13日、明治安田生命J1リーグ第23節のサンフレッチェ広島vs浦和レッズエディオンスタジアム広島で行われ、広島が2-1で勝利を収めた。

リーグ戦6試合勝ちなしと苦戦しているホームの9位・広島。後半戦最初の試合となった前節は、下位に沈む湘南ベルマーレ戦相手に0-1の敗北を喫してしまった。そんな中での光明はケガで戦列を離れていた満田の復帰。いきなりの先発出場で、5月7日アビスパ福岡戦以来約3カ月ぶりにピッチに立った。

対する4位・浦和はリーグ戦3試合未勝利。前節は2位・横浜F・マリノスとの上位対決をゴールレスドローで終えていた。こちらもケガ明けの明本が先発。1トップにはホセ・カンテが入った。

序盤は浦和が押し込む展開に。5分には、広島のGK大迫のスローが味方とずれてしまい、ボールを拾った伊藤がすかさずシュート。8分には、敵陣中央あたりからの大久保のFKにホセ・カンテがボックス内で反応し、右足のジャンピングボレーで器用に狙っていった。

一方の広島もセットプレーからチャンス。15分、ソティリウがボックス右角付近でFKを獲得すると、キッカーを務めた野津田の左足シュートはわずかにゴール右へ。17分には、満田の右CKに荒木が中央で合わせたが、このヘディングシュートはクロスバーに阻まれた。

一進一退の攻防が続く中、29分に試合の均衡が崩れる。浦和のホイブラーテンが最終ライン左からボックス手前のホセ・カンテにロングボールを供給。うまく前を向いたホセ・カンテがそのまま思い切りよく右足を振り抜くと、ゴール左隅に見事なシュートが決まり、浦和が先制に成功した。

追いかける形となった広島。32分には左ポケットでボールを持ったソティリウがニアハイを狙うも、GK西川が鋭い反応を見せ、セーブ。続くCKの流れから、今度は満田がミドルシュートを放ったが、再び西川が防いでみせた。

その後も広島攻勢の時間が続き、42分には志知のクロスに中野が左足で合わせたが、これはミートしきれず。浦和が1点をリードした状態でハーフタイムを迎えた。

広島は後半頭から選手交代。好パフォーマンスを見せていたものの、復帰したばかりの満田に代えてドウグラス・ヴィエイラを投入。右サイドも中野から越道へと変更した。

ドウグラス・ヴィエイラとソティリウの2トップとした広島は、直後の48分に早速チャンスを迎える。川村の左サイドからのグラウンダーの鋭いクロスにソティリウが合わせたが、これはゴール左へと外れた。

一方の浦和も56分、復帰したばかりの明本に代えて関根をピッチに送り出す。それでも広島がやや押し込む時間が多く、63分には途中出場のドウグラス・ヴィエイラが左ポケットからシュートを狙った。

同点ゴールを狙い続ける広島の姿勢が、69分に実を結ぶ。ハーフウェイライン付近の右でボールを持った塩谷が前線に縦パスを送ると、これに加藤が反応。右ポケットでボールを受けるとフェイントでホイブラーテンをかわし、ゴール右隅へシュート。加藤の移籍後初ゴールが決まり、スコアは1-1の振り出しに戻った。

再び勝ち越したい浦和。75分に興梠や中島、柴戸を投入し、攻勢を強める。対する広島も勝ち点「1」で終わるつもりはなく、77分にソティリウに代えてベン・カリファを投入した。

82分には、同点ゴールをアシストした広島の塩谷が自らゴールを狙う。右ハーフスペースでパスを受けるとそのまま駆け上がり、ゴール左へ強烈なシュート。これは再三好セーブを見せるGK西川に防がれた。

浦和も負けじと勝ち越し点を狙う。88分、センターバックのショルツが右サイドを駆け上がると、グラウンダーのクロスが塩谷に当たってゴールの方向へ。すぐに追いかけた塩谷がギリギリでクリアした。

激しい戦いが繰り広げられた今回の一戦は、引き分けに終わるかと思われた中、後半アディショナルタイムにドラマが待っていた。

アディショナルタイム3分、ピッチ中央左の川村から右ハーフスペースでフリーとなっていたベン・カリファにパスが通ると、そのまま前へ。右足を振り抜くとシュートがゴール右上に突き刺さり、広島が逆転に成功した。

ベンカリファの劇的逆転弾で勝ちきった広島はホームでリーグ戦7試合ぶりの白星をゲット。対する浦和は4試合連続未勝利となった。

サンフレッチェ広島 2-1 浦和レッズ
【広島】
加藤陸次樹(後24)
ナッシム・ベン・カリファ(後45+3)
【浦和】
ホセカンテ(前29)