株式会社ゲンロン(本社:東京都品川区代表取締役:上田洋子)は、創業者である批評家・作家の東浩紀による『訂正可能性の哲学』を9月1日に刊行します。

<編集部より>

 2017年に刊行された『ゲンロン0 観光客の哲学』から6年。東浩紀の新たな主著が誕生しました。本書は第71回毎日出版文化賞をいただいた『観光客の哲学』の続編であり、著者が25年前に『存在論的、郵便的』で積み残した「ひとは何故哲学をするのか」という謎への答でもあります。「正しさ」でがんじがらめになった時代に、誤ることの意味を問いかけます。
 本書の第1部は「家族と訂正可能性」、第2部は「一般意志再考」と題されています。第1部ではウィトゲンシュタインやクリプキ、トッドといった思想家の仕事をヒントに、「家族」という言葉の持つポテンシャルを考えます。メンバーが変わっても「同じ家族」であるのはなぜか。子どもの遊びにも似たこの特徴をモデルに、「訂正可能」なゆるい連帯の姿を描き出します。
 第2部では「訂正可能性」をキーワードに、新しい民主主義のあり方を考えます。いま世の中を覆う、政治を人工知能に委ねるべきだという思想は、じつは民主主義の祖であるルソーの「一般意志」までまっすぐ繋がっています。人間がビッグデータに分解され、さらにAIにとって代わられるなかで、それでも人間になにができるのか。書き下ろしの第8章・第9章では、ルソー自身の小説『新エロイーズ』やドストエフスキーの『地下室の手記』を読み解くことで、個々の「私」を排除しない「新しい一般意志」の可能性を掬い上げます。
 本書には上で出た以外にも、プラトン、ポパー、アーレント、トクヴィルユヴァル・ノア・ハラリ落合陽一、成田悠輔など、数多くの思想家が登場します。その点では一見、難解な哲学書のようにも見えるかもしれません。しかしその問題提起や文体は、日々の生活に根ざしたものです。人々をつなげるはずのSNSが社会を引き裂くいま、分断を乗り越える対話はどうすれば可能なのか。その答えがここにあります。ご期待ください。

取材について

 ゲンロンでは、著者 東浩紀へのインタビューをお受けいたします。ご取材いただける場合には原稿をお送りいたします。また書評をご検討いただける場合は見本誌をお送りいたします。詳細はお問い合わせください。

 また、東は10月に朝日新聞出版より新書『訂正する力』を刊行予定です。聞き手・構成を辻田真佐憲氏が務め、政治や文化を話題に「訂正可能性」をより分かりやすく語ります。ぜひ『訂正可能性の哲学』と合わせてお取り上げください。

『訂正可能性の哲学』詳細について

■目次

第1部 家族と訂正可能性

第1章 家族的なものとその敵

第2章 訂正可能性の共同体

第3章 家族と観光客

第4章 持続する公共性へ

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第2部 一般意志再考

第5章 人工知能民主主義の誕生

第6章 一般意志という謎

第7章 ビッグデータと「私」の問題

第8章 自然と訂正可能性

第9章 対話、結社、民主主義

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おわりに

文献一覧

索引

■著者プロフィール

東浩紀 あずま・ひろき
1971年東京生まれ。批評家・作家・哲学者。株式会社ゲンロン創業者。東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任。著書に『存在論的、郵便的』(1998年、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(2001年)、『クォンタム・ファミリーズ』(2009年、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(2011年)、『観光客の哲学』(2017年、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(2019年)、『テーマパーク化する地球』(2019年)、『ゲンロン戦記』(2020年)『忘却にあらがう』(2022年)ほか多数。

■書籍データ

発  行:2023年9月

判  型:四六判・ソフトカバー

ページ数:本体364頁

価  格:2,860円(税込)

ISBN:978-4-907188-50-4

一般販売について

書店での一般発売は2023年9月1日ごろを予定しています。
ただいま、全国書店・各ECサイトにて予約受付中です。

直販サイト(ゲンロンショップ)|https://genron.co.jp/shop/products/detail/796

Amazon|https://www.amazon.co.jp/dp/4907188501

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配信元企業:株式会社ゲンロン

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