蒸し暑くて眠れないため、就寝時にエアコンをつけたまま寝たところ、「喉を痛めてしまった」という経験はありませんか。SNS上では、「冷房で風邪をひいた」「エアコンをつけっ放しにして寝ると寒い」「エアコンの効いた部屋で寝ると、喉をやられる」などの意見が上がっており、就寝時のエアコンの使い方に苦労している人は多いようです。

 エアコンをつけて寝る際に、風邪をひかないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

おなか、肩を露出させないこと

Q.そもそも、就寝中にエアコンをつけていたことがきっかけで風邪をひくケースは多いのでしょうか。原因や主な症状も含めて、教えてください。

市原さん「エアコンの温度設定を適度に保てば問題はありませんが、体が冷え過ぎたり、エアコンの風が直接体に当たったりすると、喉の乾燥や体の冷えによって、風邪を引き起こすことがあります。その際の代表的な症状としては、起床時に喉が痛かったり、鼻汁が出たりするなどです。また、腹痛や倦怠(けんたい)感、筋肉痛、こむら返りの症状が生じる可能性もあります」

Q.では、睡眠中はできるだけ体を冷やさない方がよいのでしょうか。

市原さん「そんなことはありません。逆に暑い環境下で寝ると、熱中症のリスクが高くなります。熱帯夜では、できるだけエアコンをつけたまま寝るのをお勧めします」

Q.エアコンをつけて寝る場合、エアコンの設定温度はどのように調節したらよいのでしょうか。

市原さん「個人の体質や住宅の構造などによって異なるとは思いますが、一般的に、就寝時はエアコンの設定温度を26~28度にすると、快適だと感じる傾向にあります。エアコンとサーキュレーターを併用する場合は、エアコンの設定温度をやや高めにしても快適に過ごすことができるため、調節してみてください」

Q.エアコンをつけたまま寝るときは、どのような服装で寝るのが望ましいのでしょうか。

市原さん「おなかを冷やさないように注意してください。『下着姿で寝る』『肩が露出した状態で寝る』など、手足を丸出しにした状態で寝ると体が冷えやすくなります。半袖半ズボンのような、おなかや肩が露出しない服装が望ましいです」

Q.ちなみに、夜に寝苦しくて眠れない場合、エアコンの使用以外で体を無理なく冷やす方法はありますか。

市原さん「扇風機サーキュレーターを使って空気を循環させたり、冷感素材の寝具や保冷剤入りの枕などを活用したりする方法がありますが、これらの方法は、熱帯夜を安心して過ごせるものではありません。先述のように、暑い環境下で寝ると、熱中症のリスクが高くなるため、就寝時はエアコンに頼らざるを得ないと思います」

オトナンサー編集部

エアコンをつけて寝る際に、風邪をひかないようにするには?