コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、栗山千明が主演を務め、”お酒”をテーマにした新感覚のグルメドラマとして話題を集める「晩酌の流儀」のコミカライズ作品をピックアップ。

【漫画】しめさばカルパッチョに豚タン、台湾まぜそば…お酒に合う最強の仲間たちに舌鼓

ドラマ「晩酌の流儀」は、テレビ東京系にて2022年7月クールにシーズン1、そして現在シーズン2(「晩酌の流儀2」毎週金曜深夜24:52~)が絶賛放送中。主人公の伊澤美幸を演じる栗山千明の見事な”飲みっぷり”と、その晩酌のアテとして登場するさまざまな料理は、まさに”飯テロ&酒テロ”ドラマ”として大きな反響を呼んでいる。そのシーズン1の全8話を全てコミカライズ化した『晩酌の流儀』(電子書籍)が7/7にリリースされた。ヒロインの美幸や同僚たち、スーパーの牛場さんなどの魅力的な登場キャラが生き生きと描かれ、作品のもう1つの主役と言える料理とお酒の数々も”今すぐ食べたい!”と思えるほど丁寧に描写されている。この記事では作者の小石川カナリさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

■晩酌を愛しすぎる女性の本気過ぎる日常

不動産会社「ホップハウジング」で営業を担当する伊澤美幸は、しっかりと仕事をこなし社内での評価も非常に高く、順風満帆な日々を送っていた。

そんな彼女には周囲に明かしていない秘密があった…「1日の最後に飲むお酒をどうしたら最高に美味しく飲めるのか」を考え、仕事以外の時間の全てを晩酌のために費やしていたのだった。

ある日のこと、美幸は定時である18時に会社を出ると、サウナに直行し汗を流した。その後、ス―パーに立ち寄り帰宅する。買ってきたしめさばや焼き鳥などにひと手間を加えて、酒の肴に最適な料理へとカスタマイズしていく。そして料理が完成するとキンキンに冷やしたビールを開け、家飲みをスタートさせる……。

そんな美幸のこだわりが詰まった”晩酌の流儀”に、「飯テロ甚だしい」「どれも美味しそう」と反響の声が上がっている。

■「料理の湯気やビールの泡はこだわりポイントです」作者・小石川カナリさんが語る創作の背景とこだわり

――晩酌の流儀」は同名実写ドラマのコミカライズというめずらしい漫画作品になりますが、どのようなきっかけで手掛けることになったのでしょうか。

担当の方から直接「晩酌の流儀」のコミカライズを…とご相談を頂きました。

私自身は食いしん坊なのにグルメ漫画を自分が描くことは想像したことがなかったのですが、ドラマを観てみたらとても美味しそうだし、美幸さんの自分で自分の人生を豊かにする生き様にも共感できたので、これは描かせて頂きたいと思ってお受けしました。

—―「晩酌の流儀」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

基本的にドラマとして放映された内容を漫画化していますが、じつは6話の暗闇ボクシング韓国料理の回には幻のエピソードが追加されていて、葵ちゃんの乙女心に寄り添った漫画らしい表現ができたかなと気に入っているので、そのシーンは特に見てほしいです。

—―ドラマ版ではヒロインの伊澤美幸を栗山千明さんが演じられるなど、実在の俳優さんが演じたキャラクターをコミカライズする上でこだわった点や難しかった点を教えてください。

ドラマの方が先に公開されていたので、私を含めて視聴者のイメージはドラマで既に固まっていると思ったので可能な限りドラマに寄せようと思って描いていました。

表情なんかもドラマを参考にしているのですが、数秒の間にも役者さんは色んな表情をされるので、コマ数の制限のある漫画ではどの瞬間を切り取るか、ドラマをコマ送りのようにして毎回悩みました。この辺のチョイスに若干私の色が出ているかもしれないです。

—―作中には、生姜焼き台湾まぜそば、トマトすき焼きなど食欲をそそる料理が多数登場し、それらを食べるシーンもとても魅力的に描かれていらっしゃいますが、食事シーンでもっとも意識されたことは?

漫画はドラマと違って色がないので、どうにかして美味しそうに見えるようにトーンワーク頑張りました。湯気やビールの泡なんかは特にこだわりポイントです。

グルメ漫画は調理中の音や咀嚼音を強調したものが多いですが、ドラマはそこまで強調された印象がなく、その分たまにクローズアップされる音が特別に感じたのでそこも真似したいなと思っていましたがいかがでしょうか?

一緒に晩酌してる気分になってもらえると嬉しいです。

—―ドラマは現在シーズン2が放送中ですが、小石川先生にとって「晩酌の流儀」のドラマ版、そしてご自身が手掛けられた漫画版のそれぞれの魅力を教えてください。

ドラマは調理の工程や晩酌シーンを一通り見せてもらえるのが、贅沢で羨ましいなと思っていました。

晩酌シーンの美幸さんの気持ちいい飲みっぷり食べっぷりとBGMで高揚感を煽られるのもドラマならではですよね。

毎回本当に美味しそうで、深夜なのにお腹空いた! 食べたい! どうしてくれるの!? と思って観ております。

漫画はP数コマ数の制限でがあるのでつらいところなのですが、その分内容が凝縮されているかなと思います。

凝縮されることでテーマのようなものはわかりやすく強調されているかもしれません。

—―最後に、本作のファンの方やこれから読んでみたいと思っている読者へメッセージをお願いします。

ぜひドラマと漫画と併せてご覧になってほしいです!

シーズン1の好きな場面を再確認したり、ちょっとした違いを楽しんでもらえると嬉しいです。

宜しくお願い致します。

ヒロインの飲みっぷりが見事すぎる『晩酌の流儀』/(C)「晩酌の流儀」製作委員会/小石川カナリ