とてつもない速度で「J-20」増加中。

中国空軍はステルス戦闘機「J-20」を140機も保有!?

防衛省は2023年7月、2023年度版の防衛白書を公表しました。ここでは中国と台湾の軍事バランスにも触れており、「全体として中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化している」と指摘しています。

防衛白書では「中台軍事力の比較」として、中国と台湾の戦車や艦艇、近代的戦闘機の保有数も公表しています。それによると、中国空軍はステルス戦闘機J-20」を140機保有しているそう。なお、昨年度の防衛白書では同機の保有数は50機となっており、1年で90機も増えています。中国がステルス戦闘機の増産に注力していることが伺えます。

J-20」は、アメリカが開発したF-22「ラプター」やF-35ライトニングII」といったステルス戦闘機と同世代に分類される中国独自開発の最新鋭戦闘機です。F-22F-35と異なり、主翼のほか機体前部にカナード(前翼)が付いているのが外観上の特徴です。2011年1月11日に初飛行しており、中国国防部が2018年2月に作戦部隊への引き渡し開始を発表しています。

これまでJ-20には、ロシア製の「リューリカ=サトゥールンAL-31」エンジンが搭載されていましたが、以前から、中国が開発中の国産エンジン「WS-15」にアップグレードすることが示唆されていました。

2023年6月には、中国の成都にある飛行試験場で、エンジンテストをするJ-20を撮影した動画がSNSで拡散。この機体に搭載されているエンジンが、中国国内で開発された新型エンジンであるWS-15ではないかと噂されています。

中国はこのほか、J-20と同じステルス機である、J-31(艦載機型はJ-35)戦闘機も開発しており、ステルス性こそ備えていないものの、高性能なJ-10、J-15、J-16などの第4世代機も増加しています。

いっぽう航空自衛隊のステルス戦闘機F-35Aの保有数は、2023年3月31日時点で33機。昨年度の同時期における保有数は27機となっており、わずか6機しか増えていません。

防衛白書ではこのほか、中国が核戦力や海軍艦艇なども急速に増加させていると指摘しています。

ステルス戦闘機「J-20」(画像:中国航空工業集団)。