2023年8月12日(土)こくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて『呪怨 THE LIVE』が開幕。オフィシャルレポートならびに舞台写真が到着した。


8月12日(土)~20日(日)、こくみん共済coopホール/スペース・ゼロで開幕する『呪怨 THE LIVE』の公開ゲネプロが行われた。本作品は2000年に発売された『呪怨』『呪怨2』ビデオ版を原作とした、ステージを360°の客席で取り囲む体感型ホラーショーで、お盆真っ只中に行われる、身も心も凍り付く、真夏にふさわしい恐怖のライブエンターテインメントと謳われている。

劇場客席に入ると、とにかく360°客席が近い中央ステージの上に聳え立つ美術セットが観客を待ち受ける。現実とホラー、佐伯家と小林家、キャストと観客…様々なモノが共存する、圧巻の空間。さらに会場一面には黒幕が施れ、会場全体で“ホラー”を体現している。

開演が近づくと、注意事項のアナウンス。一般的な舞台の観劇上の注意かと思いきや…開演前にも関わらず、様々な仕掛けで観客に恐怖を煽りに煽って、異様な雰囲気の中でいよいよ開演。開演すると、体感型ホラーショーと謳うに相応しい、確かなJホラーの恐怖がそこにはあった。

「呪怨」の象徴的存在として世界的人気を誇る伽椰子・俊雄のビジュアルクオリティはもちろん、清水崇監督が描いた「呪怨」シリーズへのリスペクトと舞台ならではの構成が入り混じり、登場人物はもちろん、終盤に向かうにつれていよいよ観客ごと窮地に立たされていく。各所の恐怖演出で観客の悲鳴が響き渡る舞台はこれまでに類を見ないのではないだろうか。

さらに特筆すべきは、ただただ怖いミステリアスな要素だけではなく、確かな実力を持つキャスト陣による演劇がそこにはあった。血の通った普通の日常と、人間が持つ醜悪さ、嫉妬心、狂気や怨念が見事に対比。

そしてビデオ版よろしく様々な年代が交錯するオムニバス構成を、映像では2元中継でもなければ表現できない舞台ならではの同時進行で物語は進んでいく。

小松準弥・大場美奈が演じる幸せな日常を送る小林夫婦と、残虐な結末を迎えたいしだ壱成と佐々木心音が演じる佐伯夫婦。ホラーの中でどこか安心感を与えるあっけらかんとした性格の鈴木達也をあべこうじが見事に演じ、対比するように霊感の強い響子を原幹恵が好演。事件を追う刑事の二人を演じた野添義弘と荒木健太朗は、唯一年代を経て登場する。

ステージ構造としても、中央ステージに組まれた舞台セットが回転しながら大画面で映し出されるプロジェクションマッピングと照明とのテクニカル技術と見事に融合。

まさに舞台公演の概念を覆す、これまでに類を見ない挑戦的な“体感型ライブエンターテインメント”となっている。
公演は8月12日(土)~20日(日)、こくみん共済coopホール/スペース・ゼロで上演。

チケット料金はS日程とA日程の2パターン、一般席はエリア「呪」「怨」に、ホラーが苦手な人向けの「逃」の三種類から選択可能(※最凶シートは完売)。是非、今年のお盆は真夏の体感型ホラーエンターテインメントに足を運んではいかがだろうか。

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●小林俊介役・小松準弥 コメント

とんでもない「呪怨 THE LIVE」が完成しました。舞台装置と空間、照明、衣装やヘアメイクなど、全てからおぞましい空気感と恐 怖の圧を感じ、本番が楽しみだとキャスト陣の興奮がおさまりませんでした。きっと観劇してくださる皆さんにも劇場に入っただけで世界観を楽しんでいただけると思いますし、様々な仕掛けや演出がより一層皆さんを呪怨の世界に引きずり込むと思います。残すはカンパニー一丸となって演出の田邊さんを信じ抜き、板の上に全ての想いを乗せるのみ。呪怨の原作を大切に、そして舞台だからこそできる表現で、呪怨やジャパニーズホラーの魅力を広げられるよう尽力し、楽しみにしてくださる皆さんに大切にお届けしたいと思います。
この夏一番熱く、そしてひんやりする瞬間をぜひお楽しみに!

●小林真奈美役・大場美奈 コメント

この作品出演のお話をいただいた時にホラーと舞台の組み合わせがどんな風になるのか、想像できないから面白そう、と思っていたことがついに幕を開く時がきました。
誰もが知ってるほど有名な「呪怨」という作品。原作が怖いということは周知なので舞台も怖いと思う方がほとんどだと思います。もちろん怖いです、怖さはあります!
ですが、これは声を大にして伝えたい。
決して怖さだけではなく、物語としてしっかり観ることができます。
どうして呪いが生まれて、始まったのか。しっかりストーリーが描かれた舞台になってます。
"呪怨、怖い”というイメージだけが広がっているかもしれませんが、物語にぜひ浸って楽しんで頂けたら嬉しいです。カンパニー一同、劇場で皆さんをお待ちしてます!

●鈴木達也役・あべこうじ コメント

まず最初に思ったことは「伽椰子と俊雄が出てきて次々にヤられて皆んなをこわがらせるんでしょ?」と、正直なところ単純にホラーという枠でみていた自分がいたのですが、稽古が進む につれてその考えが変わりました。
登場人物それぞれが普通と狂気を持っていて、それが背中合わせになっていて「自分は普通だ」と、誰しもが正面をきって立っている事の違和感がそこにあって、 「 もしかしたら誰しもが 狂気 なんじゃないか? 」 と思う自分が今いるのです。なので、ホラー作品ですが、登場人物の違和感を楽しんでいただけたら、この作品が面白く感じていただけると思います。
普通だと思ってるヤツが1番怖いっす 。

●鈴木響子役・原 幹恵 コメント

いよいよ明日から公演が始まります!
舞台版「呪怨 THE LIVE」が皆さんの心、そして脳裏にどのように届くのかとても楽しみです。
劇場に入ってステージを目にして、今までに観たことのないステージの作り、客席との距離感に「これは近すぎるーー!!!」と、ビックリしました。
音響、照明も合わさり体感 型エンターテイメントという言葉がピッタリの作品に仕上がりました。お客様には呪怨の世界感に入り込んでもらい、是非ともこの呪いの目撃者になって いただ きたいと思います。
今回4シートに分かれてますが、どの席で観るかでまた違った発見があるかと思います。
カンパニーの雰囲気は作品の内容とは打って変わって明るく、とても良い雰囲気で本番を迎えられることに感謝
しております。
全14公演、伽椰子の呪いが降りかかることなく無事に完走できることを心から願っています。

●佐伯剛雄役・いしだ壱成 コメント

日本ホラー映画の金字塔とも呼べる『呪怨』シリーズがいよいよ満を持して舞台化されました。
ホラー映画の舞台化は難しい』という概念を根底から覆す今回の作品は、観客を特殊な演出で巻き込んでいく
『体感型ライブショー』になります。
ステージのみならず客席を貫く通路や劇場のあちらこちらで同時進行していくお芝居は、開始10分も満たないうちに観客に膨大な情報 を与えていき、大きくてどろどろとした漆黒の渦のなかへと見る者を誘います。 しかも、中央に立つセットは演出によって360度、回転します。 円形セットを取り囲むすべての観客に余す所なく、全ての芝居を目撃してもらおうという挑戦です。
この日本演劇界に一石を投じるような作品の、全キャスト及びスタッフを含む大きな大きな挑戦の目撃者となられる皆さまにおかれましては、どうぞごゆっくりとこの新しい体感型ホラーライブショーをご堪能いただけましたら心から有り難く存じます。 そして、本作品が少しでも皆さまの背筋にひんやりとした怖気をお届け出来ましたら嬉しく思います。
胸いっぱいの感謝を込めて。