Amazon Prime Videoにて、Amazonオリジナルの恋愛リアリティーショー『バチェラー・ジャパン』シーズン5が2023年8月3日22時より独占配信された。本作は、1人の独身男性=バチェラーのパートナーの座を勝ち取るために、複数名の女性たちが競い合う“婚活サバイバル”番組。シーズン5では『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2にも出演した長谷川惠一がバチェラーを務め、全16名の個性豊かな女性たちとともに真実の愛を探す旅に出かける。

(参考:【写真】“泥風呂”に2人きりで仲を深めるバチェラー

 今回は3日配信の1~3話の内容を紐解いていく。ネタバレも含むためご注意いただきたい。

 『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2で、惜しくもバチェロレッテの相手に選ばれなかった長谷川。しかし、恋愛に奥手ながらも、誠実で優しい人柄で多くの視聴者から支持された。今回、集まった16名の女性たちは、長谷川がバチェラーであることを知った上で番組に参加している。中には長谷川のファンを公言する女性もいて、最初の自己紹介はこれまで以上に情熱的なものとなった。

 大分県出身ということで巨大鶏めしおにぎりを作ってきた元建設会社広報の西山真央(にしやままお)や、自身のマル秘情報を仕込んだフォーチュンクッキーを渡すフードアドバイザーの周典(しゅうてん)など、それぞれが様々な形で自分の想いを伝える中、長谷川を前にして泣き出す女性も多数。特に飲食店経営者の大内悠里(おおうちゆうり)と現代美術家の齋藤由依(さいとうゆい)は、長谷川に会えた喜びと緊張から涙の対面に。長谷川自身も初めての体験に驚きつつも、「気持ちに応えなきゃな」と改めてバチェラーとしての気持ちを新たにする。

 それだけ長谷川に対する一人ひとりの思いが強ければ、しょっぱなからローズの奪い合いになりそうだが、そうならないのがシーズン5。これまでのシーズンでは、カクテルパーティーになるとバチェラーをめぐる女性同士のバトルが勃発していたが、今回は争うことなく1人ずつ順番に長谷川のもとへ向かう。長谷川自身、争いごとを好む性格ではないのをみんな知っているのだろう。一方で、元外資系企業勤務の月田侑里(つきたゆうり)が別の女性に会話の時間を譲り、長谷川を混乱させた。

 そんな中、長谷川の心を最初に射止めたのは、カフェ店員の鈴木光(すずきひかり)。常に笑顔でハッピーオーラをまとっている彼女は、早くもタメ口で長谷川との距離を縮めていく。幼い頃から甘えるのが苦手という自分の内面も明かし、見事ファーストローズを勝ち取った。

 印象的だったのは、長谷川が全員に告げた「私もみなさんから結婚を前提にお付き合いできるなと思ってもらえるように、真摯に向き合って精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」という言葉。一方的に自分が女性を選ぶのではなく、選ばれる立場でもあることを理解しているのだろう。そのため、お互いの価値観を擦り合わせようと、長谷川は5名の女性とのグループランチデートで子育てについての話題を振る。

 しかし、子供を産む、あるいは産まれることを前提とした長谷川の発言が女性たちの不信感を買ってしまうことに。特にメイク講師の竹下理恵(たけしたりえ)は子供が欲しくても授かれない友人たちも知っている分、長谷川が一対一ではなく、みんなの前でその話題を振ったことに不満を隠せなかった。

 かたや、長谷川は最初のカクテルパーティーから考え方が似ている竹下に好印象を持っているようで、二人きりの時間をもうける。一緒にマッドバス(泥風呂)に浸かりながら、竹下が長谷川に打ち明けたのは難病に指定されている筋肉の病気を抱えていること。そのため仕事を辞めざるを得なかったが、フリーランスになったおかげでこの旅に参加できたという彼女の前向きな考え方に感銘を受ける長谷川。「もっと一緒にいたいし、知りたい」とサプライズローズを渡し、竹下も長谷川の頬にキスをするなど、二人はロマンチックな時間を過ごした。

 他にも西山や社長秘書の尾崎真衣(おざきまい)が長谷川とのデートでお互いの話をしてサプライズローズを受け取る中、なかなかデートに誘われない参加者の不満が爆発。中でも呉服店勤務の輿水りさ(こしみずりさ)は長谷川への思いが強い分、嫉妬が怒りに変わりつつあった。しかし、同室の女性と愚痴を言い合っている最中に長谷川から輿水にデートのお誘いが。「どんな気持ちで会えばいいのかわからない」と口では言いながらも喜びを隠せない輿水。そんな待望の浴衣デートでは、「恵一のことを愛している」と“好き”よりももっと強い思いをまっすぐに伝える。そのストレートな言葉が長谷川の心に突き刺さったようだ。思わず自分も好きと言ってしまいそうな気持ちを抑え、長谷川は輿水にサプライズローズを渡した。

 そしてもう一人、長谷川と二人きりの時間を過ごしたのが大内だ。当初は緊張から上手く長谷川と喋れず、何度も泣き出してしまっていた大内が、一対一のデートでは落ち着いた対話を楽しむ。『バチェロレッテ・ジャパン』に参加したことで得た学びや、パートナーに求めることなど、様々な質問を通して長谷川を知った大内。みんなが宿泊するヴィラに戻った後、彼女は「リスペクトできる部分も多く見えたし、気持ちがプラスに向いた」と自身の体験を語る。他の女性たちはそれに嫉妬することなく、大内の話を通して長谷川に対する不安も取り除けた様子だ。本作は婚活サバイバル番組ではあるが、向き合うべきは長谷川であって、女性同士で争っていても仕方がない。お互い支え合いながら、旅を続けていく女性たちの姿にスタジオMCの指原莉乃も「令和のバチェラー!」と感心していた。

 ちなみに今回から、GENERATIONSの片寄涼太がゲストMCとして番組に参加。『バチェラー・ジャパン』シリーズのファンである片寄が気になったメンバーは、終始ミステリアスな月田。消極的で口数の少ない彼女だが、カクテルパーティーで他の参加者が長谷川に積極的に話しかけにいく様子を「米騒動が始まった」(長谷川はお米が美味しい新潟県出身)と表現するなどユーモアに富んだ一面もあり、エピソード3の段階でまだ残っている。かつて自身もなかなかバチェロレッテに話しかけられなかった経験があるからか、月田を気にかけている長谷川。その優しさが今回の旅で吉と出るか、凶と出るか。いつもとは様相が異なる令和のバチェラーから目が離せない。

(文=苫とり子)

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