赤信号+矢印信号が点灯したあとに「2回目の黄信号」が点灯する信号機パターンがよく見られます。この時に交差点を突っ切ってもいいのでしょうか。

そもそも黄信号の意味とは

道路の信号機でいわゆる右折用などの「矢印信号」が運用されている場合、赤信号になって「矢印信号」がしばらく点灯した後、いったん黄信号に戻って改めて赤信号となるパターンがあります。

この「いったん黄信号に戻った瞬間」に、直進待ちのクルマが「お、赤じゃなくなったぞ」と再発進して交差点を通り抜けたり、この瞬間があることを分かっていて、停止せずにそのまま交差点を突っ切ることは可能なのでしょうか。

道路交通法の「施行令」第2条第1項には、それぞれの信号灯火の意味について明記されています。その中で、「黄色の灯火」の意味は以下のとおりです。

【車両及び路面電車(中略)は、停止位置を越えて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く】

これを解釈すると、最初の赤信号(その後、矢印信号点灯)の時にいったん停止して、2回目の黄信号の時に再発進する行為は認められません。明確に法規違反となります。

では、「2回目の黄色」の灯火が表示された瞬間に停止線付近に差しかかり、先述の但し書きを適用する形で「安全に止まれそうになかったんです!」として停止線を越えて直進していくのは許されるのでしょうか。

神奈川県の警察OBは「その理屈は通用しません。そもそも2回目の黄信号が点灯する瞬間に停止線に差し掛かっているということは、それまでは赤信号が点灯していたということ。その時点で直進車は、確実に停止できる措置をあらかじめ講じる必要があったはずです」と話します。

ただし、例えば右折矢印信号が点灯していて、右折しようと停止線に差し掛かったところで矢印信号の点灯が終わり、黄信号になった場合は、第2条第1項に既定のただし書きに該当すると判断されることもあるといいます。しかし、右折以外の方向については“確実に停止できる措置をあらかじめ講じる必要があった”となるわけです。

いずれにしても、信号機は既定の十分な距離から視認できるよう設計されています。「間に合わないな」と感じた瞬間で、「なんとか間に合うかも…」と考えるよりも、停まって信号を待とうと考えられる心の余裕をもって運転に臨みたいものです。

矢印信号のあとに、ふたたび黄信号に戻ることが多い(画像:写真AC)。