2023年7月26日に死去した故シネイド・オコナーのカタログのストリーミングとダウンロードが急上昇し、彼女の楽曲の多くが8月5日付の米ビルボード・チャートに返り咲いた。

 ルミネートによると、7月21日から27日にかけてのオコナーの楽曲の全米オンデマンド公式ストリーミング再生数が、7月14日から20日の901,000回から774%増となる790万回を記録した。7月26日~27日と7月24日~25日の比較では、243,000回から2,885%増となる730万回に急伸した。

 さらに、彼女の楽曲のダウンロード数は7月21日から27日にかけて計17,000DLとなり、7月14日から20日にかけてのごくわずかな量から5,348%急増した。アルバムに関しては、7月21日~27日に11,000アルバム換算ユニットを記録し、前週の1,000枚から1,346%増加した。この11,000枚のうち、4,000枚がアルバム・セールスによるものだ。

 この結果、オコナーの楽曲が米ビルボードのさまざまなチャートに登場している。故プリンスによるバラード「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」(邦題:愛の哀しみ)のカバーが10,000DLを記録して“Rock Digital Song Sales”(ロック・デジタル・ソング・セールス)および“Alternative Digital Song Sales”(オルタナティブ・デジタル・ソング・セールス)チャートに返り咲き、両チャートで1位を獲得した。

 また、この曲はストリーミングで320万回再生され、セールスと合わせた結果、“Hot Rock & Alternative Songs”(ホット・ロック&オルタナティブ・ソングス)チャートの10位に入った。このチャートは、古い曲でも上位に入り、意味がわかる復活の理由があればランクインが可能だ。オコナーの「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」が、2009年に開始されたHot Rock & Alternative Songsチャートに入ったのは2度目だ。故プリンスの死後にストリーミングとセールスが伸び、2016年5月14日付チャートで16位にランクインした。

 「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」はオコナーにとって唯一の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”No.1ヒットで、1990年に4週君臨した。

 オコナーの「Mandinka」と「The Emperor's New Clothes」も、それぞれ約1,000DLを記録し、Alternative Digital Song Sales(16位と17位)とRock Digital Song Sales(24位と25位)に入った。「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」に続いてリリースされた「The Emperor's New Clothes」は、1990年にHot 100で60位を記録した。オコナーの楽曲でHot 100入りしたのはこの2曲だけだ。

 オコナーの楽曲は、7月28日から8月3日までの1週間のセールス、ストリーミング、エアプレイの計測を経て、8月12日付の米ビルボード・チャートでさらに上位にランクインする可能性がある。

 オコナーは英ロンドンで亡くなった。享年56歳だった。死因は公表されていない。

故シネイド・オコナー、死後に全米ストリーミング再生が2,885%増