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機動警察パトレイバー the Movie」の上映会が、“パトレイバーの日”の本日8月10日に東京・新宿ピカデリーで開催され、泉野明役の冨永みーなと、篠原遊馬役の古川登志夫、司会として天津向が登壇した。

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本日のイベントは「機動警察パトレイバー」シリーズの35周年、映像レーベル・EMOTIONの40周年を記念し行われたもの。1989年に公開された「機動警察パトレイバー the Movie」だが、冨永は当時もこの劇場で舞台挨拶を行った記憶があるという。古川が「久しぶりに上映してこれだけのお客さんが来てくれるというのは、『パトレイバー』のファンって本当にマニアック」と言うと、向から指摘が入り「マニアック」という表現を「根強い」に改める。

当時の思い出について、古川は「とにかくキャスト皆さんが演技力のある方。自分以外の演技を盗みたいなとずっと思っていた記憶があります。特に後藤隊長の大林(隆介)さんは僕なんかにない演技論」とコメント。冨永は「いろんな役をやってきましたが、泉野明が自分に一番近い。きっとほかのキャストさんもそう思っているんじゃないでしょうか。警視庁特車二課を演じる皆さん、性格がという意味ではないですが、内から出るものが似てる。演技をしてるのか、そこで会話してしゃべっているのか、特殊なスタジオでした」と回想する。冨永の言葉に共感し「あらゆる作品の中で(篠原が)一番自分のまま」と話していた古川も、「耳だけだと、そこに二課があるみたいだった」と懐かしんだ。

改めて思う「機動警察パトレイバー」の推しポイントを聞かれると、冨永は「1人ひとりのキャラが魅力的。誰が主人公という意識なく、人間ドラマごと楽しめる。お仕事ものとして観てもカッコいいし、カッコよくないところまで描かれているのが好き」と回答。「あと、ファンの方が長く愛してくださってるところ。今でも『好きな作品は?』って聞かれたら、『パトレイバー』って言ってくださる方が多いと思う」とファンに感謝する。古川が「現場のスタッフさんで『パトレイバー』が好きっていう人は多いんですよ」と証言すると、冨永は「この作品を観て、クリエイティブな仕事に就きたくなった人は多いと思います」と納得した。

イベント終盤には冨永が「今日は新作の話はないんですか?」と尋ね、向を困らせる一幕も。「先ほど等身大の自分で演じたと言いましたが、年月が経ち、歳を重ねた今の自分に近い泉野明と出会えたら、なんて幸せなんだろうなと思います」としみじみ述べる。観客の期待も膨らませるも、冨永は「私、皆さんと同じ状態ですからね。何か知ってて言えないわけではないです!」としっかり補足。しかしながら、最後まで向に「何か知ってませんか?」と尋ねていた。

最後に冨永は「泉野明と初めて出会ったときは、こんなに長い付き合いになるとは思っていなかった」とにこやかに挨拶。古川は「自分の代表作の中に入れておきたい作品の1つ」と話し、篠原重工のロゴが入ったヘルメットを自ら購入して持っているという「パトレイバー」オタクなエピソードを明かす。イベントの締めくくりとして、2人は「パトレイバー」の名台詞を披露することに。古川が「フォワードバックアップは一心同体だ!」と言うと、「ターゲット!」と続く冨永。そして観客で「ロック・オン!」と声を出し、その場にいる全員が一心同体となって幕を閉じた。

機動警察パトレイバー」はマンガやTVアニメ、劇場作品、OVAと展開されてきたメディアミックス作品。人間型作業機械・レイバーが普及した近未来の東京を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かうべく警視庁に設立された特車二課の日常と活躍が描かれる。

「機動警察パトレイバー the Movie」の上映会より。左から泉野明役の冨永みーなと、篠原遊馬役の古川登志夫。