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かわいらしいコリー犬その正体は…?(トコさんYouTubeより)

道にごろんと転がるコリー犬。女性に「Good boy!」と頭をなでられると、満足げな仕草でなんともかわいらしい。お手をしてみたり、道行く人に手を振ったり……。い、犬が手を振る!?

こちら、現在800万回以上され注目を集めるYouTube動画の一部始終。投稿者は、日本人のトコさん。チャンネル名は「動物になりたい(I want to be an animal)」(@I_want_to_be_an_animal)。そして、動画のタイトルは「リアルな犬の着ぐるみを見た、犬と人々の反応!」。そう、このトコさんは動物になりたすぎて、リアルな着ぐるみを作成、着用しているというのだ。

現在“犬になった日本人”として世界中で大人気のトコさん。TikTokのフォロワー数は20万人を超え、「NEW YORK POST」「Daily Mail Online」など米英のメディア、そしてドイツテレビ局「RTLテレビジョン」からも取材されるホットな犬……人物だ。日本でも現在、X(元ツイッター)上で“アメリカで話題の日本人”として逆輸入され、注目を集めている。

《おてて伸ばすところまで本物だと思ってた…すご》
《なるほどこういう夢の叶えかたがあるんですね コリーさんふわふわでかわいいです》
《このトコさんのリアルな着ぐるみイタリアでも話題になってます!夫が毎日、イタリア語でネットで上がってくるんだけど、知ってる?って聞いてきました!フェイクファーも日本の技術ってすごいし、リアル着ぐるみ世界進出出来そう》

■制作費用は約200万円、いったいなぜ犬に?

いったいなぜ、着ぐるみを作って犬になろうと思ったのか?

トコさん本人が答えてくれた。

「小さいころから動物になってみたいという、漠然とした夢がありました。変身願望とでもいうのでしょうか? その夢を叶えるべく、着ぐるみをオーダーしようと考えました。当たり前ですが動物そのものになることは出来ないので、着ぐるみを制作して着るという方法が一番現実的かなと。小さい頃からの夢を叶えるべく、社会人になってからお金を溜めました」

’21年の秋、トコさんは夢を叶えるべく、リアルな犬の着ぐるみのオーダーを決意。数ある動物のなかで、なぜ犬を、そしてラフコリーを選んだのだろうか?

「リアルな造形になることを考えると親しみやすい身近にいる動物のほうがいいと思い、犬にしました。犬種をラフコリーにしたのは、単純に、私が好きだからというのが大きいです。あとは大型犬で長毛種なので、中に人間が入っても違和感が少ないのではとも思いました」

確かに、全く違和感のないこの着ぐるみ。制作にあたって苦労したのは、なんといっても業者探しだという。

「大変だったことは、実際に私の思い描くような着ぐるみを作ってもらえるかという点です。特殊造形を手掛けているゼペットさんに相談してみたところ、快く引き受けてくださり、打ち合わせを重ねた結果、満足のいく仕上がりにしていただきました」

トコさんが着ぐるみを注文した「特殊造型スタジオ ゼペット」は、1984年に創業した映像制作会社「ブラスト」の社内造型部門。様々なメディアで特殊スーツや量産品、ロボット制作といった造型物を手がけており、’22年からは個人向けのオーダーメイドサービスも開始している。

今回の着ぐるみの製作には200万円以上かかったそう。金額に驚きの反応も多いが、トコさんは「満足がいくものを作っていただけたので、高いとは思っていません」と納得している。

■実際に着て外を散歩してみたら…「何だこれ!?」すれ違う犬からは戸惑いの反応も

そしてついに着ぐるみが完成した’22年春、トコさんはYouTube上に最初の動画「【着ぐるみ】コリーになってみた」をアップ。この動画は’23年8月現在、339万回再生されている。海外からのコメントも多く寄せられており、夢を叶えたトコさんや着ぐるみのクオリティに絶賛の声が集まった。

《I mean I have dreamed of being a dog once, glad his dream came true.(私も犬になるのが夢だったことがある、彼の夢が叶ってよかった!)》
《It’s wonderful you’re living the dream, my friend!(夢を実現するのは素晴らしいことですね、マイフレンド!)》
《すげぇ!!!!!!!かわいい!!!!!》

当初は室内で動画撮影しているのみだったトコさんだが、’22年9月にはついに街へ出てお散歩をしてみることに。街の人やすれ違う犬のリアクションはどうだったのだろうか。

「うれしかったこととしては、思ったより街の人たちの反応があたたかかったことです。みなさん、すごい! とか、どうなってるの? みたいな驚いたような反応が多かったです。すれ違った犬は、一歩引いたような、“何だこれ!?”みたいな反応でした」

注目をあつめるトコさん。国内にとどまらず、海外からの取材も殺到しているという。

「海外メディアからの問い合わせですが、動画の使用許諾の話を含めると少なくとも30以上はあります。メール、Twitter、Instagramなど様々な経路からお問合わせを頂いているので、多すぎて管理しきれてないのが現状です」

動画を見た人からの反響や、周囲の人の反応はどのようなものなのだろうか?

「国内からは、『夢を叶えててすごい』『応援してます』などの好意的なコメントが比較的多い印象です。海外からのコメントは、日本同様、好意的なコメントもありますが、これだけ拡散されてしまったため、『とても変だ』『お金の無駄遣いだ』などのネガティブなコメントも多く見受けられます。

とても親しい人にしかお話ししていませんが、家族や友人は驚いたような反応でしたが、好意的に受け止めてもらってます」

「犬以外の動物にもなってみたい」とも語っていたトコさん。新たな動物になる日も近いかも……。トコさんのYouTubeから目が離せない!