【こっそりミームを教えます・109】 ネット上で誕生し拡散、浸透するミームたち。今回はどこか懐かしさも感じる「御三家」を紹介しよう。現在、ネット上ではポケモン用語として認識されている「御三家」。あなたはどの「御三家」を想像しただろうか。

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●力? 魅力? それともタイプ? 各時代に登場する「御三家」の定義とは



 「御三家」そのものの語源は、江戸幕府の徳川家に遡る。徳川御三家として、尾張・紀州・水戸の三家を指し、それぞれ徳川家康の九男・義直、十男・頼宣、十一男・頼房を祖とする系譜を継ぐ徳川一門を指している。

 要地に配置された徳川御三家は親藩の中でも最高位とされ、諸大名よりも優遇されるだけでなく、将軍家に嗣子が恵まれない場合は御三家が将軍職を引き継ぐこともある特別な家系だった。

 1960年代には歌謡界で先駆けとして活躍した橋幸夫さん、舟木一夫さん、西郷輝彦さんが昭和歌謡の「御三家」と呼ばれるように。その後、この3人を追うようにして70年代には当時、若者たちから人気を博した郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さんの同級生3人が「新・御三家」として世間に認識された。

 ただし現在、ネット上では「御三家」と聞くとゲームの『ポケットモンスター』を連想する人が多いのではないだろうか。ポケモンシリーズではゲーム開始時、プレイヤーが旅のパートナーとなるポケモンを選ぶ。その際、選択できるのがほのお・くさ・みずの3タイプ3匹のポケモンたち。その3体を同ゲーム上の「御三家」として扱っているのだ。

 『ポケモン』人気もあって「ポケモン御三家」はすっかり浸透しているが、「御三家」という言葉そのものは長い歴史を持つ。その時代や業界を席巻するトップ3を指す言葉として江戸時代から令和の現在に至るまで脈々と使われる古のミームと呼べるかもしれない。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
徳川家から昭和歌謡界やポケモンにまで広がる「御三家」(画像はイメージ)