まりえってぃ”の愛称で親しまれ、芸能生活15周年の節目の年を迎えた飯豊まりえ。2023年1月に25歳になった飯豊は、8月23日(水)にデビュー15周年を記念した写真集「かの日、」の発売が決定しており、8月6日(日)からスタートする新ドラマ「何曜日に生まれたの」(毎週日曜夜10:00-10:54、テレビ朝日系)で主演を務めるなど勢いに乗っている。そこで10代女子の憧れであるティーンモデル時代から、特撮ヒロイン、現在の活躍に至るまで、いくつかの作品とともに彼女の魅力に迫る。

【写真】“まりえってぃ”もすっかり大人に…!飯豊まりえの艶やかなドレス姿

ティーンモデルから着実にキャリアを積み重ねたモデル業

1998年1月5日生まれの飯豊は、雑誌「ニコプチ」でモデルデビュー。その後、雑誌「nicola」や「Seventeen」の専属モデルを務め、天真らんまんな笑顔と持ち前の明るい人柄でファンの心をつかみ、瞬く間に10代女性読者を中心に人気モデルの階段を駆け上がった。

惜しまれながらも2018年夏に「Seventeen」専属モデルを卒業し、ある種“飛び級”で30代をターゲティングするファッション雑誌「Oggi」の最年少レギュラーモデルとして抜てきされ、モデルとしてさらなる成長を遂げた。当時、20歳だった飯豊は「学生時代から愛読していた憧れの雑誌だったので、こんなにも早く実現できて本当にうれしかった!」と語っており、専属モデルとして活動し始めてからわずか4カ月で単独表紙を飾るなど、かわいらしい“まりえってぃ”から一気にクールな女性の表情を披露したことでも話題となった。

■特撮ヒロインから“飯ドラマ”まで多彩な顔を見せる

モデルとして活躍する一方、2012年からは俳優業への挑戦を始めた。若手俳優の登竜門的な“スーパー戦隊シリーズ”のヒロインとして、2013年に「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)のキョウリュウバイオレット役として登場して以降、2015年にはドラマ「学校のカイダン」(日本テレビ系)、2016年にはドラマ「MARS〜ただ、君を愛してる〜」(日本テレビほか)と立て続けに学園ドラマに出演。

そんな中、この時期の代表作として挙げたいのが、映画「暗黒女子」(2017年)だ。飯豊は、セレブ女子校に通い、全校生徒の憧れの存在でありながらも突然死を遂げる高校生・いつみを怪演。いつも清楚な装いで穏やかな笑顔を見せるいつみの裏側に潜む、本当の姿を体当たりで演じた。本来飯豊の魅力の一つでもある“笑顔”が、劇中ではどこか不吉な予感すら感じてしまうような不快さもあったりと、改めて彼女の演技力が評価された作品でもある。

また、隠れた名作が誕生することでも知られる“テレ東深夜ドラマ枠”では、個性的な作品に挑戦していることも印象的だ。大森南朋、篠原涼子らが本人役で出演し、実在の店舗がモデルとなったドラマ「居酒屋ふじ」(2017年)では、店の常連客の1人である“くじらちゃん”こと鯨井麻衣を演じ、数年後にはドラマ「ひねくれ女のぼっち飯」(2021年)で、町中華から大衆居酒屋まで、お気に入りのInstagramアカウントにアップされる写真のご飯を目がけて“独り飯”を楽しむ、ひねくれ女のつぐみを演じるなど、“1人客キャラ”として深夜作品でさまざまな顔を見せてくれている。

グルメドラマに出演する一方で、南海キャンディーズ山里亮太が実在する人気女優、アイドル、モデルたちのイメージから発想を膨らませて描いた短編小説が実写化した、オムニバス式のドラマ「あのコの夢を見たんです。」(2020年、テレビ東京)の第4話にも登場。失敗した告白への後悔をきっかけに突如手に入れた、どんな後悔もやり直しができる“リセットボタン”を手に、思い通りの人生を手にしていくヒロイン・まりえを演じた。役柄でもモデル撮影に挑戦するシーンが登場するなど、モデルとしての顔も垣間見ることができるストーリーだ。

着実に俳優としてステップアップを続ける飯豊は、俳優としてのキャリアをスタートさせた初期の頃に出演したドラマ「アルジャーノンに花束を」(2015年、TBS系)、家を追い出され、パパ活を始めてしまう大学生を演じた、FODオリジナルドラマ「パパ活」(2017年)に次いで、このほどスタートするドラマ「何曜日に生まれたの」で再び脚本家の野島伸司と6年ぶりにタッグを組むことになる。

同作で主演を務める飯豊は漫画家の父・丈治(陣内孝則)と2人で暮らす、引きこもりの27歳・すいを演じるという。どんな展開が待っているのかいまだ予測不能なドラマだが、過去2作品から予想すると、今回も一筋縄ではいかない配役を担っているのだろうと期待したい。

飯豊はこれまで役者として幅広い役どころに挑戦し、着実にキャリアを積み重ねてきたが、どれだけ人気になっても人懐っこい天真らんまんな“まりえってぃスマイルは健在。ファン相手だけでなく、仕事相手に対しても分け隔てなく接するので、一度仕事をしたら「またぜひ仕事をご一緒したい」と思わせる人柄が何より魅力的だ。そんな彼女の笑顔が、これからもふとしたことで炎上してしまう鬱屈した社会を明るく照らしてくれることだろう。

◆文=suzuki

飯豊まりえの魅力に迫る/※2022年ザテレビジョン撮影