8月8日、超特急が『BULLET TRAIN Spring Tour 2023 「B9 Unlimited」8号車の日』を東京ガーデンシアターにて行った。
8月8日は8号車の日(8号車は超特急ファンの総称)だ。そして、現在の9人体制となって丸1年でもある。そんな特別な日に行われた公演の模様をレポートする。

新体制スタートから1年、これが今の超特急だ

開演5分前、お馴染みのリョウガの開演前アナウンスが流れ、それだけで会場のテンションが上がったのがわかる。大きくなっていくBGM。暗転すると、無数のペンライトの光が瞬く。
ステージ上段に9人のシルエットが浮かび上がり、1人ずつカメラで抜かれていく。ダンスと共にその表情が映し出されるたびに8号車の歓声が起こる。ゆっくりとステージの階段を降りてくる姿だけで控えめに言ってぶち上がる。

そんな上がったテンションを1曲目の「MORA MORA」でさらに引き上げていく。黒の衣装がわずかな紫を基調とした照明の中で引き立ち、存在感が増す。センターに立つユーキの鮮やかな青の髪色が目立つこと! それさえもひとつの演出のように見えてくる。メンバーの手拍子に合わせて、8号車たちも大きくクラップをし、オープニングとは思えない熱が会場に帯びていく。

幕越しのステージは照明で赤く照らされ、始まったのは「KNOCK U DOWN」。メンバーはそれぞれステージ上段と下段に分かれ、ダイナミックに見せていく。ステージと客席にあるわずかな隔たり。なんとなくもどかしさを掻き立てられていくようでそれもまたたまらない。

そして間髪入れずに「Beasty Spider」へ。火花が上がり、スクリーンにはトランプが映し出される。そのカードがくるくると裏返り、時折、メンバーの動きとシンクロ。ダンサー陣はそれぞれ短いがソロダンスで魅せていき、同時に豊かな表情に悲鳴にも似た歓声が上がる。

イントロだけで歓声が上がったのは「Kiss Me Baby」。パフォーマンスとペンライトの動きが重なって行き、一体感が高まるのがわかる。
シックで情熱的な楽曲で会場の心を掴んだところで、MCへ。自己紹介と共に、カイは「たくさんの愛を伝えたいと思います」と伝え、タクヤは「8号車の日ということでおめでとうございます。最高の1日にしましょう」と祝い、ハルは「みんな元気ですか!」と呼びかけ、「レッツエンジョイ!!」と雄叫びを上げるなど、9人それぞれがご挨拶。

今日は生中継も行われているということで中継カメラに手を振り、画面の向こう側にいる8号車にも挨拶をしたあと、リョウガは「B9のアルバムを引っ提げてのツアーということですけど、8号車のみなさんと共により素晴らしいアルバムに、1曲1曲にしていきたいということですね、皆さんとね、本当にもう、今日しか味わえないこの貴重な時間を……過ごせる~?」と個性的なコール&レスポンスで次の楽曲へ行こうとするが、乗りきれず、「俺はダメだ、コール&レスポンスは向いていないようです。引きヲタニートには無理です」とアロハにバトンタッチ。

アロハは「陽キャにやれ、と。そういうことだな!?」とニヤリ。しっかりと8号車とコール&レスポンス。
盛り上げたところで「このまま走っていきましょう!」とアロハをセンターに、アロハのダンスから始まる「Winning Run」。先ほどまでとは打って変わって、陽気に盛り上げていく。センターに立つ場面が多いせいもあるかもしれないが、アロハの豊かな表情が際立つ。
冒頭から8号車のペンライトが華麗に舞うのは「No.1」。No.1!という歌詞に合わせてメンバーと一緒に腕を振り上げていく。8号車のコールがかかり、さらに、ダンサー陣のソロダンスで圧倒したあと、息ぴったりな全員でのダンスとペンライトが揃い、高揚感が高まっていく。

衣装でも魅せる超特急の世界観「8号車たち、マジで好き!」

暗転すると、うっすらと、ステージ上のスクリーンには夜の町並みが浮かび上がる。メロウなBGMと共にしっとりとした空気が流れる中、まるで夜から朝へとかわっていく空の色を表したようなカラーのフォーマルな衣装でメンバーが現れ、「Thinking of you」へ。
「みんなが笑う刹那」という歌詞と共にタクヤの表情が映し出され、優しい笑みが向けられたように、歌詞とメンバーのダンスと表情がよりマッチしており、思わず五感全てで受け取ろうとしてしまう。
大きな月が一瞬浮かび上がり、消え、次はシャンデリアの下で「シャンディ」を。タカシとシューヤは腰を下ろして歌い上げ、ダンサー陣のダンスはキレを増していき、「Before Down」へ。
ステージの背景が変わっていくとともに、このブロックだけで一つの物語を見ているかのようだ。ダンスがその世界観をより膨らませているのはもちろんのこと、タイプの違う声色を持つタカシとシューヤの力も大きいように感じる。

大人な世界観をしっかり見せたあと、MCでリョウガがツアーで忘れられないこと、印象的なことがあったかとメンバーに尋ねると、「忘れられないなあ」と切り出したのはシューヤ。
大阪のとき、会場から2組に分かれて車で新大阪まで移動したそうだが、マネージャーから「タクヤがいないんだけど、そっちに乗ってるか」という電話が。なんと、タクヤを会場においてきてしまったのだという。
なんならいつもなら最初に車に乗り込んでいるというタクヤ、「一番先に乗ろうとしてたんですけど、真っ暗だったんですよね。置いていかれました」と、暗かったせいで気づかれなかったという。
まさかの出来事にすぐに動画を回していたそうで、もしかすると、どこかでその様子が見られるかもしれない。

そして、衣装についても。今回はカイとタカシが担当している。
前半の衣装を担当していたカイはユーキを中心として組まれたセットリストが、夜から朝にかけて時間が経過していくのを感じさせられたことから考案。冒頭の黒の衣装から、「その次にまとうんだったら何色がいいんだろう、と話したときにやっぱり最初に着る衣装は8号車のピンクがいいんじゃないかなということで、この衣装にさせていただきました」と語った。

タカシはこのあとに登場する衣装のため、多くは語れないとしつつも、「僕が愛している一つのアイテムがありまして、そのアイテムのイメージが今まで長くいろんな方に愛されているようなアイテムをベースにした衣装、そしてフォーマルな衣装っぽいものとは逆のよりパフォーマンスに映えるであろう服装、それぞれのメンバーに合ったものをセットリストを見させてもらいながら考えさせていただいて」と途中、顔に何かついていると指摘され、ハルとアロハに取ってもらうというくだりもありつつ解説をした。

そしてタカシが担当したという爽やかさが感じられる衣装に着替え、まずはダンサー7人によるダンスパートで魅了。クールな曲で躍動したあと、「Typhoon」へ。力強い歌声とダンスで会場を揺らしていく。そしてこの楽曲の見どころはダンサー陣のラップパートがあるところ。超特急としてのさらなる奥行きの深さを見せてくれる楽曲だ。
壮大なイントロから始まる「NEW WORLD」でダイナミックにステージを使ってパフォーマンスをし、そこから一気に「Summer love」で爽やかな風を吹かせる。青空の映像をバックにポップなダンスが映えるし、くるくると変わるそれぞれの表情を見ているだけでも頬が緩む。

夏の太陽のように激しい照明で会場を照らしたあとは、キュートに「ラキラキ」。ウキウキするような振り付けに、超特急のエンタメ性がぎゅっと詰まっているような楽曲だ。8号車もよりご機嫌にコールをし、ペンライトを振り上げる。
しかし、曲のラスト、センターでくるくると回るハルにリョウガが「長ーい!」と言ったところから空気がグッと変わる。

目をギラギラとさせたリョウガがセンターに立つ。次の言葉を待っていると時折焦らしつつも「これだけはお前に言っていいか、正直に言う。8号車たち……マジで好き。好きで好きでたまらんよ!」と言い、8号車を痺れさせる。
リョウガの言葉に8号車の心がひとつになったところで、「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ〜るど」へ。そして、メンバーは客席へと降り、さらに会場を盛り上げていく。

8号車に向けて優しい笑顔を見せているのはもちろんのこと、メンバー同士、すれ違う様子も仲の良さが伺える。すれ違い様にガシッと抱きあうカイとリョウガが印象的だった。
ガッツリとテンションが上がり、そのままの勢いで「超えてアバンチュール」でライブの激しさが増し、8号車のペンライト捌きにもキレが増していく。

「一年が経ちました。最高の仲間です」とリョウガの言葉と共に「a kind of love」。Eのポーズを取る8号車が後ろから見ていても楽しそうなのが分かるし、そしてもちろんステージ上の9人はとびきり楽しそうで、これがこの1年間で超特急が築き上げてきたものなのだろうということがわかる。

さらに「もっともっと熱くなれますか! ここにいる全8号車、俺たちに声を聞かせてくれ」とタカシが呼びかけると8号車が応え、「fanfare」のフレーズを響かせる。シューヤが「ツアーファイナル行くぞ」と叫び、銀テープが舞い、ラストスパートがかかる。花火がスクリーンに打ち上がり、火花が上がり、高らかにファンファーレを奏でる。
ユーキは「8号車おめでとう!」と絶叫し、タカシのロングトーンが響き渡り、幸せの音と声が会場を満たす。

「本当に今日は楽しかった。8号車の皆さんと一緒に迎えられて幸せです。これからも一緒に歩いていきましょう」とユーキが挨拶し、本編最後の曲は「Together As One」へ。
階段に輪になるようにして腰をおろし、その中心にカイが座る。それからステージ上段でダンサーがダンスソロを見せ、タカシとシューヤがステージ下段で2人並んで歌声を届ける。そして9人の振りに合わせてペンライトが動く。会場がひとつになっていることが感じられるような瞬間で、とても美しい。
目を潤ませるメンバーもいたが、それぞれ笑顔を見せ、嬉しそうに肩を組んでいるメンバーの様子にも和む。

超特急が9人になった1年前。それぞれが伝える今の思い

優しい空気の中、本編を終えたが、すぐに手拍子と共に、「超特急」という大きなコールがかかる。

次第に大きくなっていくコールの中、「ここからもっと夏を楽しんじゃおうぜ」というユーキの言葉と共にアンコール1曲目「浮つきWAVES」を客席からスタート。熱狂する客席で、メンバーはタオルを回し、8号車はペンライトを回し、コールをし、「浮ついていく」。そして、最後はアロハのリードで会場全体で波を作っていく。

「浮ついたねー」と口々に言いつつ、メンバーから一言ずつ今の気持ちが伝えられた。新体制になって丸一年ということで、まずは二桁号車から。

トップバッターはシューヤ。「去年の1年前」と切り出し、メンバーから「それは2年前になっちゃう」「おととしになっちゃうから」とツッコミを受けたあと、「一昨年の次の年、今から行ったら去年ですね」とはにかみながら言い直し、ステージ後方を見て「そこら辺からですか。金髪野郎が出てきまして。リョウガくんに名前を呼ばれて、そこに立ちました。皆さん覚えてますか? 僕は今でも鮮明に覚えてるんですけど、裏で緊張しながら、4人で手を繋ぎながら待っていたあの時間だったり、名前を呼ばれた瞬間だったりとか、この景色は本当に多分ずっと忘れることはないなと思う景色でした。

そして、こうやって1年。超特急として活動してきて、本当にたくさんのことを経験させてもらって、今までの自分だったら立てないようなステージにいきなり立って、こんなたくさんの8号車の前でパフォーマンスするようになって、本当に1ボーカリストとして本当に嬉しい楽しい1年でした」と振り返ったあと、ほんの少し言葉を詰まらせる。

「僕は一度……音楽の道を歌って踊ることをやめようと……決めていたんですけど、それだけ人生をかけてやっていたし、大切な仲間もいたので、もうやらないなと思ってたんですけど、番組でタカシくんの言葉を聞いて、このグループに入って歌いたいなと。あのとき言った言葉は嘘ではないし、今でも変わってません。
あのときは、あんなに好きなメンバーは他にできないだろうな、あんなに楽しいライブはできないなと思ってたんですけど。B9を通して、何か超えられるんじゃないかなって思うようになって、今は本当に幸せな日々を送らせていただいてます。この幸せを、ファンのみんなと、そしてメンバーとずっとずっとこの先も一緒に感じていたいと思っていますので僕たちの夢である……あっちの方ですかね」と遠く指さすシューヤ。東京ドームだろう。リョウガにツッコミを受けながらも、「場所までわかんないけど、ついてきてください!」と笑顔で締めくくった。

マサヒロは上京してきたころからを回顧。「6年前ですね、山口から東京に上京するって決めて、周りには正直ダンスをするとは言えずに、東京に行くよ、と言ってたんですけど、それでも結構周りからはいろんなことを言われました。普通に大学行きなさいとか、いい就職先につきなさいとか。でも僕は自分自身が目標を達成できる自信があったし、ダンスが好きな気持ちは、本当に強かったので、自分の気持ちだけを信じて、上京してきたんですけども、こうやって6年後、このステージに今立って、これだけのお客さんの前で、大好きなダンスを踊って、笑顔を届けられて、僕は本当に今幸せです。今日、両親が来てますけども……本当に、ありがとうと伝えたいです」と涙をにじませながら言うと、客席からは大きな拍手が起こった。そして強い視線で続ける。

「これから超特急はさらに大きいステージに立ちたいと思ってます。正直このままでは、無理だと思います。今後大きく変化して、進化して、成長するべきだと思ってます。僕自身、大好きなダンスをもっと極めて、さらにこの9人をパワーアップさせられるように、ダンスの面で引っ張っていきたいと思います」

アロハは、自身が持っていたある目標について。「去年はいろんなものをまず吸収するっていうものを目標に活動していました。けど、もう一つ、実は裏の目標としてあったのが自分のダンススタイルを捨てるということ。まず新しい自分を発見するということ。
お気づきの方もいると思うんですけど、僕のダンスはすごくクセが強くて、悪目立ちすることが多いんですよ。超特急ってすごく揃ってるし、基盤というものを作らなきゃいけないということで、超特急募のオーディションでも言われたことがありました。ずっとダンスばっかりしていたからこそ悔しかったし、その途中でいろいろ怪我をして、体の癖もついちゃったり、いろいろあったんですけど、この間、毎回ダメだしみたいのがあるんですけど、ユーキくんに『アロハ、あんま注意されなくなったね』って言われたのがめちゃくちゃ嬉しくて。裏の目標は自分なりに達成しつつあるのかなって思います。ただ、まだ本気出せないです。正直。全然まだ残してるし、俺の本性をまだ正直見せられてないというか」

会場からはわずかに笑いが起こったが、一桁号車が大丈夫、伝わってる、と声をかける。そして「本当の僕を出せてないですよ。2年目は、自分と超特急をうまく中和できるように頑張りたいと思います」と決意を新たにした。

ハルは「いや1年って早いっすね。だって365日っすよ。感慨深いですよね。みんなどう思う? 3人の感想を聞いて、考えてたこと全部飛んじゃって。みんないいこと言いすぎじゃないですか。俺言うことなくなっちゃったんで」と言うが、かぶっても大丈夫と声をかけられ、言葉を続けた。

「ちょうど1年前に見た景色は5色だったのが、今は9色として、8号車のピンクも入れて10色なんですけど、すごく綺麗だなって毎回ライブするたびに思いますし、みんなの笑顔がすごく素敵なんですよね。このツアーを重ねていくごとに、メンバーの仲も深まりますし、楽しいツアーになったなと思うんですけど、みんなの一つ一つの笑顔が全国で見られて本当によかったなって、思って……」

そして声を詰まらせ、「最近、すっごく体力面と精神面ですごいきつかったんですけど、メンバーのみんなが支えてくれて。この88のリハも本当に参加できなくて、申し訳なさと大丈夫かなっていう不安があったんですけど。もうほんとに直前も逃げ出したいぐらい、不安だったんですけど、みんな優しくて、いつも通り接してくれるから……すごくリラックスしてこのステージに立てたというか。この8人がいなかったら本当にここまで来れてないですし、この年でこんないい経験をさせてもらうことなんて滅多にないと思うので本当にこの8人感謝してますし、ここにいる8号車の皆さん、そして配信を見てくださった8号車のみなさん全員に感謝しています」と思いの丈を伝えた。

二桁号車に優しいツッコミとフォローを入れていた一桁号車はカイから。9人体制になって1年であることにも触れつつ、この3年について振り返った。「今回のツアーから声出しが解禁になりまして、8号車のみんなの声が聞けたことがすごく嬉しかったですし、この声も聞けなかった3年間が、あんまりこういう言葉は口にしたくないですけど……すごくしんどかったしつらかったし。配信でのライブっていうのは、どれだけ大きなところで、それこそもう、アリーナ規模のところでやっても客席は真っ暗だし、みんなのペンライトがあることが支えになっているな、と感じる」と静かに語った。

そして「こないだとある人とお話をさせていただいたんですけど、その人は超特急が声出しできなくなってから出会って、イブを見ていて。それでもすごいねって言ってくれたんだけど、この間、声出しのライブを見て、もっとすごいねって言ってくれたのがすごく誇らしくて。8号車のみなさんは僕にとっての誇りですし、逆に誇りと思ってもらえるような活動をこれからも続けなければいけないなと思っています。もう3年前のような思いもしたくないので……。うーん、あまりうまい言葉が浮かんできませんけれども、3年前の自分に生きてるぞと伝えたいです」

カイの言葉に、小さく悲鳴にも似た声が上がると、「大丈夫だよ、ありがとう」と優しい笑顔を見せ「これからも、超特急を、僕を信じててほしいなと思います」と伝えた。

タクヤは「ちょうどね、1年前の今日この会場でライブをして、4人が加入してくれて。今日8号車の日で、加入して1周年記念日ということで。去年と今年同じ楽屋だったんですけど、去年は5人と4人に席がわかれてたんですよね。でも今年、楽屋に入ったらメンバーがみんなぐちゃぐちゃになって座っていて、わちゃわちゃしてる光景を見て、幸せだなってすごく思いました。そういう些細な幸せにメンバーといると気付かされるというか、とても嬉しいな、という気持ちになりました。
この1年、発表してからいろんなことがあったし、きっと多分、ね、下車というか、……言葉が難しいですけど、っていう方もいらっしゃると思うんですけども。今日会場に来てくれくれた8号車の皆さんもそうですし、配信をご覧の皆さんも、信じてついてきてくれてありがとうございます」

ユーキはすごく濃厚な1年だったと振り返り、「時間は限りあるので、そういった中でやっぱり、僕、超特急というものが夢なので」と語り、「次の1年、またさらに濃い1年になるとは思うんですけど、来年、8号車の皆さんがシンプルに超特急に覚悟しとけというぐらい、めちゃくちゃ多分もう分厚い、分厚い辞書ぐらいの1年にしたいと思っているので。その1ページに、なるべくここにいるみなさん、配信を見てくださってるみなさんが、一緒に刻まれるような、本当に濃い1年過ごせたらいいなとすごく思っています。
もうやることは明確に見えてるので、その未来に向かって、今ここにいる8号車のみなさんと、お仕事してる、勉強している、配信を見ているいろんな8号車のみなさんがいると思うんですけど、その皆さんと一緒に最高の夢をつかみ取りに行きたいなと思ってるので、これからもぜひとも応援よろしくお願いします」と熱い思いをぶつけた。

タカシは「本当にこの1年は短く感じるかな、と思ったけど、いろいろ経験することもあったし、新しい挑戦や過酷な試練がある中で、本当に濃い1年だったな、と思います」と回顧。「僕自身も、1人のボーカリストとして、もちろん今でも思ってますけど、現状維持はダメだなって思う時期がいっぱいあったし、ずっと右肩上がりしていくのが超特急だなって僕は思ってるんで。だからやっぱこの流れは絶対変えちゃいけないな、と思うこともあったし。でもその中で、もうこんなにも、最強なそして最高なメンバーに出会えることができたのが、本当に僕はもう奇跡やな、と」そして、メンバーの可能性にも言及しつつ、「もっと自分は、野心を持って、もっと笑顔だったり、いろんな感情を共有できるような人になりたいとこのツアーを通して、この1年間を通して、思いました」。

さらに9人という今の超特急について、「1人で抱えることって、ときにはすごくつらいこともあるだろうし、しんどくなって、もう嫌やなって思うこともあるとは思うけど、そういう気持ちに負けずにただただ自分の思っていること、そしてこうやって応援してくださってる8号車のみんなの笑顔を思って走り続けていくとこんなにも素敵な出会いがあるんやなって思ったし、1人で抱えていたものを、9等分するとすごく気持ちが軽くなるな、と思った1年。でも、この先ももっと大きな、大きな未来。そしてまだ出会えてない、これから出会う8号車のみんなにも超特急ってこんなにすごいんやぞ、こんなにもたくさんの音楽できるやつでこんな曲もできるんやぞっていうのを伝えていけるような、メンバーでいれたらいいな、と思いました」。

ラストはリョウガ。
「今回もね最後に話させていただくんですけども、今までもねずっとリーダーだからという理由だと思うんですけども。最後にね、オチという形でですね、非常に面白いこと言って、爆笑をかっさらってきたんですけれど、今日はね88っていうこともございますしね。そして新体制になってね、ちょうど1年っていう特別な日でもございます。そしていつも、両親にもですね、長いグダグダ、簡潔にというふうにですね。今回は何か、深いような、かっこいい一言バーン言うて終わりたいと思います」と言い、8号車が「おーっ!」と声を上げ期待をあおる。

リョウガの言葉は本当にシンプルだった。
「僕たちを僕たちでいさせてくれて、ありがとう」
そのあと、前方角に向けて同じ言葉を伝えようとし、カイに止められる場面も。しかし、その言葉はしっかりと8号車の心に刺さったに違いない。

まだまだ続く Wアンコール

しっかりと9人からの想いが伝えられたところで、シューヤが可愛く「思い出作りたくない?」と提案。
さらに「超特急の夏の曲と言えば?」と問いかけ、たくさんある! とツッコまれつつも、「サマラブをみんなで歌いませんか!」
ということで再び「Summer love」で弾け、さらに客席をバックにそのパフォーマンスの様子を撮影していく(この様子はSNSで配信)。
そしてラストはタクヤ「ここからもっとあげていく準備はいいですか。大好きだぜ!」と最新曲「Call My Name」で締めくくった。

が、今日はこれで終わらない。1回目よりも大きな超特急コールに応えてWアンコールが。「みなさんとこの先一緒に、まだまだ最高の夢を、この最高のメンバーと一緒に走っていきたいと思います!みんなこの曲やらなきゃダメだよ!」とユーキがいい、カイが「gr8est journey」とタイトルをコール。今の超特急の始まりの曲を全力でやりきり、ラスト、タクヤが中心で8人を呼び、ぎゅっと中心に集まる様子が心温まる。

本当に最後の曲を前に口を開いたのはタカシ
「僕たちは、ちょうど1年前に5人から9人になりました。当時はいろんな感情が入り乱れたライブステージになっていたと思うんですが、今披露させていただいた『gr8est journey』のように、去年の今頃の僕たちと、そして今の僕たちは、圧倒的に違う大きな差があって。本当にこのライブ、そしてツアーを通して、曇り一つもない素晴らしいライブパフォーマンスができたなと自分たちは強く思っています。この先の人生、何が起きるかわからないことって、山ほどあると思うんですよ。いろんな感情にもなるし、不安だったり、葛藤だったり、あると思うんですけど、でもそういった感情でさえも共有して笑顔に変える場所が、ここにあるんやなと思うと改めて僕たちって、最高に幸せ者やなっていうふうに思います。
この先、何が起こるかわからへんって言ったけど、一つだけ断言できることがあります。それは、僕たち超特急は必ず、絶対に、ドーム以上の規模でさえも圧巻させるようなアーティストになれるなと。8号車と、これからも強い夢を持って走り続けていける、そんな最強のグループになれるなって強く今でも思ってます。そんな僕たちのいろんな感情にさせてしまうような、そんな超特急の音楽をこれからもみんなと一緒に奏でていけたらいいなっていうふうに思ってます」

そうして8号車に届けられたのは「君と奏で」スクリーンにはメンバーの写真とそれぞれの文字で書かれた歌詞が映し出される。ツアーファイナルまでをたどるかのような映像が、今、パフォーマンスをする9人と重なり、満ちていく多幸感。
涙も滲ませつつも、それぞれが笑顔で8号車に感謝と再会を誓い、終えた8号車の日。
終演直後には、年末にアリーナ公演が行われることが発表され、最後の最後まで8号車を喜ばせた超特急。

5人が、4人と5人になって、9人になった。
9人がまたどんな光景を見せてくれたのか。でも、その道のりさえもきっと「happy days」に違いない。

取材・文:ふくだりょうこ 撮影:米山三郎

超特急『BULLET TRAIN Spring Tour 2023 「B9 Unlimited」8号車の日』8月8日(火) 東京ガーデンシアター