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「雲雀丘学園サマー合宿」

東京都小平市のBridgestone Innovation Park(ブリヂストン・イノベーション・パーク 以下、BIP)において実施された「雲雀丘学園サマー合宿」

【画像】「雲雀丘学園サマー合宿」 当日の様子をみる【現地より】 全24枚

8月1日~3日の3日間で実施されたこのサマー合宿、ブリヂストンGサステナビリティ統括部門に、以前から交流があったという課外活動を通じて自ら学び、考え、行動する力を育む探求型学習を実践する雲雀丘学園から「探求プロジェクト」の一環として協力依頼があり実現したものだという。

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課外活動を通じて自ら学び、考え、行動する力を育む探求型学習を実践する雲雀丘学園から「探求プロジェクト」の一環として、ブリヂストンへ協力依頼があり実現したものだという。    近藤浩之

3日間に渡るサマー合宿は、サステナブル素材を活用したラジコンカーのタイヤ製作と、未来のモビリティ・サービスの提案をテーマに2グループに分かれ研究/発表をおこなうというもの。

テーマはブリヂストンが提案し、雲雀丘学園で公募した中学3年生から高校2年生までの15名が参加。テーマごとの研究/発表をおこなうことで、サステナビリティへの意識醸成および思考/判断/表現力を培うことを目標としている。

3日間の日程となっていたサマー合宿だが、当サイト(AUTOCAR JAPAN)が取材に伺った2日目を中心にその様子をお届けしてみよう。

テーマ別のグループごとに活動へ

2つのグルーフは、館長説明やBIPの見学などをおこなった後に、それぞれのグループに分かれ、テーマ毎の活動を開始。

未来のモビリティ・サービスの提案をおこなうグループは、まず実感を得るために車いすの体験へ。

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試乗用にスポーツ用と一般(介護)用の車いすが用意され、室内だけでなくBIPの駐車場まで飛び出し体験試乗がおこなわれた。    近藤浩之

この体験は、2021年の東京パラリンピックバトミントンの代表選手として出場した、組織イノベーション推進課の小倉理恵さんが講師。試乗用にスポーツ用と一般(介護)用の車いすが用意され、室内だけでなくBIPの駐車場まで飛び出し体験試乗がおこなわれた。

スポーツ用と一般用との違いや、少しの段差でも乗り越えに苦労するという体験などを通して、学生達も何らかの学びがあったようだ。

車いす体験の後は、学生達が自分達の提案をさらにブラッシュアップするために、ブリヂストンサステナブル/先端材料統括部門、ソフトロボティクス事業開発推進部、事業開発共創戦略課、ソリューション・デジタルエンジニアリング開発部などの技術者の方々に質問し、ディスカッションをおこなうことに。

この合宿の前から様々なリサーチをおこないこの場に持ってきたという学生達の提案は、世代を超えてシェアできる車いすベビーカー、日常使いの水陸両用車、1人でも気軽に外に出かけられるモビリティの3つ。

コンセプトや詳細などはこのスペースに書ききれないので省くが、学生の質問に対し技術者達も真剣な表情で提案の問題点や技術的なアドバイスをおこなっていた。

そのアドバイスを学生達がメモしていくのだが、ほとんど紙を使わずタブレット端末に書きこんでいるのが印象的でもあった。

自分で考えたレシピのタイヤをテスト

サステナブル素材を活用したラジコンカーのタイヤ製作のグループは、前日に自分が考えるタイヤを想定してレシピをつくり配合したタイヤ素材のテスト工程。

ちなみにテーマは10年後に自分が乗っているクルマにつけるサステナブルなタイヤを考える、でさらに一番重要な性能、サステナビリティで重要だと思う事、総合的にどんなタイヤがサステナブルか、という設問に対し学生達は、長く使える、再利用できる、安全性、タイヤの抵抗を無駄にせず電力などに変換、など様々な条件をスペックシートに書き込みから自分が考えるタイヤを設計したようだ。

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生徒製作ラジコンカー。    ブリヂストン

テスト内容は実際に考えたレシピからそれぞれの学生用に製作されたタイヤ(素材)の跳ね返り試験、引っ張り試験、実際のラジコンを操作してのインプレッション。

跳ね返りや引っ張りの試験ではレシピによる数値的な性能(差)を数値で確認。インプレッションでは京商のミニッツレーサーが使用されたが、運転に馴れた学生は1/27スケールでもレシピによるタイヤの性能の違いを感じることができたという。

学生達は、実際のタイヤさながらのタイヤ設計(の一部)を通して、サステナブルなタイヤに対するそれぞれの考えが見えてきたのではないだろうか。

3日目はラジコンのレースや、全体発表会、雲雀丘学園教頭先生ブリヂストン(Gサステナビリティ統括部門長、サステナブル・先端材料統括部門長の総評などがおこなわれ、学生達の3日間のサマー合宿が終了。

この3日間の体験が将来、タイヤだけでなく様々なサステナビリティの分野で活かされていくことになるのだろう。


考えまくる3日間 「雲雀丘学園サマー合宿」 ブリヂストン協力