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メタバースグループaespaが8月5、6日に東京・東京ドームでワンマンライブ「aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition-」を開催した。デビューから2年9カ月での東京ドーム公演開催は、海外アーティスト史上最速。約9万4000人を動員した2日間の公演のうち、この記事では2日目公演の模様をレポートする。

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SHINeeEXOなどが所属するSMエンタテインメントから2020年11月にデビューした4人組メタバースグループ・aespa。「自分のもう1人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」という世界観をベースとしており、メタバース空間「KWANGYA」には「ae-aespa」と呼ばれるメンバーのアバターが存在している。

そんなグループ独自の世界を壮大なグラフィックとサウンドで表現するオープニング映像を経て、約4万7千人のMY-J(日本のaespaファンの呼称)が熱い視線を注ぐモニターが開くと、KARINA、WINTER、GISELLE、NINGNINGの4人が下降するゴンドラに乗って現れる。爆発的に沸き起こる歓声の中、ステージに降り立った彼女たちが「Girls」でライブの口火を切れば、ド派手に炸裂する火花の特効や無数の火柱によってドーム内の温度は急上昇。WINTERは手にしたエレキギターをかき鳴らし、さらなる熱狂を呼び起こす。

1曲目から出し惜しみのない演出でMY-Jの心を鷲掴みにしたaespaは、続く「aenergy」で客席を煽って歓声を集め、3曲目の「I'll Make You Cry」では移動するステージに乗ってドームの中央へ。急接近して興奮するMY-Jに熱烈な歓迎を受けながら、4人は挑発的なトラップナンバー「Savage」を披露し、バックダンサーを従えたWINTERとNINGNINGが迫力のあるダンスパフォーマンスを繰り広げた。

今回のライブの大きな見どころとなったのは、4人それぞれのソロパフォーマンスだ。幕間映像を経て、ステージに1人で現れたリーダーのKARINAは自身で作詞したソロ曲「Menagerie」を彼女の分身のような黒衣のダンサーとともにパフォーマンス。KARINAが拳を打ち付ける動作を見せると、スクリーンにヒビが入る演出がMY-Jを驚かせた。

モニターに出現したアバターと連動する形で披露された「Illusion」から「Thirsty」「Lucid Dream」としっとりしたR&Bナンバー2曲を経て、aespaはそれぞれ自己紹介し、GISELLEは「MY-J、ただいま!」と挨拶。「今は夏ですが、私は冬子ちゃんです」とおどけたWINTERは本公演のコンセプトについて「HYPER LINEはae-aespaとaespa、そしてMYの皆さんが一緒に会える空間です」と説明し、自身のギタープレイなど特別なパフォーマンスに話が及ぶと「もっとカッコいい女になるために一生懸命準備しました」とステージに立つまでの努力を振り返った。

2人目にソロパフォーマンスを披露したのはGISELLE。ゴンドラに乗って登場した彼女は、ファンへの思いを込めて自身で作詞した日本語の新曲「Keep Goin'」を優しく歌い上げ、「愛してるよ」と微笑んだ。そのメロウな雰囲気を引き継ぐ形で、aespaは「Life's Too Short」「I'm Unhappy」のミドルチューン2曲を続けて歌唱。「昨日お越しいただいたMY-Jの皆さんの声はアメリカまで届いたそうです」というジョークを交えてMY-Jに一層の声出しを求めると、勢いを増した声援に背中を押されながら「Lingo」「Don't Blink」を続けてパフォーマンスした。

WINTERがソロで披露したのはSMエンタテインメントの先輩であるBoAの日本語曲「Shine We Are!」。彼女の爽快なパフォーマンスで開放感が生まれる中、ツインテールのNINGNINGをはじめとして、カラフルなファッションに着替えたaespaは「ICONIC」から一際ポップな雰囲気の「Hot Air Balloon」につなげ、軽快なハウストラック「YEPPI YEPPI」、ゲーム「テトリス」でおなじみのメロディを使用した「Hold On Tight」とパワフルなビートのアッパーチューンを連発。さらに「Spicy」を畳みかけた4人は、トロッコに乗り込んでMY-Jに手を振りながら「YOLO」を歌い、会場が祝祭的なムードで満たされると銀テープが勢いよく放たれた。

そしてNINGNINGが力強いラップを披露するソロ曲「Wake up」でクールな魅力を見せると、ライブもいよいよ佳境だ。「Salty & Sweet」に続けて投下された「Next Level」でMY-Jは待ってましたとばかりに沸き上がり、デビュー曲「Black Mamba」では大合唱ドーム内の熱気が最高潮に達する中でライブ本編は終了した。

ステージから4人が姿を消すと客席から「aespa! aespa!」という声が沸き起こり、アンコールへ。幕間映像のメイキングが流れたあと、トロッコに乗って現れたTシャツ姿のaespaは「'Till We Meet Again」を歌いながら、サイン入りのボールやフリスビーを客席に投げ込む。そうしてたどり着いたステージで「Welcome To My World」を歌った4人は、ここでライブの感想を1人ずつコメント。まずWINTERは「本当に本当にありがとうございます。全部皆さんのおかげだ。合ってますか?」と日本語で思いを伝えたあと、韓国語で「本当に今日は大切な時間を割いて皆さん私たちに会いに来てくださいましたよね。投資してくれた時間が、惜しくないと思えるような時間になっていたらうれしいです。私たちもその分、これからもっと一生懸命がんばります」と意気込んだ。

続くNINGNINGは「昨日と今日、人生にとって本当に歴史的な瞬間になりました。多くの皆さんと一緒にこの瞬間を過ごすことができて感謝しています。本当に幸せでした。20年経ったときに、この映像と思い出を振り返ったら、きっと胸がいっぱいになると思います」と語り、「これからも一生懸命がんばって、すてきなaespaになるようにします。またお会いしましょうね」と約束。KARINAは「Welcome To My World」のパフォーマンスを振り返り「本当に胸が熱くなりました」と切り出すと、「私たちの世界に来てくださってありがとうございました」と涙ながらに感謝し、GISELLEの肩に顔をうずめる。NINGNINGに頭を撫でられて「恥ずかしい」と照れつつ、KARINAは「これからも一生懸命がんばって、愛される資格のあるaespaになりたいと思います。大勢いるアーティストの中で私たちを選んでくださってどうもありがとうございます。その気持ちに応えられる歌手になりたいと思います。これからも見守っていてください」と語った。

最後にGISELLEは「地元に帰ってきて、東京ドームというすごい公演ができることになって本当に本当にありがたいし、うれしいです」と日本語で思いを伝えつつ、韓国語で「こうして私たちがMY-Jからいいエネルギーをいただいた分、MY-Jの皆さんもたくさんいいエネルギーを持ち帰ってくださいね」と呼びかけ。そして4人は声をそろえて「MY-J! 本当にありがとうございまーす!」と日本語で感謝すると、再びトロッコに乗って会場中に隈なく笑顔を振りまきながら「ICU」を歌った。最後の記念撮影では、MY-Jがスローガンを掲げ、「aespa is MY WORLD」というメッセージをメンバーに伝えるサプライズも。感激した4人は名残惜しい様子を見せつつ、「愛してるよー!」と叫んでステージをあとにした。

aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition- 2023年8月6日 東京ドーム セットリスト

01. Girls
02. aenergy
03. I'll Make You Cry
04. Savage
05. Menagerie / KARINA
06. Illusion
07. Thirsty
08. Lucid Dream
09. Dreams Come True
10. Keep Goin' / GISELLE
11. Life's Too Short(ENG)
12. I'm Unhappy
13. Lingo
14. Don't Blink
15. Shine We Are! / WINTER
16. ICONIC
17. Hot Air Balloon
18. YEPPI YEPPI
19. Hold On Tight
20. Spicy
21. YOLO
22. Wake up / NINGNING
23. Salty & Sweet
24. Next Level
25. Black Mamba
アンコール
26. 'Till We Meet Again
27. Welcome To My World
28. ICU

aespa(撮影:上飯坂一)