2023年7月27日東京ドームコムドットが総合プロデュースを務める『Creator Dream Fes ~produced by Com.~』(以下CDF)が開催された。約4万人の観客が見守る中、いまもっともYouTube界を盛り上げているクリエイターが集結。1日限りのイベントを成功させた。

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 CDFを終え、コムドットはイベントの様子の一部を、自身のチャンネルで公開した。共演したクリエイターも、CDFの裏側や感想について言及している動画を続々と投稿している。今回はそんな動画とともに、さまざまなクリエイターの想いが詰まった1日について、振り返っていこう。

 オープニングを務めるのは、コムドットの5人。「DREAM」と書かれたバッグを持って、組織から逃げるメンバーの様子がスクリーンに映し出される。ゆうたは余裕の表情で逃げ切り、あむぎりはダンスメンバーと登場しラップを披露、ひゅうがは車ごとステージに登場し、ゆうまは女性の膝枕をしてもらう姿で笑いを起こす。そしてバッグは、今回総合プロデュースも務めるリーダー・やまとのもとへ。やまとは4人のもとへ移動ステージで向かい、5人揃っての幕開けとなった。

 第1部は「CREATORS COLLECTION」からスタート。2023年7月26日コムドットのチャンネルで投稿されたリハーサル動画では、YouTuberでありながらモデルとしても活躍している中町綾が、「CREATORS COLLECTION」のリーダーとしてチームを引っ張っていたことが明かされている。

 中町綾はサワヤンとやまとゆうた、とうあを率いて見事なランウェイを披露。クリエイターの枠を超え、圧巻の迫力で会場の雰囲気を一変させた。MCでは「歓声が大きすぎて足音が聞こえず、立ち位置を間違えてしまった」と振り返っていたが、そんなミスをカバーするほどのパフォーマンスだったように感じる。イベント冒頭の映像で、やまとは今回のCDFのテーマについてこう語っていた。「YouTube以外の特技を見せることによって、YouTubeのイメージをポジティブなものにできたら」。中町綾のパフォーマンスは、そのテーマをまさに体現するものとなっただろう。

 次はあむぎりによる「CREATORS DANCE PERFORMANCE」がスタート。以前からコムドットと親交があるGENERATIONSから、関口メンディーがゲスト出演した。2人はEXILEの「I Wish For You」をダンスで披露。あむぎりは「この数分のために1ヶ月頑張ってきた」と、忙しいスケジュールの中、練習を重ねてきたことを明かした。関口も「あなたの夢が叶いますように!」と観客に投げかけ、大いに会場を盛り上げた。

・知られざる陰の努力が夢の舞台へとつながる

 続いて「CREATORS DUNK CHALLENGE」へと演目は移る。ステージ上にバスケットゴールが設置され、サワヤンとゆうたによるダンクチャレンジが行われた。

 2023年8月1日に投稿されたコムドットの動画でも発言しているが、やまとゆうたは2023年7月22日に放送された『FNS27時間テレビ』(フジテレビ)で100kmマラソンに挑戦している。そんななか挑戦した、大舞台でのダンクチャレンジ。身体を酷使している背景はまったく感じさせないパフォーマンスだったが、コンビネーションダンクは失敗。サワは「今日で終わりとは限らない、夢は続く」と宣言し、これからを期待させる幕引きとなった。

 第2部は「CREATORS SUPER LIVE」。ここでは、スカイピース、ESPOIR TRIBE -エスポワール・トライブ、ばんばんざい、とうあ、むくえながそれぞれの持ち曲を披露。中でもとうあは出演者の中で、唯一単独でのパフォーマンスとなった。

 とうあは2023年7月29日に自身のチャンネルで、CDFを振り返った動画を投稿した。ダンスメンバーがいながらも、たった1人で行うライブパフォーマンスに焦りを感じていたことや、持ち曲が「若者(Young)」の1曲のみということから、本番1週間前にダンスパートを増やして曲をアレンジし、ギリギリまで練習を重ねてきたことを明かした。その成果もあり、当日はミスを1つもせず大成功を収めた。

 そしてトリは、ゆうまによる「カーテン」と「look at the sea」。CDFに懸ける想いを感じるパフォーマンスとなった。アーティストとして初めてのライブパフォーマンスが、東京ドームとなったゆうま。ステージでは「ぶっちゃけ初めてのステージで押しつぶされそうだった。でもほかのクリエイターのおかげで会場が温まっているから、楽しんでいきたい」とコメントした。

・イベントを通して伝えたかった「クリエイターのかっこよさ」

 最後の演目は、当日まで内容が明かされていなかった注目の第3部「NEXT DREAM」。イベントの冒頭で登場したバッグを開け、観客の前で夢を語るクリエイターたち。スカイピースは「ZOZOマリンスタジアムでワンマンライブ」を宣言した。テオくんは「夢を笑われてきました。笑うやつはダサい、でも笑われて夢を諦める奴が1番ダサい」と吐露。新世代クリエイターのリーダー的存在としてYouTubeを引っ張ってきた“強さ”を見せてくれた。

 続いてコムドットがそれぞれ夢を宣言する。ゆうたコムドットが漫画化したことを告知し、「コムドット映画化」を宣言。あむぎりは「ヒップホップソングでメジャーデビューをすること」、ひゅうがは「サイン入りカレンダーを1万人に手渡し」、ゆうまは「武道館でワンマンライブ」を目標に掲げた。やまとは涙を見せながら「信念を持った堂々とした人間になること」「メンバーと日本一のグループになること」を語った。

 今回のイベントは「夢に挑戦し、夢を叶え、そして新たな夢を宣言する」がテーマとなっている。だが、やまとは「夢を叶えなきゃいけないわけじゃない」と発言。「このイベントを見て小さなことでもいいので、少しでもこれから前向きになってくれたら」と伝えた。最後には「数字に追われるキツい職業です。でも、YouTuberクリエイターかっこよくないですか?」と涙ながら、観客に問いかけた。

 YouTuberという職業はようやく社会的地位を獲得できるまでになってきたが、まだポジティブなイメージを持っていない人が少なからずいる。だが今回のイベントを通じて、クリエイターの持つ力を感じた人が少しでも増えたのであれば、CDFは成功したと言えるのではないだろうか。彼らは数字で評価され、心無いコメントや、炎上がつきまとう世界で戦っている。CDFを経て、そんな彼らの“強さ”と“努力”を知り、認める人が増えてくれることを願う。

(文・取材=はるまきもえ)

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