劇作家で演出家、映画監督、俳優として、その才能をマルチに表現してきた赤堀雅秋が、この秋、豪華ゲストとともに初の一人芝居劇に挑むことが発表された。

タイトルは『日本対俺』。作・演出・出演の三役を赤堀が担うほか、山下敦弘監督による撮り下ろしの『フェイクドキュメンタリーロードムービー』も上映し、赤堀による生の短編一人芝居を数本と、山下による映像数本を織り交ぜて構成されるという。

赤堀曰く「おそらく最初で最後の所業」というこの一人芝居『日本対俺』は、かつて長谷川和彦監督が『太陽を盗んだ男』という作品の準備段階で、その題名を決める際に候補に上がっていたタイトルを拝借したものだそう。

公演では、多彩なゲストを招いての「即興劇」という大胆な仕掛けも含まれており、そこには荒川良々、大久保佳代子、大倉孝二、黒田大輔、田中哲司、永山瑛太、森山未來八嶋智人五十音順)という豪華俳優陣が名を連ねる。日替わりでゲストが変わる点でも、設定やシチュエーションのみが決められた即興劇をするという点でも、何度でも観たい作品となることは間違いないだろう。

上段左から)赤堀雅秋、大根仁、山下敦弘 中段左から)荒川良々、大久保佳代子、大倉孝二、黒田大輔 下段左から)田中哲司、永山瑛太、森山未來八嶋智人

総合演出の大根仁は、赤堀の「おそらく最初で最後の所業」というコメントについて、「最初で最後にするつもりはない」「この舞台は絶対に面白いものになる!レギュラー公演化する!」と言葉を放っている。大根は、THE SHAMPOO HAT(1996年に赤堀が旗揚げした劇団)時代から、公演を見るたびに「赤堀くんが作る舞台は赤堀くんがいちばん面白いんだから、赤堀くんが主役をやりなよ」と言い続けてきたという。ついに念願叶ったのである。

「時に無様で、時に滑稽な、世の中にうまく馴染めない市井の人々の機微を描いた」一人芝居と、「憎めない中年男3人の日常を独自の観点で描いた」ショートムービーは、いずれも赤堀が脚本を書き下ろしている。

「『赤堀の一人芝居』「山下監督の映像」『ゲストとの即興劇』、これまでに類を見ない舞台公演をご期待ください!!」と自信を持って上演を迎える『日本対俺』。

ぜひ会場に直接足を運び、その目で大いなるユーモアの世界を堪能してほしい。公演は2023年9月25日(月)から10月1日(日)まで。東京・下北沢のザ・スズナリにて。

<コメント全文>
■赤堀雅秋

日本対俺。長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』の準備段階において、題名として幾つか挙がった候補の中の一つにこれがあった。記憶は定かではないが20年以上前に何かのドキュメンタリーを見ていて、長谷川監督のノートに殴り書きのようにあった『日本対俺』が、あれからずっと頭の片隅にこびりついて離れない。今作はマッチョな精神とは真逆な、そこらに落ちていた棒っきれで見えない巨大な敵と泣き喚きながら戦うイメージ。初の一人芝居。

おそらく最初で最後の所業。勝手にそのタイトルを拝借し、醜態をさらすドキュメンタリー。

■大根仁

(赤堀のコメントを受けて)と、赤堀君は言っているが、総合演出としては最初で最後にするつもりはない。事の発端は、THE SHAMPOO HAT時代に遡る。

「赤堀君が作る舞台は赤堀君がいちばん面白いんだから、赤堀君が主役をやりなよ」

公演を見るたび、私は言い続けてきた。劇団が解散、演目ごとのカンパニースタイルに移行し、大きな劇場やメジャーキャストで公演をするようになってからも、同じことを言い続けた。
おそらく、赤堀作品を長年観てきた客も、共演した役者ですら、同意見であろう。
だが赤堀君がそれに応じてくれることはなかった。
理由は赤堀君独特のイズムとシャイネス、他役者たちへの配慮だろう。
「じゃあ一人芝居でいいから!とにかく赤堀君が主役の舞台を見せてくれよ!!」
鄙びた居酒屋の隅で、半ば恐喝まがいで決まった本企画。
テメエの才能は皆無だが、他人の才能を見抜くことに関しては絶対の自信を持つ私が断言しよう。この舞台は絶対に面白いものになる!そしてレギュラー公演化する!
もはや私は金の匂いすら感じ始めている。

<公演情報>
赤堀雅秋一人芝居『日本対俺』

作・演出・出演:赤堀雅秋 総合演出:大根仁 映像:山下敦弘

日替わりゲスト(出演日): 荒川良々(9/26) / 大久保佳代子(9/30) / 大倉孝二(9/29) / 黒田大輔(9/30) / 田中哲司(9/28) / 永山瑛太(10/1) / 森山未來(9/27) / 八嶋智人(9/25) (五十音順)

2023年9月25日(月)〜10月1日(日)
会場:東京・ザ・スズナリ

チケット情報
https://w.pia.jp/t/akahorihitorishibai/

公式サイト:
https://comrade.jpn.com/akahorihitorishibai/

赤堀雅秋一人芝居『日本対俺』チラシ