2023年9月~10月、東京・大阪にて上演される、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ひげよ、さらば』のメインビジュアルが公開となった。

原作は、上野瞭の「ひげよ、さらば」(初版1982年理論社より出版)。1983年に第23回日本児童文学者協会賞を受賞、1984年から1985年にかけてNHKで人形劇が放送された人気作。物語は、記憶をなくした猫「ヨゴロウザ」がとある峠で野良の隻眼の猫「片目」と出会うところから始まる。そこから始まる愛と裏切りの物語を、猫たちを擬人化して描き出す。

脚本・演出を手掛けるのは蓬莱竜太。音楽で彩るのは稲本響。本作の主人公、記憶のない猫「ヨゴロウザ」には、中島裕翔。峠に住む隻眼のアウトローで、孤立しつつも皆から一目置かれている「片目」には、柄本時生。臆病な性格で、その場その場で誰の下について生きればいいのかを判断する「学者猫」には音月桂。猫特有の奔放さを体現する「オトシダネ」に忍成修吾。冷静沈着、頭が切れて非道な犬「ナキワスレ」は石田佳央。縄張り意識の強い猫「黒ひげ」には一ノ瀬ワタル。人間の世界に憧れている猫「星からきた猫」には屋比久知奈。マタタビのやりすぎでいつも酔っ払っているような老猫「くずれ猫」には中村梅雀と、個性豊かな面々がリアルな人間ドラマをおくる。

そして今回、野良犬たちとの闘争、他者との関わり、集団の中の個、個の中の集団、リーダーの苦悩、共依存と愛憎、生きること死ぬこと……人間社会に混在する様々な問題を表現するダークな雰囲気でありながら、それらを乗り越えた先に見えるかすかな希望も感じさせるメインビジュアルが完成。

彼らの苦難と喜びに満ちた物語を描く本作。どんな公演になるのか楽しみにしよう。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ひげよ、さらば』メインビジュアル