ロシアが空軍力を効果的に活用できない理由とは?

精密誘導兵器の不足が堪えている模様

イギリス国防省は2023年8月7日(月)、ウクライナ紛争の状況に関する分析を更新。そのなかで、ロシア空軍はウクライナ侵攻の地上作戦を支援するため、かなりの資源を継続的に投入しているものの、作戦面で決定的な効果は得られていないと分析しています。

同国防省は、今夏にロシア空軍の対地攻撃機などが1日に100回以上の出撃を行ったものの、自軍が支配する地域上空での運用に限定されていると指摘。その理由に、ウクライナ軍対空火器 の脅威をあげています。

そこでロシアは、この問題を克服するために射程延長用の滑空装置を備えた無誘導爆弾を多く使うようになっているそう。これにより、航空機は比較的安全な場所から攻撃するできるようになったものの、無誘導であるため高い精度を得られているわけではないといいます。ロシア軍をめぐっては、ウクライナ侵攻の長期化に伴い、精密誘導兵器が不足していることが過去に指摘されていました。

2023年6月から始まったウクライナ軍の南部反攻に対して、ロシア軍攻撃ヘリコプターを有効に活用しました。しかし、直近の数週間、ロシア軍は南部で効果的に戦術航空戦力を活用できなくなっているとイギリス国防省は分析しています。

ロシア空軍のSu-35戦闘機(画像:ロシア国防省)。