お笑いコンビ・レインボーのYouTubeチャンネルが登録者数100万人の大台に乗った。YouTubeで本格的に活動を始めたのは2018年で、芸人のなかでも早くからYouTubeに力を入れてきたコンビだ。それから約5年経ったいまも変わることなく、視聴者を楽しませ続ける理由はどこにあるのか。いままでの活動をもとにその魅力を紐解く。

参考:【写真】コント「リモートで告る男」

・外出自粛中に多くの人の癒しになった「リモートコント」

 レインボーの知名度を上げるきっかけになったのが、2020年4月から出すようになったリモートコントのシリーズである。世間はちょうどコロナの猛威にさらされ、慣れない外出自粛に困惑していたころだ。YouTubeの利用者が増加したことも影響し、より多くの人のおすすめにレインボーのコントが表示されるようになったと考察する。おすすめに表示されて最初はなんとなく見始めた、という人も多いのではないだろうか。

 2020年の緊急事態宣言の発令により、会社の会議がオンラインになり、外出できないストレスや寂しさからリモート飲み会が流行し始めた。また、マッチングアプリの普及やリモートでデートをする、といった新しい恋愛のかたちが認識されていたタイミングでもある。そんな世間の流れとも合致して、レインボーリモートコントは共感を呼ぶと同時に、瞬く間に多くの人に届くことになった。

・リアルな設定から飛び出す「そんなわけない」展開のコントを出し続ける

 レインボーならではの特徴といえばやはり奇想天外な設定とそれを再現できる器用さにある。男女の恋愛模様や友達同士のあるあるネタは数多くのYouTuberが発信しているが、レインボーは、声色や表情、間などを操り、完成度の高いコントを生み出してきた。たとえば「ずっとドラえもんな女」、「初任給240万だった娘」など池田が演じる「そんなわけない」女性が登場するコントは、とくに視聴者からの人気が高い。本当に身近にいそうな女性との世間話からヘンテコな状況に引きずり込まれていく展開の読めなさに、おもしろみを感じるのだ。

 また、池田の女装の美しさはたびたび話題に上がるが、近ごろはジャンボたかおが演じる女性役も話題になっている。お姉ちゃんのような包容力と無邪気さで「友達にほしい!」とキャラとしての人気も出ているようだ。また、ジャンボの演じる女性は見た目よりも中身でモテるといった内容が多く、女性の視聴者から「男ウケを学べる教科書」とコメントされるなど、恋愛のヒントとして活用されている側面もありそうだ。

 一貫してコント動画を投稿しながらも、少しずつ変化を重ねるレインボーコントチャンネル。世の中の流れや求められているものを感じとって発信する姿は、まさにサービス精神の塊だ。だからこそきっと「投稿されたらついつい見てしまう」という感覚でファンになった視聴者も多いのではないだろうか。

(文=中野亜沙子)

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