長浦京の同名小説を綾瀬はるか主演で映画化した『リボルバーリリー』(8月11日公開)。公開を直前に控えた8月5日、行定勲監督と本作で映画初出演を果たした羽村仁成(Go!Go!kids)が、宮城県仙台市の夢メッセみやぎで行われた「仙台放送Presents みやぎ元気まつり」のステージイベントに出席した。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、2人が奔走した仙台キャンペーンに密着!仙台のファンにフレッシュな笑顔を見せた羽村の魅力について、行定監督がたっぷりと語ってくれた。

【写真を見る】Go!Go!kidsの羽村仁成、自身の名前の書いたうちわを目にして笑顔!

大正時代の東京を舞台とした本作。16歳からスパイ任務に従事し、東アジアを中心に3年間で57人の殺害に関与した経歴を持つ元敏腕スパイの小曾根百合(綾瀬)が、父親から託された陸軍資金の鍵を握る少年の細見慎太(羽村)に助けを求められ、帝国陸軍に追われながら逃避行を繰り広げる姿を描く。

仙台放送Presents みやぎ元気まつり」は、仙台放送が震災からの復興を歩む宮城を元気に盛り上げようと始めたお祭りで、今年は4年ぶりの開催が実現。お笑い芸人によるライブや食品の安全を学ぶクイズコーナー、全国のおいしいものが並ぶグルメブースなど、家族で楽しめるにぎやかな祭典だ。

本作のステージイベントは、立ち見も出るほどの大盛況。羽村の名前を書いたうちわを持ったファンの姿も見受けられた。行定監督からたくさんのうちわがあると指摘された羽村は、「来てくださって、ありがとうございます」とはにかみ笑顔。これにはファンも「かわいい!」と大喜びだった。

劇中で羽村は、百合に守られながら逃避行を始める少年の慎太を演じた。映画初出演にして物語の鍵を握る役柄に抜てきされたが、豪華俳優陣と共演することもあり「撮影はすごく緊張しました」と苦笑いを見せた羽村。「慎太は苦しい想いをしているので、そういった心情を一つ一つの仕草、セリフ、表情で表現しようと意識していました」と繊細な役作りに挑んだという。主役の綾瀬とたくさんの時間を過ごし、「綾瀬さんはすごく優しく、明るく話しかけてくださるんですが、小曾根百合を演じる時はカッコよくて、クールな印象にガラッと変わる。すごくカッコよかったです」と大いに刺激を受けた様子だ。

お祭りの名前にちなんで、「元気になる瞬間」について聞かれる場面もあったが、羽村は「ご飯を食べるのがすごく好きなので、おいしいご飯を食べた時はすごく元気になります」とにっこり。「この映画には、衣装や音楽、映像、アクションシーンなど注目するポイントがたくさんあります。僕ぐらいの年代の方は最近はアニメを観ている方も多いと思いますが、どの年代の方が観ても楽しめる映画になっています」と力強く語るなど、しっかりと地元の人々に映画の魅力を届けていた。

イベント以外にも行定監督と一緒に地元媒体のインタビューに応じるなど宣伝活動に専念した。溌剌とした笑顔で映画について熱心に語りファンを喜ばせた彼は、今後の活躍にも期待がかかる16歳

本作の慎太役にはオーディションで選ばれたが、行定監督によると、長瀬智也主演のドラマ「俺の家の話」に出演していた羽村の演技が印象に残っていたという。「本作のオーディションに来てもらえるよう、お願いした。オーディションで会った時から、この人しかいないなという感じがありましたね。品と芯の強さがあった。佇まいもよかった」と絶賛した行定監督は、「そして、ものすごく謙虚」と感服。「今日はうちわを作って持ってきてくれたファンの方もいらっしゃいましたが、そういうことが当たり前のことではないと、彼が一番よくわかっている。本当にうれしかったと思いますよ」と目尻を下げながら、「この映画を通して、もっと羽村くんのことを知ってもらえるはず。先日松尾スズキさんが本作を観てくださって、彼のことを『よかった』と言っていたんです。本人に伝えたら、うれしそうにしていました」と監督自身も彼に対する反響を受け取っていると話す。

2022年の夏から初秋にかけて撮影が敢行された本作。撮影中にはグングンと羽村の背が伸びていったそうで、行定監督は「ズボンの丈がどんどん上がっていった。撮影中に3センチくらい背が伸びたようです」と笑顔。「映画のなかにも慎太の成長が映るといいなと思っていた。羽村くん自身もいろいろな経験をして、いろいろな人と話をして、大きな経験になったんじゃないかと思う。羽村くんがこの先もっと羽ばたいた時には、『ここからスタートしたんだ』という起点になる作品になっていたらいいなと思います」と羽村がキャラクターと共に成長していく姿を目の当たりにしたと述懐し、「ここ最近、また顔つきも男らしくなりましたね。憧れの役者という話になると、二宮(和也)くんの名前が出てくるようになったりして、役者という仕事に対していい意味で欲が出てきたのかもしれない。ものすごくいいことだなと思います。これからもいろいろな欲を持ってほしいけれど、彼は本当に謙虚な人間なので。一つ一つ、評価されることに対してもしっかりと喜びを感じて、『また次も頑張ろう』という力にしていけるはず。とても楽しみですね」とエールを送る。

宮城県を訪れるのは、この日は初めてだったという羽村。「野球が好きなので、東北楽天ゴールデンイーグルス仙台育英高校とか」と野球を中心に宮城に興味を持っていたそうで、また野球観戦でも宮城に来たいと希望。行定監督は「お祭りを楽しんで過ごしている人たちがいるというのは、とても幸せな光景でしたね。今日イベントに来てくださった方のなかにも、この映画に興味を持ってくれる人がいたらうれしい」とお祭りのにぎわいに想いを馳せながら、「いままでにない日本映画になっているんじゃないかと思います。小曾根百合という主人公が、豪華キャストが演じるキャラクターと次々と渡り合っていく様子は、きっと楽しんで観ていただけるはず。そして受け入れてもらえたら、このキャラクターにも未来があるのかなと思っています」と願いを込めていた。

取材・文/成田おり枝

仙台キャンペーンに密着!出来立てホヤホヤの本作のパンフレットを手に、行定監督と羽村が笑顔