福原遥・吉川愛

福原遥吉川愛は共に子役出身で、似たような軌跡を辿り、現在も活躍している。2人の子役出身女優を深掘りしたい。


■子役から大人の女優へ

福原は現在、『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(TBS系)で深田恭子とダブル主演を務めている。福原は『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK Eテレ)で、子供の頃から芸能界で仕事をしていることが知られているだろう。子役から成功することは昔から難しいものと思われていた。

福原は、菅田将暉主演の『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)などのドラマに出演し、なんとか女優業をやっているかと思いきや、菅野美穂主演の『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ) で恋愛体質の女性という面白い役を得る。福原の魅力も増していく。


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■天然癒し系アイドル女優

そして、福原は一気に、NHK総合朝ドラ『舞いあがれ』 のヒロインに大抜擢される。福原の魅力は『A−Studio』(TBS系)の出演で浮き彫りになっていた。

福原の最大の特徴は、スタッフや共演者に愛されること。『A−Studio』でも、否定やツッコミをする時も、終始笑顔で優しくこなし、司会の笑福亭鶴瓶を虜にしていた。

子役出身は、芸歴が長く達者な者ばかり。福原も能力は優れているだろうが、母親も明かしていたように天然でドジなところがあるからか、視聴者にも達者さよりも純粋さが評価されていた。


■子役出身ならではの新しい女優像

そんな福原が『舞いあがれ』のオーディションで、「私を選んでくれたら、絶対後悔させません!」と言ったエピソードを、鶴瓶が披露する。

一見、頼りなさげであるが、ひたむきに成し遂げるヒロイン像は福原そのものなのだろう。普段の姿こそ愛される福原は、今も料理番組を地道に続ければより愛されるのではないかと思われる。

同じく子供の頃から芸能活動をしている橋本環奈同様に、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の司会をすれば橋本とはまた違った形でうまくこなし、愛されるのではないだろうか。

■天才子役・吉田里琴から吉川愛へ

もう1人、今現在、子役出身で活躍している女優に吉川愛がいる。吉川は『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)に出演中。子役時代の吉川は、吉田里琴の名前で活躍していた。

リーガル・ハイフジテレビ系)では、子役女優役で天才子役っぷりを発揮し、話題に。しかし、吉田は学業に専念するため16歳で一度芸能界を引退。1年後に奇しくも福原と同じ研音から、吉川愛に改名し、再デビューしている。


■子役から大人への成長の完成形

吉川はその後、『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で、主演の上白石萌音と同期の新人ナース役で注目を集めた。さらにその後吉川は、中島裕翔主演の『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)で、プライムタイムのドラマのヒロインに大抜擢されている。

この頃には『恋つづ』の時よりむしろあどけなさを獲得し、子役から大人へ成長する上での完成形を見つけたかのようだ。

福原も同様で、成長するにつれ、子役出身女優としてのかわいさの完成形を確立していったように見える。


■子役女優からの成長がうまくいく時代

子役から大人の女優になり、成功するには心身の両方の面から難しいように思われていた。しかし、芸能界と一般社会の隔絶があまりなくなってきたからか、子役から大人への成長や、学業との両立が、昔よりはスムーズにいくようになってきたようだ。

子役出身らしい大人の女優への成長がうまくいくようになってきたとも言えるだろう。福原も吉川も子役から一定程度の成長期間を経て、有望な女優へと変わっていくことに成功したのだ。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

福原遥と吉川愛の成長の軌跡  成功する子役出身女優が増えている理由