「想像を絶するだらしなさ。恥ずかしくて、穴があったら入りたいくらいです」

 チュートリアル徳井義実が、東京国税局からなんと1億円を超える無申告と所得隠しを指摘されたとして、深夜11時からという異例の時間に記者会見。それが2019年10月23日である。

 徳井は吉本興業から支払われるギャラを、個人会社「チューリップ」を経由し、受け取っていた。ところが2016年から2018年までの3年の間、法人税を全く支払っておらず、申告漏れと指摘された総額は1億1800万円。重加算税と無申告加算税を含め、約3700万円の追徴課税を命じられた。

 会見当日、徳井は大阪のテレビ番組に出演。吉本興業に連絡すると、午後10時から本人が大阪の吉本本社で会見するという。そこで筆者も新幹線に飛び乗り、大阪へ。

 1時間遅れで会見場に現れた徳井は、グレーのスーツとネクタイ姿。国税局からの指摘を受け、修正申告はしたというものの、

「私のだらしなさ、怠慢によってしっかりとした納税をすることができず、本当に申し訳なく思っています」

 深々と頭を下げて謝罪。ただ、金銭に関する問題にもかかわらず、具体的な数字を把握していないのか、しどろもどろな対応に終始した。案の定、翌24日にはフジテレビが、徳井の個人事務所が2018年の設立から9年間、一度も期限内に納税していなかったと報道。25日には朝日新聞も、約6500万円の追徴課税を受けていたと報じたことで、その「究極のだらしなさ」が際立つことになった。

 吉本興業10月26日、徳井の芸能活動自粛を発表することになるのだが、この問題について、知人の税理士は、アキレた表情でこう語ったくれたものだ。

「無申告というのは、いわば納税義務の完全な放棄ですからね。通常、国税が税務調査で遡るのは5年まで。ところが徳井さんのケースは、7年遡って修正申告させていますからね。これは、悪質性が高いと認定されたからです。しかも国税からは再三、指摘があったといいますから、早く対応していれば、こんなことにはならなかった。本人はルーズだったと言っていますが、そもそも税金を払うことをナメていた、そう受け取られても仕方がないケースと言えるでしょうね」

 結局、徳井は10本あったレギュラー番組を全て降板。「脱税」の代償はあまりにも大きかったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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