詳細画像はこちら

VWの主力ハッチに大幅改良

フォルクスワーゲンは2024年、ゴルフの誕生50周年を記念して現行世代のマイナーチェンジモデルを発表予定だが、同ブランドのトーマス・シェーファー最高経営責任者(CEO)は、これがゴルフの最後の内燃エンジンバージョンになる可能性を示唆した。

【画像】人気のスポーティモデルも電動化?【フォルクスワーゲン・ゴルフGTI/GTE/Rを写真で見る】 全55枚

「Mk8.5(8.5世代)」とも言える改良新型ゴルフは、スタイリングの刷新、ハイブリッド・パワートレインの改良、大型ディスプレイと車載機能のアップグレード、インテリアデザインの見直しなどを実施し、来年後半に発売される予定である。

詳細画像はこちら
8代目フォルクスワーゲン・ゴルフに大幅改良が施される。(画像はテスト走行中のプロトタイプ)    AUTOCAR

フォルクスワーゲンは、ゴルフの一部モデルでマニュアル・トランスミッション(MT)を廃止してデュアルクラッチ式オート・トランスミッション(DSG)を標準装備とし、車両平均CO2排出量のさらなる削減に取り組む意向だ。

PHEVがアップグレード

プラグインハイブリッドPHEV)のパワートレインにも大きな変更が加えられる。ゴルフeハイブリッドおよびゴルフGTEは、現行の「EA211」1.4L 4気筒エンジンに代わり、「EA211 Evo」1.5L 4気筒ターボエンジンを採用する見込み。

AUTOCARの情報筋によると、新世代の電気モーターと最新のエレクトロニクス・パッケージとの組み合わせにより、eハイブリッドの合計出力は11ps向上して215psとなり、GTEでは15ps向上して260psとなる。また、より大容量のバッテリーを搭載することで、EVモード(電気走行)のWLTP航続距離は100km以上になるという。

詳細画像はこちら
PHEVはエンジンやモーターを変更し、全体的な性能向上を図る。    AUTOCAR

新しい先進技術

フォルクスワーゲンブラウンシュヴァイク研究開発センターの関係者は、ゴルフのインフォテインメント・システムの動作速度を加速させることを目指していると述べた。2021年後半にオリジナルのクアルコム製半導体からサムスン製ユニットに置き換えたことは、劇的な技術刷新の「第一歩に過ぎない」と言われている。

改良後のゴルフに搭載予定の新しい運転支援システムには、自動運転機能を備えた最新のパーク・アシスタントが含まれる。これは、スマートフォンから遠隔操作で車両を駐車スペースに誘導するもので、直進だけでなく、ある程度のステアリング入力も可能。また、トレーニング・パーク・アシスト機能の追加により、最大50mまでの駐車操作をダウンロードすることができ、ゴルフが自動的に駐車できるようになる。

詳細画像はこちら
運転支援システムに新たな機能が追加される。    AUTOCAR

インテリアの使い勝手、質感向上へ

フォルクスワーゲンは、現行世代のゴルフのインテリアデザインに対する顧客フィードバックに応え、制御システムと内装材を刷新する。

新しい10.4インチのメーターディスプレイと12.9インチのセンターインフォテインメント・スクリーンが搭載され、クライメートコントロール(空調)の「スライダー」は夜間に点灯するようになった。インフォテインメント・システムのデジタルメニューも簡素化され、アイコンが大きくなるなど使い勝手の向上が図られる。

詳細画像はこちら
指摘の多かった車載システムの使い勝手や内装の質感にメスが入る。    AUTOCAR

さらに、ステアリングホイールにも変更が加えられ、現在の静電容量式コントロールに代わって従来の物理ボタンが採用される。センターコンソールとドアトリムも刷新され、フォルクスワーゲンが「Atrilur」と呼ぶ、アルカンターラに似たリサイクル素材が採用される見込み。

刷新されるエンジンラインナップ

フォルクスワーゲンは、ゴルフを厳しい排出ガス規制に適合させるため、マイルドハイブリッドへのシフトを計画している。既存の「EA211」1.0L 3気筒と「EA211 Evo」1.5L 4気筒は同様の出力を維持する見込みで、前者は109ps、後者は130psまたは150psを発揮する。マイルドハイブリッドのeTSIモデルには、加速性能と燃費を向上させる電気パワーが追加される。

2.0L 4気筒ガソリン(eTSI)およびディーゼル(eTDI)も、新しいマイルドハイブリッドアシストを受ける。AUTOCARの情報筋によると、GTIとRに採用されている「EA888」4気筒ガソリンと、GTDに搭載される「EA288」2.0L 4気筒ディーゼルも同様だという。

詳細画像はこちら
ゴルフGTIやゴルフRもハイブリッド化し、排出ガス規制に対応する見込み。    AUTOCAR

■PHEVの記事
何が変わる? 改良新型フォルクスワーゲン・ゴルフ MT廃止、GTIもハイブリッド化
2022年世界販売台数ランキング トップ30 ベストセラーに日本車続々、ライバル追撃も
C 63にV8エンジン復活? メルセデスAMG、販売不振が背景と独メディア 4.0Lツインターボの可能性
アルファ・ロメオ・トナーレ 新型PHEVモデル発売 特別限定車150台も

何が変わる? 改良新型フォルクスワーゲン・ゴルフ MT廃止、GTIもハイブリッド化