選手をいかに動かしていくかも注目集める三浦監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 DeNA8月5日の阪神戦(横浜スタジアム)に3-7と敗れ、今季7度目の3連敗。2試合続けて阪神打線に14被安打と投壊現象も止まらず、調子を上げていかなくてはいけない夏場の戦いに失速している。

 序盤からいきなり苦しい展開となった。先発の大貫晋一は初回、相手1番の近本光司に右前打で出塁されると、いきなり走られた。一死一、三塁の形を作られると4番・大山悠輔に先制の3ランを浴び、初回に3失点。この試合では1番の近本に4安打1四球3盗塁、2番の中野拓夢にも5四死球とチームの鍵を握る1、2番に計10出塁を許したことも必然的に失点につながることにもなった。

【動画】DeNA先発大貫は初回からいきなり相手4番、大山に先制3ランを浴びた場面

 一時は阪神と優勝争いを競っていたチームの急失速ぶりには球界内からも様々な考察の声が上がっている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者高木豊氏は5日に自身のユーチューブチャンネルを更新。その中でDeNAの苦戦ぶりについて言及している。

 まず7月はチーム打率・206と湿りがちになったことの要因にはリーグ戦では阪神との首位争い、交流戦優勝などもあり「この疲れがいっぺんに出てきた」と高木氏は指摘する。プレッシャーのかかる戦いを長く続くことで、主力選手を休ませられなかったことも弊害として現れているとした。

 具体的には「牧、佐野、桑原、関根、前半戦フルに働いたメンバーは疲れはくるよ。そのあたりは(前半戦の期間中に)休ませても良かったかな」と話した。

 さらにここにきて、持ち味の長打力も失われつつある。好調をキープしていた5月はチーム本塁打29本と勢いを見せつけたが、7月は10本と激減している。

 選手の疲労に伴ってパフォーマンスが低下していることがしっかりデータでも示されているが、この点に関しても高木氏は「(横浜)スタジアムでホームラン出ないと苦しいよね」とした。

 三浦大輔監督も足をからめた攻撃などに取り組もうとしているが、なかなか結果が出ていない。このことを受け「スピードがないチームがホームランが減ったというのは苦しい戦いになるよね」と勝利パターンの選択肢が少ないこともチームの戦いを窮屈にしているとした。

 ではここからチームが再浮上を果たすためにはどうすればいいのか。この点に関して、高木氏は選手個々のコンディションを上げていくこと、また盗塁の精度を高めることを求めた。

 さらに監督の言葉力にも期待を寄せた。苦しい戦いが続く中で「指揮官の一言であったりとか、リーダーの一言であったり」など、節目の発言で選手のモチベーションを高めていくこともチーム浮上のために大事との見解を示した。

 残り50試合前後、ここからの戦いは各球団がペナント目指して、さらにシビアになっていくため「これからもっと厳しくなる」と予想する場面もあった。

 開幕から悲願の25年ぶりの優勝へ向けて走り続けてきたチームにとってもここが正念場となる。三浦監督のタクト、何よりも選手全員の頑張りで盛り返したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「これからもっと厳しくなる」急失速のDeNAに球団OBから指摘された失速の要因と再浮上のポイントとは