8月4日(金)に公開されるディズニーピクサー映画「マイ・エレメント」で、水のエレメント・ウェイドの日本版声優を務め注目を集める玉森裕太Kis-My-Ft2での活動だけでなく、個人としても幅広いジャンルのドラマや映画などに出演する玉森は、「俺が俺が!」と主張が強いわけではなく物腰も柔らかく常に落ち着いていて、どこか謎めいた雰囲気を持っている。だからこそ、多くの作品でさまざまな役を演じても、彼自身が投影され過ぎず、その演じるキャラクターに自然と引き込まれてしまうのだろう。「マイ・エレメント」の試写を見たライターによると、事前に知らなければ玉森とは気づかないほど自然にウェイドを演じているとのこと。そんな玉森の俳優としての一面にフォーカスを当て、紹介したい。

【動画】玉森裕太“ウェイド”のみずみずしい声も!「マイ・エレメント」日本版予告

■ドラマ初出演はキスマイのCDデビュー前

玉森のドラマ初出演は、キスマイとしてCDデビューを果たす前の2009年。「ごくせん」(日本テレビ系)第3シリーズの卒業スペシャルで、赤銅学院高校2年D組のリーダー格として出演し、続く劇場版への出演も果たした。

そして、韓国の大ヒットドラマをリメークした「美男(イケメン)ですね」(2011年、TBS系)で初主演を務め、さらに2013年には玉森演じるフレンチシェフのケンが戦国時代にタイムスリップし、織田信長の専属料理人になる姿を描いたドラマ「信長のシェフ」(テレビ朝日系)で連続ドラマ単独初主演。同ドラマは夜11時台に放送される金曜ナイトドラマ枠で高視聴率をたたき出し、2014年には木曜のゴールデンタイム(夜9時枠)に進出するなど人気作となった。「いざ、参らん!戦国のキュイジーヌ」という決めぜりふも印象に残っている。

その後、同じく料理人役で出演した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)では、事務所の先輩である木村拓哉演じる天才フレンチシェフ・尾花夏樹の下で修業し、努力を積み重ねた末に二つ星レストランのスーシェフまで上り詰めた平古祥平を快演。祥平は、物語のキーパーソンでもあり、過去の負い目やプライドとの葛藤、その感情をあらわにするシーンなど、祥平が持つ複雑な心情を表現力豊かに演じ、視聴者に強い印象を残した。この作品で「第103回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で助演男優賞を受賞するなど、玉森は俳優としても確実にステップアップしてきた。

そして、“ボス恋”の愛称で人気を博した「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(2021年、TBS系)では、“子犬系男子”を好演。長身でスタイルもよく端正な顔立ちの玉森が、屈託のない笑顔で笑う愛らしい姿に加え、時折見せる精悍さが女性ファンを魅了した。

■“ピクサー声優”初挑戦

さまざまなジャンルの作品で爪痕を残してきた玉森が、今回初めてアニメ-ション作品の声優に挑戦。「マイ・エレメント」は、火・水・土・風のエレメントたちが暮らす世界を描いた作品。

トイ・ストーリー」の“おもちゃの世界”、「モンスターズ・インク」の“モンスターの世界”、「ファインディング・ニモ」の“海の中の世界”、「インサイド・ヘッド」の“頭の中の世界”、「リメンバー・ミー」の“死者の世界”など(すべてディズニープラスで配信中)、さまざまな“もしもの世界”を舞台にした物語を数多く生み出しているディズニーピクサーの最新作だ。

マイ・エレメント」の日本版声優として、メインキャラクターの一人である“水”の青年・ウェイド役を務める玉森。もともとピクサー映画のファンだった玉森は、今回の出演に「まさかこうやって一緒にお仕事ができる日が来るんだ!という驚きもありましたし、うれしかったです」と大喜びしている。

玉森が演じるウェイドは、川口春奈が演じる“火”の女の子・エンバーに新たな世界を見せ、彼女の中にある可能性を教えてくれる重要なキャラクター。エンバーの心を包み込むような優しい声のトーンに加え、背中を押してくれる力強さを感じさせる演技が鍵となる役どころだが、玉森はUS本社のオーディションを経て、確かな演技力に加え、彼の真っすぐな人柄や内側からにじみ出るような優しい声音がキャラクターに非常にマッチしていると、日本版声優の座を見事に射止めたのである。水を得た魚のようにピクサー作品で躍動する玉森のみずみずしい演技に、期待してほしい。

◆文=neneko

俳優・玉森裕太の魅力に迫る