今夏の移籍市場でビジャレアルに加入したノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロートが、“電撃移籍”の背景を語った。3日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 1995年12月5日生まれのセルロートは現在27歳。ノルウェー第3の都市トロンハイムで産声をあげた“巨人ストライカー”のプロキャリアはローゼンポリから始まり、ボテ・グリムトやフローニンゲン、トラムゾンスポルなどを経て、2021年夏にライプツィヒからレンタル移籍でレアル・ソシエダに到着した。初年度は公式戦8得点を記録すると、レンタル延長となった昨シーズンは公式戦14得点の活躍。特にMF久保建英との“凹凸コンビ”で猛威を振るい、10年ぶりとなるチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献している。

 昨シーズン終了後に保有元のライプツィヒに復帰したセルロートに対しては、レアル・ソシエダが獲得に動いていることが公の事実となっていた。しかし先月25日、ビジャレアルが水面下で交渉を成立させて5年契約を締結。この“電撃移籍”について、同選手は「自分のキャリアに安定を求めていただけに、今ここに居られることが重要。僕との契約について、表では何も言われてなかったことで、冷静に仕事に取り組むことができた」と告白。続けて「昨シーズン、ビジャレアルの試合をたくさん見たけど、素晴らしいサッカーをする。攻撃的にプレーし、ゴールを決めたがるチーム。ストライカーとしては完璧だ。27歳はキャリア最高の瞬間だから、自分にとって良い場所を見つけたかった」と背景を明かした。

 また、セルロートは「最大限の力を発揮したい。ビジャレアルに連絡をもらったとき、ここに来たいと思った。何年も過ごすには、この上なく適した場所だからね」としつつ、「今シーズンは昨シーズンよりも多くのゴールを決めたい。もちろん毎年、より良い結果を残せるように努力している。目標は常にチームを助けることで、それにはゴールだけでなくアシストも含まれるんだ。まだ、僕のベストを見てもらっていない。(リーグ戦)12ゴールはいいことだけど、もっと決めたい」と決意を語っている。

 これまでに9つのクラブ・8つのリーグプレーし、スュペル・リグトルコ)では得点王に輝くなど、行く先々でゴールを奪うキャリアはまさに“ヴァイキング”を連想させる。それでも今夏、移籍の決め手となったのは“土着”だったようだ。

ビジャレアルに加入したFWセルロート [写真]=Getty Images