエディション」とは、どんなクルマになるのだろうか。    トヨタ

具体的には、従来型のプラド150に比べて、フレーム剛性を50%、車両全体の剛性としては30%向上。サスペンションは、悪路走破性の指標となるホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)といった基本性能を高めた。

また、電動パワーステアリング(EPS)は悪路走行時のハンドル取られ低減、すっきりとしたステアリングフィール、低速時の取り回し性向上などに貢献し、レーントレーシングアシストを実現している。

トヨタブランドでは初のSDM(スタビライザー with ディスコネクション・メカニズム)を採用し、スイッチ操作でフロントスタビライザーの状態を切り替えられる。これにより、オフロードの悪路走破性・乗り心地とオンロードでの操縦安定性を両立。

さらに、マルチテレインモニター/マルチテレインセレクトの機能拡充によって、オフロード走行支援を向上させている。

安全装備では、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に採用。

なお、バックドアは従来型プラドの横開き式を採用せず、オーソドックスな跳ね上げ式に変わっている。


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