松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合ほか)の追加キャスト、天下取りの新たな仲間、合戦を彩る知将猛将“徳川勢”として、松本若菜森崎ウィン、原菜乃華、岐洲匠、木村多江、鳴海唯、村雨辰剛なだぎ武の出演が発表された。森崎、原、鳴海、村雨は大河ドラマ初出演。

【写真】家康(松本潤)側室にして同志、信頼厚きパートナーを演じる阿茶局・松本若菜

 松本若菜が演じるのは、武芸をたしなみ、家康(松本潤)が数々の戦にも同行させた、美しさと才覚を兼ね備えた側室・阿茶局。もとは武田家臣の娘で、徳川秀忠の後見役もつとめる。豊臣家との最終決戦の際には、重要な交渉役を担うことに。

 関ケ原に遅れてきた二代将軍・徳川秀忠を演じるのは、森崎ウィン。幼名・長丸。家康と於愛(広瀬アリス)の間に生まれ、信康亡き後、両親のもとで嫡男として大切に育てられる。母に似て大らかで、明朗快活な青年だが、家康にとっては物足らないところもある。

 原菜乃華が演じるのは豊臣と徳川をつなぐ最愛の孫娘・千姫。秀忠と正室・江の長女。家康にとっては目に入れても痛くない最愛の孫娘。太閤秀吉(ムロツヨシ)の遺志に従い、7歳で秀吉の嫡男・秀頼に嫁ぐ。徳川と豊臣の架け橋としての重責を負うことに。

 岐洲匠が演じるのは豊臣の人質として育った次男・結城秀康。家康と側室・お万(松井玲奈)の子。幼名・於義伊。幼き頃より苦労を負い、人質として豊臣家に送られ、やがて結城家の養子となる。文武に秀でた才能をもち、秀忠の兄として徳川の天下を支える。

 木村多江が演じるのは頑固で無口な石川数正松重豊)を支えた糟糠の妻・鍋。秀吉(ムロツヨシ)との関係がこじれていく中、徳川のために我が子を人質として差し出すという夫の決断を受け入れる。孤立していく数正を支える理解者。

 鳴海唯が演じるのは忠勝(山田裕貴)の気骨を受け継ぐ本多家の娘・稲。父に似て頑固な胆の据わった女性。徳川にとって、常に火種である真田との関係を取り持つため、真田昌幸佐藤浩市)の嫡男・信幸(吉村界人)に嫁ぐという話が持ち上がる。

 村雨辰剛は対外政策を任されたイギリス人航海士ウィリアム・アダムスを演じる。関ケ原の戦いの半年前に日本に漂着した、英国生まれの航海士。朝鮮出兵後の対外関係に頭を痛める家康の相談相手となり、やがて江戸に招かれ、外交顧問として重用される。日本名・三浦按針

 なだぎ武が演じるのは江戸治水や町づくりを担うプロジェクトリーダー・伊奈忠次。武器や食糧の補給を行う後方支援で活躍。その実績を認められ、家康の関東移封に伴い、江戸の都市計画を担う代官に抜てき。利根川など河川の流れを変え、江戸を日本最大の町にする夢を追う。

 大河ドラマ『どうする家康』はNHK総合にて毎週日曜20時放送。BSプレミアム、BS4Kにて18時放送。

 今回発表されたキャストのコメント全文は以下の通り。

<キャストコメント全文>

<コメント全文>

松本若菜

――演じる人物の印象はいかがですか。

 私の印象としては、強くて家康に深い愛情を持っている女性です。家康亡き後も後継人を任されるほど、家康そして徳川家からの信頼が厚く才覚があるところにフォーカスが当たりがちですが、それだけではなく、家康を側室として支えた阿茶局の多彩な表情を深い想いで演じたいと思っています。

――歴史ファンの間で、阿茶は人気のある女性の一人です。松本さんご自身が、これまで阿茶に対してお持ちになっていたイメージがありましたら教えてください。

 今でも語り継がれるほどの魅力の多い女性で、歴史好きの方に人気があることは私の周りからも耳にします。当時も憧れを持つ人は多かったのかもしれませんね。はっきりとした男性社会の中で、家康と戦を共にするほど信頼があり、地頭の良さを持ち、側室であり側近でもある当時には珍しい、今で言うところのバリキャリな女性というイメージです。

――大河への初出演は、3年前の「麒麟がくる」でした。撮影で記憶に残っていること、思い出に残っていることはありますか?

 「麒麟がくる」では、初の大河ドラマということもあり、嬉しさと緊張が入り混じった感覚の中、於大の方についてたくさん調べ撮影に臨んだのを覚えています。兎に角、家族が私以上に大喜びしてくれたのが、とても嬉しかったです。

――古沢作品の魅力をどんなところに感じますか? また、『どうする家康』に関して楽しみにしていることがあればお願いいたします。

 古沢さんの作品は、どれも中毒性の高いものが多い気がします。現に私もその1人で、点と点が線になっていく過程がとても好きです。今作品では、甲本雅裕さん演じる夏目広次の伏線が回収されたときの震えと感動を思い出すと、何度でも観返したくなります。やはり中毒性が高いです(笑)。阿茶局の側室と側近の両方を演じられることが嬉しく、とても楽しみにしています。

――家康役の松本潤さんとのシーンが多くなるかと思いますが、お芝居をしてみて感じたことや、今後楽しみにされていることがあれば教えてください。

 現場ではスタッフさんも演者さんも、松本さんを愛称で“殿”と呼んでおられ、実際に対峙させていただいたら本当に殿に相応しい出立ちで、とても心強く感じました。

 オンエア(放送)で見ていた「どうする家康」とクランクインのときの「どうする家康」の時差がかなりあり、背景やキャラクターの強さや想いが全くの別物になっていました。そのギャップを埋めるのに、たくさんの映像や資料を見て、自分のイメージと現場の温度感を擦り合わせていく作業がとても楽しくやりがいを感じております。

 松本潤さんと私(松本若菜)のように、出演者で同じ姓の方が何人もいらっしゃいます。何人いるかクレジットで探してみるといった裏の楽しみ方もありますよ(笑)。阿茶局として精一杯生きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

森崎ウィン

――演じる人物の印象はいかがですか。

 当時の戦国武将の中でも秀忠は比較的柔らかくて、家臣からの信頼も厚い人だったのではないかと思います。しかし武将としては力強さに欠ける部分もあるのかなというイメージです。今回途中から参加するということもあり、ストーリー的にだんだん空気が重くなっていると思うのですが、秀忠が登場することで一瞬ふっと雰囲気が明るくなればいいなと思います。

 秀忠は僕と近いところがあるのかなと勝手に親近感が湧いているので、僕の中に秘めている明るさだったりを役を通して出していけたらいいなと思っております。

――大河ドラマ初出演ですが、これまで大河に持っていた印象はありますでしょうか。

 10歳の時にミャンマーから日本に来て、そこで初めて「大河ドラマ」を知りました。ミャンマーにも時代劇というものはあったので、日本でも時代劇は人気なんだという印象を持ちました。それから芸能界に入り、大河ドラマの凄さや偉大さ、豪華俳優陣が集結して、大作を作り上げるものなんだと知り、いつしか大河ドラマに出演するというのが自分の目標のひとつになっていました。

 今回初めて大河ドラマに出演し、実在した人物を演じるので責任感も大きいですが、このお話をいただけたことは純粋に嬉しいですし、これからの撮影が非常に楽しみです。

――古沢作品への出演は初めてかと思います。好きな作品はございますか。

 「コンフィデンスマンJP」シリーズが大好きですね。奇想天外な物語の運び方、出てくるひとりひとりのキャラクターの濃さ、絶妙なコメディータッチの所が観ていて本当にワクワクしますね。ですので今回、古沢さんの脚本で演じられる事、非常に楽しみでございます。

――家康役の松本潤さんとのシーンが多くなるかと思いますが、収録で楽しみにされていることがあれば教えてください。

 松本さんとご一緒するのは今回が初めてですし、僕としてはミャンマーから日本に来て、テレビの中の人というイメージがあったので、その方と対面してお芝居が出来るというのは本当に喜ばしいことでございます。先日の衣装合わせでちらっとお会いしたのですが、背中で語る方なのかなと感じたので、父の背中を見て育つじゃないですけど、役も相まって自分もちゃんと松本さんの背中を見て最後まで座長について行きたいなと思います。

■原菜乃華

――演じる人物の印象はいかがですか?

 初めての時代劇で初めての大河ドラマでもあるので、とても楽しみでもあり、緊張もしています。千姫は、時代に翻弄され、波乱の人生を歩んだというイメージがあります。穏やかさや可憐さの中にもブレない芯のある強い女性だと感じたので、千姫の魅力を精一杯表現出来るよう頑張ります。

――大河ドラマ初出演ですが、これまで大河に持っていた印象はありますでしょうか。

 「鎌倉殿の13人」は家族全員で毎週楽しく観させて頂いていました。元々鎌倉時代のドロドロした人間模様が好きなのですが、コメディ要素も強くて、魅力的なキャラクター達の会話劇に毎回引き込まれていました。

――初めての時代劇出演にあたって、いまのお気持ちを教えてください。

 お着物やかつらを付けてのお芝居が初めてなので、不安もありますが、ずっと時代劇に出演してみたかったので、キャストの皆さんの背中をみて沢山勉強させて頂きたいなと思っています。

――古沢作品で好きな作品はございますか。

 古沢さん脚本の「リーガル・ハイ」という作品が本当に大好きで、初めてドラマにハマった作品であり、お芝居を頑張りたいと思ったきっかけの作品であります。小学生時代、セリフを丸暗記して1人芝居をして遊んでいた位、私の中で殿堂入りしている特別な作品です。その頃からいつか古沢さんの作品に出演するのが夢でしたので、叶えることが出来てとても嬉しいです。

――共演を楽しみにされている方がいらっしゃれば教えてください。

 初回から一視聴者として楽しく見させて頂いていたので、やはり松本潤さん演じる徳川家康に早くお会いしたいという気持ちが強いです。

■岐洲匠

――演じる人物の印象はいかがですか?

 結城秀康は家康の次男として生まれながらも、2代将軍にはなれなかった人物です。でも、武芸だけでなく義も厚く、豊臣家に人質として養子に入った後も、秀吉がその才覚を認め、後継者になる可能性があったと聞きました。鶴松が誕生した事によって、結城家を継ぐことになりますが、波乱の人生であっても、強く逞しくあり続けた彼は本当にカッコいい人だと思います。

 先日、結城秀康の位牌所である、森巖寺にもお参りしてきました。下北沢住宅街にポツンと立っていて、とても綺麗なところでした。歴史ある大河ドラマに出演できることは、とても光栄で身が引き締まる思いですが、事前準備も含めて、自分にやれる事をやって、後悔のないよう挑みます! よろしくお願いします。

■木村多江

――出演オファーを受けたときの率直なお気持ちはいかがでしたか。

 親孝行ができるし、素晴らしい俳優の方々とご一緒できる機会、何か学べたらと楽しみでした。

――演じる人物の印象はいかがですか?

 夫の数正さんは常に命をかけて戦っているので、癒しであり、彼の前では安定してる人、また、寡黙なので、彼を理解しようと努力し、寄り添っている人と役をとらえ、現場では数正さんと演じる松重さんのあらゆる感情を受け止めて、寄り添うことを大切にしていました。

――「平清盛」以来、11年ぶりの大河出演ですが、久々に大河のスタジオに来られてのご感想を教えてください。

 タイムスリップしたようで楽しく、スタッフの方々の細やかな職人技に支えていただき、とても役に入りやすく、以前も同じように感じたことを思い出しました

――好きな古沢作品はございますか。

 「外事警察」は、本当の現実でも、何かに追われてるようなハラハラの気持ちが止まらなくなるほどハマっていました。また映画の「キサラギ」も、ストーリー展開が大好きで何度も拝見しています。

――夫・石川数正役の松重豊さんと共演されてのご感想を教えてください。

 久々の共演でしたが、削ぎ落としていく芝居をしながらその人を語る、ということを学ばせていただき、また、とても日常的で、でも自分の中でジーンとくるシーンも2人で作ることができ、素敵な思い出になっています。

■鳴海唯

――演じる人物の印象はいかがですか?

 出演が決まった時は、本当に嬉しく、徳川家の一員として出演させていただけることに身の引き締まる思いでした。稲は徳川四天王とまで言われた本田忠勝を父に持つ女性で、その血を存分に引き継いだ、勇敢で信念のある女性という印象を受けました。真田家に嫁ぐという決心に至るまでの葛藤や父への想いなど、父の背中を見て育ってきたからこその表現ができたらと思いました。また、稲の少女ならではのわがままな部分やお茶目な部分も描かれているので、そういったところも意識しながら、少女から1人の女性として成長する様子を丁寧に演じようと思いました。

――大河ドラマ初出演ですが、これまで大河に持っていた印象はありますでしょうか。

 俳優であれば誰もが憧れる大舞台で、老若男女問わず長年愛され続けているドラマという印象です。『軍師官兵衛』は、小さい頃父と一緒に見た、最初の大河ドラマでした。とても印象に残っています。

――初めて時代劇に出演されるにあたり、いまのお気持ちをお聞かせください。

 大河ドラマへの出演も初めてですが、時代劇の出演も初めてだったので、とても緊張しました。所作、言葉遣い、髪型など、どれをとっても新鮮で刺激的でした。昔の時代の言葉に憧れがあったので、自分のセリフを見た時、嬉しくてワクワクが止まりませんでした。

――好きな古沢作品はございますか。

 コメディ作品が大好きなので、リーガルハイやコンフィデンスマンJPなどが大好きです。どのキャラクターもいきいきしていて、いつか古沢さんの作品に出たい!と思っていたので今回念願叶い、とても嬉しかったです。

――父・忠勝役の山田裕貴さんは、鳴海さん初の朝ドラ出演となった「なつぞら」でも共演されていたかと思います。今回、親子役で共演してみていかがですか? 山田さんとの現場でのエピソードがあれば、あわせて教えてください。また、山田さんのほかに、共演を楽しみにされていた方がいれば、理由と共に教えてください。

 『なつぞら』では義理の兄と妹という関係性で、同じシーンが少なかったので今回親子役として改めてご一緒させていただけて光栄でした。山田さんの父としての佇まいが素晴らしくて自然と作中では描かれていない、父と娘の時間を想像することができました。

村雨辰剛

――演じる人物の印象はいかがですか?

 三浦安針の存在は、もちろん以前から知っていました。日本に漂流して、日本人になって士分まであがったと言う事で、私は帰化人としてお手本にしている歴史人物です。大変尊敬しています。徳川家康題材の大河ドラマがあった際に、三浦安針の役があるなら是非演じさせて頂きたいとずっと思っていました。

 僕が日本に来て、「日本人」として生きていく覚悟や思いを三浦按針と重ね合わせて見ると共通点がたくさんあると思いました。異国の地でその国の国籍を持って生きていくのは言葉では言い表せない大変さがあります。現代社会ではグローバル化によって自然に生きていけることも多いですが、江戸時代ではアダムスの苦悩も多かったのではと想像します。そんなアダムスが残した大きな功績を思うと感銘を受けます。

――大河ドラマ初出演ですが、これまで大河に持っていた印象はありますでしょうか。

 私は歴史が好きで、大河ドラマもいくつか見ました。お気に入りの作品は『天地人』です。戦国時代で信念を貫いた上杉謙信の生き方と、強い精神が詰まったドラマであるからこそとても記憶に残っていると思います。毎年大河ドラマが作られている事自体が日本歴史の豊かさを物語っています。今回はその「文化」に携わる事ができて、大変光栄に思います。

――これから始まる撮影で、楽しみにされていることがあれば、教えてください。

 熱望していた三浦安針役をいただけたことに心から感謝と、感激でいっぱいです! アダムスが残した徳川家康の外交顧問としての功績をしっかりと視聴者の方に伝えていけるように頑張ります!

なだぎ武

――演じる人物の印象はいかがですか?

 埼玉県北足立郡伊奈町の町名の由来となった人物、今までその功績をあまり知らずにいたので、今回伊奈忠次と言う人物を知ると共に、自分が伊奈役をやらせて頂く事が面白くもあり楽しみでもあります。新しいものを敏感に受け取り、すぐさま【創る】という作業に取り掛かれる行動力は、『笑い』においても必要な部分。伊奈忠次を演じて知る、全てにおいて通ずる大事なモノ。勉強になります! 伊奈様!

大河ドラマ『どうする家康』に出演する(上段左から)松本若菜、森崎ウィン、原菜乃華、(下段左から)木村多江、鳴海唯、村雨辰剛 (C)NHK