X

7月23日イーロン・マスク氏が保有するツイッター(現・X)の名称を「X」に変更した。お馴染みの青いロゴマークも変わり、「新体制」へ移行している。

ただ、「X」に変わる裏で、地方自治体のアカウントに「異変」が起きていて…。

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■地方自治体のアカウントが凍結に

「X」に変わる少し前の7月中旬、地方自治体の公式アカウントが立て続けに凍結された。アカウント凍結は、「X」が規定するルールに違反したユーザーに下される処置だ。

スパム行為を行ったり、他のユーザーに攻撃的なツイートをすることで、凍結される。ただ、今年2月には、明白なルール違反をしていないにも関わらず、凍結される一般ユーザーが続出し、話題になった。

今回、「凍結の波」が、一部の自治体アカウントにも及んだのだ。


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■「ルール違反はしていない」

その地域のイベントや行事に関するお知らせ等を投稿する市役所のアカウントが、「X」のルールに抵触するとは考えにくい。一体、何があったのか。

“被害”に遭った埼玉県草加市岩手県花巻市に取材を敢行した。草加市役所の担当者によると、7月18日から21日まで凍結になったという。

「凍結前は、熱中症や詐欺電話等の注意喚起をしていました。私共としましては、運用上のルール違反はしていないという認識です」(担当者)。

こうした投稿が「X」の定める「ルール」に抵触するとは思えないが…。担当者は結局、何が原因だったのか分からないと首を傾げる。凍結解除後の運用は問題ないものの、この件に関して「X」サイドから明白な説明はなかったそうだ。


■「避難情報を投稿していたら…」

岩手県花巻市のアカウントは、7月17日から21日まで凍結に。岩手県では、15~16日にかけて洪水警報が発令するほどの大雨が降った。

花巻市の担当者は、「市内に大雨による避難警報が出ていたため、避難情報を連続して投稿しました。すると、X(※当時はツイッター)サイドから『スパム行為に該当するので凍結する』という旨のメールが来たんです」と、当時のことを振り返る。

災害に注意を呼びかける際は、多くの人に知らせるため、似たような内容を短い時間に投稿することが多い。それが“スパム”と判断されてしまったのか…。

前出の担当者によると、凍結直後に解除依頼をし、21日には「凍結解除」のメールが来て現在は問題なく使えているという。


■今後の「X」の課題は…

草加市花巻市ではケースが異なるものの、今後の「X」の運用に関しては課題があるように思える。何か災害が起きた際、自治体の発する避難情報を頼りにする人も多い。自治体が災害の度合いや避難先などの情報を投稿する中、アカウントが凍結されたら、我々は正確な情報を見られなくなってしまう。

避難情報を確認するのが遅れたことで、命を落とす可能性もある。「X」には、今回のような事態が二度と起きないよう、システム改善に務めてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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