8月23日(水)よりディズニープラスにて配信スタートする、「スター・ウォーズ」の最新ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アソーカ」。「マンダロリアン」と同じく銀河帝国崩壊後の新共和国時代を描く本作の主人公は、アソーカ・タノ(ロザリオドーソン)。「マンダロリアン」シーズン2で実写ドラマに初登場した元ジェダイの女性戦士だが、映画では描かれてこなかったアニメーション作品に代表されるシリーズの「正史」において、長い間活躍し、主要キャラクターたちとも深い関わりを持つ人物だ。

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ファンにとっては、まさに満を持しての主人公作品。そこで本稿では、アソーカの人物関係にスポットを当て、彼女が「スター・ウォーズ」の歴史にどのように関わってきたのかを解説していこう。

■ジェダイに見いだされ、失望した悲劇の騎士、アソーカ・タノ

アソーカは、トグルータという種族の出身。生まれて間もないころからフォースの才能を発揮し、3歳の時に彼女の故郷である惑星シリを訪れたジェダイ・マスターのプロ・クーンによってその高い素質を見いだされ、ジェダイ聖堂にてジェダイ・オーダーになるための訓練を受けた。そして14歳の時、アナキン・スカイウォーカーのパダワン(弟子)となることを命じられる。

その後、アナキンと共に3年におよぶクローン戦争にて多くの戦果を上げ、ジェダイ・ナイトとして成長。アソーカは、1本のライトセーバーを逆手に構える「シエン」というフォームで戦っていたが、“二刀流”で大小2本のライトセーバーを逆手に構える独自のフォームへと変化させている。

クローン戦争の後期に、陰謀に巻き込まれジェダイ聖堂爆破事件の容疑者にされてしまう。真犯人が逮捕され、嫌疑は解けたものの、自分を信じてくれたジェダイがアナキンを含めてわずかであったことから、ジェダイ評議会への信頼が揺らぎ、ジェダイ・オーダーから離れて行動するようになる。ジェダイからの脱退後、独自行動を取るなかでアソーカは、かつて共に戦ったクローン・トルーパー501大隊と再会。しかし、その最中にジェダイを粛清する「オーダー66」が発動され、彼女も追われる身となってしまう。死を偽装することで生き延びたアソーカは、その後、帝国軍に対する初期の反乱運動に参加するようになっていった。

当初は、若さあふれる跳ねっかえりで気が強い少女として登場したが、多くの経験を経てアナキンの副官として活躍することで思慮深さや冷静さなども身に付けていく。そして、帝国軍への反乱運動を経て、ジェダイが残り少なくなるなか、新たな銀河の危機を回避すべく行動を開始する。

■『もののけ姫』『用心棒』など日本とも縁の深いキャラクター

アソーカの生みの親であり、「アソーカ」の総監督を務めるデイヴ・フィローニは、彼女のデザインについて、顔に描かれた模様など宮崎駿監督作『もののけ姫』(97)のヒロインであるサンの影響を受けていると語っている。また、フィローニが監督を務めた「マンダロリアン」シーズン2でのアソーカの登場回は、ジョージ・ルーカスが敬愛している黒澤明監督の代表作『用心棒』(61)から、シチュエーションやカット再現などのオマージュが散りばめられているとも明かしており、アソーカは日本の映像文化とも強く結び付いたキャラクターであることがうかがえる。

■「スター・ウォーズクローン・ウォーズ」では銀河の平和のために戦うジェダイとして活躍!

物語の主役にはならずとも、「スター・ウォーズ」の歴史に大きく関わってきたアソーカ。ここからは、彼女がどんな人物と交流し、どのようにその精神や立場が変化していったのかを追っていこう。『スター・ウォーズクローンの攻撃 (エピソード2)』(02)と『スター・ウォーズ/シスの復讐 (エピソード3)』(05)の間に起こった「クローン戦争」を描くアニメシリーズ「スター・ウォーズクローン・ウォーズ」。銀河全域を巻き込む銀河共和国と分離主義勢力である独立星系連合による大規模紛争が展開され、アソーカはこの「クローン・ウォーズ」のメインキャラクターの一人として活躍した。

アナキン・スカイウォーカーダース・ベイダー

クローン戦争の初期にパダワンからジェダイ・ナイトに昇格し、アソーカマスターとなる。クローン戦争では、キャプテン・レックス率いるクローン・トルーパー501大隊の指揮官として戦った。アナキンは、騎士としての腕前は高くとも年齢は若く、ジェダイ・ナイトとしてもマスターとしても精神的に未熟な部分があったが、自分と同じように規律に囚われずに直感で行動するアソーカを弟子にすることで自身を見つめ直し共に成長。アソーカを深く信頼しており、その関係性は兄と妹のようだった。

ジェダイ聖堂爆破事件では、最後までアソーカを信じ、彼女の弁護士には信頼できる人物としてアソーカの友人でもあったパドメ・アミダラを推薦。アソーカの無実を証明するために真犯人を捜しだすなど、師弟愛は強かった。アソーカがジェダイ・オーダーを離脱したあとも、自分が作った白い刃のライトセーバーアソーカに贈るなど、その後も絆は続いていたが、アナキンダークサイドに墜ちたことで袂を分かつことになる。

銀河帝国に属するシスの暗黒卿ダース・ベイダーとなったアナキンは、惑星ロザルにてアソーカと対峙。フォースに感応したアソーカに、死んだと思われていた自らの正体を知られ、さらに一撃を加えられた際に割れた仮面の下から素顔を目撃される。その後、再度アソーカと相まみえた時には、命を奪うギリギリのところまで彼女を圧倒した。

オビ=ワン・ケノービ

アナキンの師匠という関係から、オビ=ワンにとってアソーカは孫弟子にあたる。アナキンが教えるのを苦手とする規律や礼儀などの面でサポートしたり、時にアソーカにも厳しく接するなど、アナキンが兄ならばオビ=ワンは父親ともいうべき少し離れた距離感でその成長を見守った。しかし、ジェダイ聖堂爆破事件の際には、アソーカ擁護の側に立ちながらも、アナキンのような能動的な行動をせず、彼女がジェダイ・オーダーから離れる原因を作ってしまった。また、立場上ジェダイ・オーダー側の意見を優先しなければならないため、その後の関係性には多少のわだかまりが残ることに。

ヨーダ

ジェダイ・オーダー全体を指揮するグランド・マスターヨーダは、ジェダイ・ナイトとなったアナキンのパダワンにアソーカを選んだ。アナキンの資質と問題点を踏まえ、似た性格であるアソーカを弟子にさせたことが、彼の成長を大きくあと押しすることにもなった。アソーカの才能についても高く評価していたが、ジェダイ聖堂爆破事件ではアソーカを裁く側となってしまったため、関係は悪化。アソーカの無実がわかった際には、ジェダイ・オーダーに戻ることを勧めたが、拒否されてしまう。アソーカ自身はヨーダを慕っており、同じ種族であるグローグーの姿を見て、ヨーダを懐かしむ発言をしている。

●ボ=カターン・クライズ

惑星マンダロア出身の戦士。クローン戦争の最中、惑星マンダロアに新政権が誕生するが、失われつつあるマンダロア独自の戦士文化の復活を支持し、過激派のデス・ウォッチに参加。このマンダロア内での争いで、アソーカとは敵同士として出会う。その後、デス・ウォッチの指導者であるプレ・ヴィズラがマンダロア奪還のためにかつてのシス卿であるダース・モール(以下、モール)と手を組み、シスを信頼できないボ=カターンはデス・ウォッチから離脱する道を選ぶ。モールがヴィズラを殺害しマンダロアを手中に収めようとするなか、ボ=カターンはジェダイを離れたアソーカと協力。モールを失墜させるべく共闘し、その後長く続く友情を築くことになる。

●キャプテン・レックス

アナキンアソーカが率いていたクローン・トルーパー501大隊を指揮するコマンダー。立場はアソーカが上だが、彼女がパダワンになる以前から戦闘に従事していたこともあり、戦場での振る舞いや他人に対する礼儀などに関してはアソーカを指導する立場にあった。信頼できる戦友として、アソーカと共に数多くの任務をこなし、上官と部下という関係性を超えた友情が芽生える。クローン・トルーパーの脳にはチップが埋め込まれており、「オーダー66」の発動によってジェダイを抹殺するように動くことを知ったアソーカは、レックスのチップを除去。その結果、「オーダー66」の発動後にねらわれる立場となったアソーカを救うべく戦い、最後は共に生き延びることができた。

■「スター・ウォーズ 反乱者たち」で、勢力を増す銀河帝国への反乱活動を支援!

スター・ウォーズ/シスの復讐 (エピソード3)』と『スター・ウォーズ /新たなる希望 (エピソード4)』(77)の間を描くアニメシリーズ「スター・ウォーズ 反乱者たち」。パルパティーン皇帝が銀河帝国を勃興させてから14年後、銀河では帝国の統治に対しての反乱運動が活発化していた。そんななか、銀河外縁部の惑星ロザルを中心に、帝国への反乱活動を行うチーム“ゴースト”の活躍が描かれる。「反乱者たち」でのアソーカは、銀河各地の反乱分子と連絡を取る謎の人物、フルクラムとして行動し、ゴーストのクルーたちに協力、バックアップするキャラクターとして登場。「スター・ウォーズ:アソーカ」では、「反乱者たち」に登場するサビーヌやヘラとの再会が物語の大きな鍵となりそうだ。

●エズラ・ブリッジャー

ゴーストの最年少メンバー。反帝国運動に参加していた両親が捕まったために孤児として育ち、「オーダー66」を生き残ったジェダイ・ナイト、ケイナン・ジャラスらゴーストのメンバーと出会う。フォース感応能力を見込まれ、ケイナンのパダワンとしてジェダイとしての訓練を受けた。アソーカとは協力し、ジェダイ残党を狩る帝国の尋問官と戦っている。アソーカダース・ベイダーの対決において、ベイダーに斬りつけられそうになったアソーカを救出。戦いの終盤では、帝国のスローン大提督と共に銀河系の外のアンノウン・リージョンへと飛ばされてしまい、行方不明となった。「スター・ウォーズ:アソーカ」の本予告で本作に登場することが確認された。

●ケイナン・ジャラス

「オーダー66」発動時に、マスターの機転によって生き残ることができたジェダイの生き残りで、ゴーストのクルー。惑星ロザルで出会ったエズラの素質を知り、パダワンとしてジェダイの訓練を行う。アソーカとは、エズラと一緒に共闘。尋問官やモールダース・ベイダーと死闘を繰り広げたが、戦いのなかで仲間を救うために犠牲となった。

●サビーヌ・レン

惑星マンダロア出身の武器の専門家でゴーストのクルー。芸術的な才能を持ち、自身でカラフルに塗り分けたマンダロアアーマーを着用している。エズラやケイナン同様、アソーカとは反乱活動のなかで出会い、交流を深める。戦いにひと区切りがついたあと、行方不明となったエズラを探すことをアソーカと約束していた。「スター・ウォーズ:アソーカ」で再登場。

●ヘラ・シンドゥーラ

惑星ライロス出身のトワイレック族の女性。ゴーストの船長にしてチームリーダー。相棒は、頑固で短気な旧型アストロメク・ドロイドのC1-10P(通称、チョッパー)。宇宙船の操縦に関しては天才的な能力を持っている。反帝国組織と連絡を取っており、ヘラへの信頼度の高さによって、アソーカもゴーストに協力する。サビーヌと同様に「スター・ウォーズ:アソーカ」に登場することから、その後もアソーカと連絡を取り合っていたと考えられる。

■「マンダロリアン」&「ボバ・フェット」で帝国崩壊後のアソーカが登場!

ドラマシリーズの「マンダロリアン」&「ボバ・フェット」では実写版アソーカが登場していた。ルーク・スカイウォーカーらの活躍によってパルパティーン皇帝ことダース・シディアスが倒され、帝国が崩壊したあとの時代においても、アソーカは帝国復活の兆候を警戒。特にパルパティーンの遺志を継ぎ、帝国を復興させる可能性を持つスローン大提督の帰還の噂を危険視して行動している。

●ディン・ジャリン

マンダロリアンの孤高の賞金稼ぎ。ターゲットだったエイリアンの幼体、グローグー(当初はザ・チャイルド)を保護し、ジェダイの元へ返す旅を続けるなかで、一時的に共闘したボ=カターンからの情報に従って森林惑星コルヴァスを訪れる。そこでアソーカと出会った彼は、カロダンという市街地を支配するモーガン・エルズベスの一派を壊滅させるために協力する。ちなみに、アソーカがコルヴァスに潜伏していたのは、モーガンスローン大提督を捜すべく行動しているという情報を得たからだった。戦いを終え、ディン・ジャリンは目的を果たすためにアソーカにグローグーを預けようとするが、彼女はそれを拒否。その代わり、銀河のどこかにいるジェダイと交信ができる古い寺院がある惑星を紹介される。

●グローグー

アソーカと出会い、フォースで感応。その結果、グローグーという自身の名前とかつてジェダイ聖堂から何者かによって連れ去られたこと、そしてその記憶を失っていることが発覚する。本来であれば、アソーカがグローグーの訓練を行うところだが、ディン・ジャリンとの親子のような絆を目の当たりにして、頼みを断っている。

ルーク・スカイウォーカー

アソーカアナキンの息子であるルークともすでに交流を持っている様子で、ジェダイを再興すべく行動し、グローグーに修行をつけている彼を温かく見守った。

ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アソーカ」は、予告編でも明かされているとおり、「反乱者たち」のキャラクターたちが登場を果たす。かつて共に戦った仲間たちと再会し、アソーカはどんな活躍を見せてくれるのだろうか?配信開始が待ち遠しくて仕方がない。

文/石井誠

宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記

アナキン、ヨーダ、オビ=ワンなど、「スター・ウォーズ」でおなじみのキャラとアソーカの関係とは?/[c]2023 Lucasfilm Ltd.