『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のゲーム内イベント、「コネクトライブ ワンダーランズ×ショウタイム 1st STORIES」が、8月6日に開催された。

【画像】バーチャルの中にあった一体感…「コネクトライブ ワンダーランズ×ショウタイム 1st STORIES」の様子

 本公演に登場したのは天馬司、鳳えむ、草薙寧々、神代類からなるユニット、ワンダーランズ×ショウタイムワンダショ)と、バーチャルシンガー初音ミク鏡音リン巡音ルカKAITO。彼らの1stバーチャルライブとなる本公演は、これまでの書き下ろし楽曲の披露と、遊園地と旅の一座の物語を描くショーを軸にした、これまでのワンダショの歩みを感じられるものとなった。

 これまでもゲーム内ユニットごとに行われてきたコネクトライブだが、その醍醐味のひとつは、普段ゲーム内では見ることができない3Dキャラクターの動きやリアルタイムでのMCが楽しめることだろう。オーディエンスはサイリウムを振ったりクラップやコールで楽曲に参加したりと臨場感たっぷりに楽しむことができ、バーチャルライブであってもライブをともに作り上げるような一体感が感じられる。

 ショーの始まりを思わせるミクとKAITOによるオープニングを経て登場したワンダショの4人。1曲目に披露したのは「ショウタイム・ルーラー」(作詞・作曲:烏屋茶房)だ。鏡音リンを迎えた5人で、開幕からエネルギッシュなステージを繰り広げる。低音と高音のボーカルが混ざり合う、男女混合ユニットの特徴も活きた選曲だ。

 この日のコネクトライブの一番の見どころとなったのは、ショーキャストとしてのワンダショの姿だ。キャラクターが楽曲をフルパフォーマンスするだけでも見ごたえのあるコネクトライブだが、ワンダショはショーステージで活動するキャスト4人組なだけあって、曲間ではこれまでのワンダショの歩みを振り返るようなショーが上演された。

 セットや衣装の瞬時の変化によるスムーズな展開など、バーチャルライブと演劇の相性の良さも感じさせたショーであったが、ショーパートと楽曲のつながりも印象深いものだった。この日、ワンダショの4人とバーチャルシンガーたちが演じたのは、さびれた遊園地と笑顔を失った妖精たちを救う一座の物語。ミクふんする笑顔を失った遊園地の妖精に対しえむが「一緒ににっこりを探しに行こう!」と呼びかけて「にっこり^^調査隊のテーマ」(作詞・作曲:じーざす)につながる演出は、ワンダショが持っている明るさを存分に感じさせる、胸が高鳴るものだった。楽曲パフォーマンス時はメンバー同士でアイコンタクトを取ったりオーディエンスに向けて手を振ったりと、ライブ感のある賑やかな動きもコネクトライブならではのものだろう。

 今回披露されたショーはこの日のオリジナルストーリーであったが、随所でこれまでのイベントストーリーや、そこで描かれてきたメンバー一人ひとりの葛藤や成長を彷彿とさせた。

 たとえば、「誰も私の歌を求めていない」と意気消沈した様子のルカに対し、寧々が強く励ましの言葉を送った場面は、彼女がかつて抱えていた歌への葛藤を思い出させる。続く楽曲は寧々がメインとなったイベントの書き下ろし曲「Glory Steady Go!」(作詞・作曲:キノシタ)だ。歌う楽しさが綴られた「Glory Steady Go!」を歌う寧々は、今回のショーの中で歌えなくなったルカを救う立場になったという点で、イベントストーリーを乗り越えた感動をあらためて味わわせてくれる。さらに、音の出なくなったピアノを弾くことを諦めたKAITOに対して激励の言葉をかけたのは司。彼がKAITOにかけた言葉の裏側には、過去のイベント「まばゆい光のステージで」にて苦しみながらも演じきったトルぺの存在が感じられる。その後披露したのは、同イベントの書き下ろし楽曲「88☆彡」(作詞:まらしぃ、作曲:まらしぃ堀江晶太(kemu))。〈夢も希望も欲張っちゃえばいい〉の歌詞は、これまでさまざまな経験を経て強かに成長したワンダショから、ショーにおける元気を失った妖精への、そしてワンダショの軌跡を見守り続けたオーディエンスへのメッセージとも受け取ることができる。それぞれイベント衣装を身に着け、振り付けも含めたフルバージョンで披露されたという特別感はもちろんのこと、ワンダショのメンバーがこれまでのイベントストーリーで乗り越えてきた経験が反映された演出に胸が熱くなるステージであった。

 ショー本編が終了したあとは、趣向を変えて司、類による「KING」(作詞・作曲:Kanaria)、寧々、えむ、リンによる「ポジティブ☆ダンスタイム」(作詞・作曲:キノシタ)へ。前者はシックな装いでクールに披露し、後者は3人のカラフルな衣装とポップな振り付け、そしてラスサビではネネロボも登場するという賑やかな演出で、2曲の対比を楽しませた。

 ライブの最後には物語のエピローグとして、笑顔を取り戻した遊園地への置き土産としてワンダショ初の書き下ろし曲「セカイはまだ始まってすらいない」(作詞・作曲:ピノキオピー)を明るく披露し、ショーは大団円で締めくくられた。ワンダショのこれまでの歩みを感じると同時に、この先もさまざまな出来事が待っているであろうことを予感させる、彼ららしい明るいステージとなった。

(取材・文=村上麗奈)

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