SBI新生銀行とSBI証券は4月3日に、証券口座の利便性を高める「SBI新生コネクト」の提供を開始した。銀行と証券連携による自動入出金サービス(名称はサービスごとに異なる)は今や珍しくはなく、「SBI新生コネクト」は後発となるが、スタート記念として、期間限定で円普通預金に優遇金利年0.20%(税引前)を適用するため、できるだけ普通預金金利の高い銀行に預けたい人にとっては有力な選択肢となった。そこで今回は、同様に普通預金の金利がアップする、主な証券×銀行の組み合わせを紹介しよう。

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●連携するだけで金利優遇 条件を満たすとさらなる金利優遇やポイント付与も



SBI証券×SBI新生銀行「SBI新生コネクト

 「SBI新生コネクト」は、2023年1月4日付で商号変更したSBI新生銀行の銀行口座とSBI証券の証券口座を連携させると、SBI証券における投信積立にかかる資金の入金を自動化できるサービスだ。あわせて、証券口座の預り金を毎営業日の夕方に銀行口座へ自動的に出金するサービスを提供する。

 さらに特典として、インターネットによる他行宛振込手数料が月50回まで無料となるほか、申し込みの翌々月から、SBI新生銀行の「ステップアッププログラム」の「ダイヤモンドステージ」となり、円普通預金金利が年0.10%(税引前)にアップ。さらに、9月28日までのキャンペーン期間中は、円普通預金金利は業界最高水準の年0.20%(税引前)となる。なお、特典分の利息は毎月入金する。

楽天証券×楽天銀行「マネーブリッジ」&「ハッピープログラム」

 楽天銀行と楽天証券を連携する「マネーブリッジ(銀行口座・証券口座連携サービス)」を設定すると、銀行口座と証券口座間でシームレスに自動的に入出金できるほか、円普通預金金利が年0.10%(税引前)にアップする。あわせて「ハッピープログラム」に申し込むと、証券取引に応じて、連携した楽天IDに対し、楽天ポイントが付与される。

auカブコム証券×auじぶん銀行「auマネーコネクト

 auじぶん銀行とauカブコム証券は、2020年6月1日から、auじぶん銀行とauカブコム証券間の入出金がスムーズになり、さらに円普通預金金利が通常の100倍となる「auマネーコネクト優遇プログラム」の提供を開始。au PAYカードの口座引き落とし・au PAYの口座連携を条件とした「auまとめて金利優遇」適用で円普通預金金利は最大年0.20%(「auマネーコネクト優遇プログラム」のみの場合は年0.10%、ともに税引前)にアップする。なお、特典分の利息はそれぞれ毎月入金する。

SBI証券×SBI住信銀行「SBIハイブリッド預金」

 SBIハイブリッド預金はSBI証券と連携した円預金で、口座残高はSBI証券口座の買付余力に自動的に反映し、株式や投資信託、債券などの証券取引に利用できる。また、銀行口座と証券口座との間で自動的に資金振替を行う(自動スィープサービス)。さらに、SBIハイブリッド預金の場合、円普通預金金利が年0.010%(税引前)にアップする。なお、利息は毎月第三土曜日に計算し、その翌日に入金する。


●新サービス「Olive」は、現状はSBI証券との連携でポイント還元率アップのみ



 三井住友ファイナンシャルグループ、三井住友銀行三井住友カードが今年3月1日に開始した、「Vポイント」がたまる銀行とクレジットカードを中心とした総合金融サービス「Oliveオリーブ)」は、SBI証券口座を保有し、SBI証券Vポイントサービスに登録のうえ、対象の取引を実施すると、対象のコンビニ・飲食店でスマートフォンによるタッチ決済のポイント還元率が最大+2.0%となる。

 現状のOliveは「ポイント還元」しか証券口座と連携するメリットがないが、SBI住信銀行のSBIハイブリッド預金、SBI新生銀行「SBI新生コネクト」に続き、銀行口座とSBI証券の証券口座の自動入出金サービスに対応する可能性は高いだろう。その際、特典として普通預金金利の優遇(金利上乗せ)があれば改めて注目を集めそうだ。

 「貯蓄から投資へ」の流れを加速するため、2024年1月からNISA制度(少額投資非課税制度)が変わる。本格的な資産運用には、NISA口座の開設と株式取引や投資信託などに関する知識が必要だが、とりあえず普通預金金利の高い銀行に預けたい人は、口座連携だけで普通預金金利が優遇される証券口座を作って銀行口座と連携させよう。(BCN・嵯峨野 芙美/ファイナンシャルプランナー
証券口座と銀行口座の連携で通常の100倍の優遇金利が適用!(キャンペーン対象となる「SBI新生コネクト」申込期間は終了)