●『天丼てんや』に“大分天丼”としか言いようがない限定天丼が出たと聞きつけ、大分出身のライターが実食してきた!
大分・佐賀関沖で漁獲されるブランド魚は一般に「関もの」と呼ばれて珍重されます。有名な関アジ・関サバのほか、一本釣りで活〆にされて出荷される天然の「関ブリ」も人気です――。
何の前触れもなくナレーション的な説明を始めて、暑さで気でも違ったのかとお思いでしょうが、それもこれもあの『天丼てんや』のせいなのです。というのも、期間限定でこの関ブリを使った「関ぶりと鶏の天丼」が発売されたというじゃありませんか!
ブリの天ぷらも珍しいのですが、鶏の天ぷらも同時に味わえるとはなんとも贅沢です。しかも鶏天といえば大分の郷土料理。関ブリと合わせて、これはもはや“大分天丼”じゃないですか!! 大分出身の筆者としては、これはぜひ味わっておかねばなりません! というわけで、さっそく『天丼てんや』浅草店へひとっ飛びです。
大ぶりの関ブリと鶏の天ぷらで大分感満載!
さて、いざお目当ての「関ぶりと鶏の天丼」(890円)とご対面。ドドンと盛り付けられた大ぶりな関ブリが2尾も! あまりに大きなサイズでテンションが上がります。そのほか、鶏と舞茸の天ぷらが各1個ずつという布陣。
関ブリは身がふっくら肉厚で、ほのかな甘みと旨みが絶妙です。特に関ブリ本来の旨みが時間差で口いっぱいに広がり、得も言われぬ幸福感。人によっては好みの分かれる血合い部分ですが、これが妙に香ばしくて美味。生臭さなどまったく感じません。脂ものっていて、非常に美味しい関ブリの天ぷらです。
そしてもう一つの主役・鶏の天ぷらにいってみましょう。ムネ肉を使っているそうですが、ムネ肉とは思えない柔らかさがあります。ほっくりやさしい食感で、肉の旨みがしっかり染み出してきます。適度な弾力のある歯ざわりはムネ肉ならでは。1個では足りないと思えるほどです。
聞けば、関ブリと鶏肉はバッター液にからませる前に、タピオカ粉を使用した打ち粉をうっているそう。しっかり&サックリとした歯ざわりに仕上がっているのはそのためでしょう。タレのからみも抜群に良いです。
そして舞茸の天ぷらは筆者の大好物。これが期待を裏切らない見事なウマさです。シャキッとした歯ざわりと衣の香ばしさがたまりません。これまた何個でも食べたくなる美味しさです。
いずれも甘辛いタレがしっかりかかっており、これが素材の味を損なわない名アシストぶりを発揮しています。そのタレがほどよく染みたご飯の美味しさは言わずもがな。ブリの身と一緒に食べると新鮮な味わいと食感で、ご飯が何杯も食べられそう。
関ブリと鶏の天ぷらを贅沢に盛り付けたこの「関ぶりと鶏の天丼」。大分出身の筆者の食後の感想としては、“郷愁”のひと言でした。この天丼はそば・うどんとのセットメニューもありますよ。
(取材・文◎松本壮平)
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