8月1日盛岡競馬6日目。3Rから馬券を買い始め、6Rまで連続ドボン。やはり一筋縄ではいかない馬場だ。ひと休みし、後半戦に備えて、場内の屋台村を覗いてみる。

 屋台村は5店舗が軒を連ねる。有名なのはジャンボ焼鳥だ。元祖「鳥喜」と「おおにし」で売っている。デカい。どちらも鳥ももの大きな塊を2つ、ドンドンと串に差して焼き上げる(写真は鳥喜のもの)。2串食べたら1回分の食事といっていい量だ。味変のタレのメニューも豊富で、若い人に喜ばれそうだ。

アオハル」に「3連単セット」というソソるメニューがあったのでお願いしたら、そばとおいなりはあるけど、夏なのでおはぎがないとか。残念。そこで「春ママ食堂」で有名な盛岡の冷麺とひと味違う、中華冷麺をお願いする。焼鳥とこれで、もうお腹がいっぱいになった。

 7R「騎手候補生大大大大大募集特別」は1600メートル、ダート左回り、C1クラス、6頭立て。「大」5つとは、競馬界の騎手募集でかなり力が入っている。

 地方競馬はできれば小頭数で絞り切れるレースがいいが、このレースがまさにそれ。JRAから岩手に復帰した①メイショウムートで堅いレースで、2着は⑤ラウジーか⑥ブライティアセルバのどちらか。紛れがあっても3着②リチェルガか、④エイシンニアルコス。①⑤⑥のボックスを買ってから1・2着①⑤に3着②④の3連単フォーメーション馬券を各500円。結果は3連単①⑤②2820円だった。これで片目が開いた。

 8Rはアタマを外してドボン。9R「スプリント特別」は、どんぐりの背比べのような10頭立ての競走。あれこれ迷って、スタンド2階の外、右寄りにあるバルコニーから、正面に見えるパドックで馬を眺めてみたが、見当がつかない。そこで3連単①④⑤⑥⑦のボックス各100円で6000円。結果は①④⑥で、3連単1万5710円を的中。

 10Rからは難解なレースが続いた。10Rと11RはJRA地方競馬の若手ジョッキー交流戦「YSJトライアルラウンド盛岡」の第1戦と第2戦だった。

 初騎乗の馬が多いので、前走の成績はアテにならないだろう。騎手、トレーナーなどのランキングも参考になりそうにもない。それに10Rも11Rも、出走馬にそれほど力の差があるとも思えない。そこへもってきて、高低差が激しい馬場である。どうする?

 それでもフォーメーションの1着3頭の選択は正解だった。だが、2着と3着に買おうと思っていた⑫をなぜか2着から消して大失敗。配当は3連単4万7300円だった。痛恨!

 11Rは10Rで1着だった永野猛蔵騎手の⑧ガマンの絡みで。若手が調子の波に乗ったらもう一丁、というのはよくある話。この読みはドンピシャだった。ところが2着でも買うつもりだった⑨を、3着でしか買っていない。3連単7万1250円。天を仰ぐ。

 12Rは堅いと思われた本命が4着に沈んで、3連単58万1560円の大万馬券に。もっとも、こういう予想無用のようなレースは、ハズレても諦めがつくけど。

 4月に行った水沢競馬では、中尊寺で買った源義経の勝守のご利益があった。この日の盛岡八幡宮の勝守は…。4月・水沢、8月盛岡の収支は12万2550円の払い戻しで、プラス5750円だった。

 さて、盛岡で何を食べるか。冷麺は競馬場の中華冷麺で十分だ。勘だけを頼りに立ち寄ったのは、駅前の「すしげん」という店である。

 この店の岩手沖で獲れるホヤの刺身は新鮮で、これまで食べた中でも最も身厚だった。マンボウの腸(胃袋?)もあった。湯葉のような柔らかい身を、薄味の酢味噌で。マンボウは定置網に引っかかることがあるそうで、獲れた時だけのメニューだ。さらに、カツオ、タコ、赤身…。店選びはズバリ的中だった。

 この日は盛岡のさんさ踊りの初日。カウンターの家族連れの話を聞きながら、小さな声で「ふるさとの訛なつかし停車場の~」。そして日本酒クイックイ。

 帰りは駅ビルで買った酒とツマミで、いつもの「居酒屋新幹線」の2時間になった。みちのく一人旅、これにて終了。

(峯田淳/コラムニスト)

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