新天地での活躍が期待される筒香(C)Getty Images

 レンジャーズ傘下3Aを退団していた筒香嘉智が、米独立リーグアトランティックリーグに所属するスタテンアイランド・フェリーホークスに入団した。あくまで米球界での挑戦を優先し、NPB球団への復帰は今オフ以降に見送った格好だ。

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 今季はレンジャーズの招待選手としてメジャーキャンプに参加。ただ、ビザ取得の遅れからオープン戦では十分なアピールができず、開幕メジャーを勝ち取ることはできず。傘下3Aラウンドロックでプレーを続けていたが、6月下旬に自らの意思で契約を破棄するオプトアウトを行使しFAとなっていた。7月31日までならNPB球団と契約して国内復帰することも可能だったが、3Aよりもさらにレベルが下がり、メジャー契約も遠のく米独立リーグでのプレーを選択した。

 スタテンアイランド・フェリーホークスは、かつてはヤンキース傘下の1Aチームがあったスタテン島を本拠地としている。スタテンアイランド・ヤンキースは2020年、コロナ禍によるマイナーリーグ中止と、機構によるマイナーチーム削減の流れを受け、傘下2Aチームに合併される形で消滅。その後、独立リーグチームが誕生して2021年に誕生した新進気鋭のチームだ。つい先日にはその縁もあり、ヤンキースで活躍した松井秀喜さんが始球式を行った。

 今季は前期を22勝41敗の北地区最下位で終了。現在は後期を戦っており、9勝10敗で地区4位となっている。

 アトランティック・リーグMLBと提携しており、ピッチクロックやロボット審判など、さまざまな新ルールをテストする場としても知られている。

 そしてスタテンアイランド・フェリーホークスの名前が注目されたのが昨年5月、ケルシー・ウィットモアが同リーグ史上初の女性選手として先発出場を果たした。ウィットモアは投手兼外野手二刀流選手。米国代表として20142016、2018年の女子W杯でもプレーした。

 今季は投手として9試合に登板し、0勝0敗、防御率12・00。9回で14安打12失点、3三振という成績を残す。打者としては11打数無安打に終わっている。

 1日には本拠地でのヨーク戦に8番・DHで初出場し4打数2安打1打点。2日の同戦では移籍1号アーチを放ち、4打数1安打1打点だった。
 女子選手も抱える異色の新天地での挑戦。このまま結果を残せないまま、日本に帰るわけにはいかない。そんな筒香の矜持が伝わってくるようなチャレンジが始まった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

女子選手も抱える異色の新天地での挑戦、簡単に日本には帰れない筒香嘉智の矜持