先週末(7月28日から30日)の北米興収ランキングは、前週に続いてグレタ・ガーウィグ監督の『バービー』(8月11日日本公開)とクリストファー・ノーラン監督の『Oppenheimer』の2強がほかの作品を引き離す。どちらも上映館数を増やしながら、1館あたりのアベレージは1万ドル以上を維持(『バービー』は2万ドルを超えている)。例年であれば8月にサマーシーズンの興行は落ち着きをみせるが、今年はまだまだ注目が尽きない夏となりそうだ。

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公開2週目の『バービー』の週末3日間の興収は9301万ドル。これは2週目末の成績としては歴代7位であり、現時点での2023年最大のヒット作である『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(日本公開中)の2週目末の興収をわずかながら上回っている。

さらに公開10日目に累計興収3億5000万ドルを突破し、14日目に興収4億ドルの大台も突破。再び『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と比較すると、3億5000万ドル到達は2日早く、4億ドルでは4日も早い。平日でもまだデイリー興収で1000万ドルを下回る日がない勢いを維持しており、5億ドル突破は時間の問題。6億ドルを突破する可能性も非常に高いだろう。

対する『Oppenheimer』も、週末3日間で前週比56.6%の興収4670万ドルを記録し、北米累計興収は週末段階で1億7456万ドル。そして平日に入ってからも興収を伸ばし、公開13日目には『インターステラー』(14)や『ダンケルク(17)の北米興収を上回ることに成功。すでに“興収ランキングで1位にならなかった作品”の歴代ベストテンにランクインしており、現時点で同1位の『SING/シング』(16)までは7000万ドルほど。新記録樹立も充分にあり得る。

この2作の勢いに押されて3位スタートとなったのは、ディズニーの人気アトラクションを実写映画化した『ホーンテッドマンション』(9月1日日本公開)。初日から3日間で興行収入2408万ドルという成績は、エディ・マーフィー主演の『ホーンテッドマンション』(03)が記録したオープニング興収2427万ドルとほぼ同等の数字。

ただし批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価13%、観客からの好意的評価31%という酷評に見舞われた2003年版に対し、今回の2023年版は批評家からの好意的評価こそ40%と伸び悩み気味だが、観客からの好意的評価は84%と高めとなっている。

6位には、過去に「IT/イット」シリーズに登場したペニーワイズをマクドナルドのドナルドに置き換えたパロディ動画で人気を博したダニーマイケル・フィリポー監督によるA24配給のホラー映画『Talk to Me』が初登場。そして日本でロングランヒットを記録している『THE FIRST SLAM DUNK』(日本公開中)が北米581館で封切られ、興収66万ドルを記録。惜しくもベストテン入りを逃したが、11位にランクインを果たした。

文/久保田 和馬

『バービー』が歴代7位の好成績で北米V2を達成!/[c]2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.