福原遥深田恭子がW主演を務める火曜ドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)。同作は、夢に向かって歩きはじめた18歳の妊婦・仲川有栖(福原)と、恋を後回しにしてきたアートスペシャリスト・成瀬瞳子(深田)の二人の女性が年の差を超えたシスターフッド(=女性の絆)を築き、それぞれ訳あり男子と恋に落ちるラブストーリーだ。

【写真】赤ちゃんのかわいさにメロメロな深田恭子、鈴鹿央士ら

WEBザテレビジョンは、同作でプロデューサーを務める韓哲氏、荒木沙耶氏、内川祐紀氏にインタビューを実施。福原と深田をはじめとしたキャスト陣の印象や撮影の裏話、SNSで「胸に響いた…」と話題になった第3話の有栖(福原)と市郎(安田顕)の撮影について話を聞いた。

■有栖の年齢を18歳にした理由

――改めて、この作品を作ることになった経緯を教えてください。

年の差がある二人の女性を主人公にした物語を作りたいと考えていたときに、ちょうど18歳が成人年齢になったことと、「女性活躍」「少子化問題」などに関連して女性の生き方の変化をめぐる議論が高まっていることがきっかけでした。こうした社会の変化の中で生きる個人個人にとってより希望ある世界に向かっているのか、そういったことを考えているうちにドラマの骨格がかたまっていきました。突然2年早く成人になったことで、大人か子どもかとても難しい年齢になった18歳は、法律上は大人だけれども都合よく子ども扱いされ、時には責任ある大人扱いされ、まさに翻弄されている年齢だと思います。その18歳の主人公が予期せぬ妊娠をすることになるという物語を描いてみたいと思い、有栖を18歳にしました。

私がこの仕事を始めた頃は、ドラマの現場は圧倒的に男性が多かったのですが、それから20年くらい経って、見渡してみると女性がとても多いです。それはとても良いことだと思うのですが、そうした変化に制度や環境が追いついているとは到底言えません。20、30年前に比べてはたして個人が生きやすくなっていると言えるのだろうかと。そして、瞳子と同じ悩みを持つ方も多いのではと。

ドラマには社会課題を解決するような大きな力はありません。ですが、物語の登場人物を通して、変化する社会の中で生きて葛藤する個人の姿をリアリティを持って描くことができます。見ていただくことで当事者じゃなくても自分事として想像して、状況を好転させる話しをするきっかけを作れる。僭越ですがそんなことも考えながら、有栖と瞳子の物語を組み立てていきました。

――第5話で有栖が出産したことがSNS上で話題になりましたが、今後の見どころはどんなところでしょうか。

企画当初から、脚本の龍居由佳里さんとは「出産前だけではなくて、子育てはずっと続いていくので出産後の物語もしっかり描きたい」というお話をしていました。子どもが生まれてからの方がいろんなことが起きるので、そういった部分を楽しみに見ていただけたらと思います。また、火曜ドラマの見どころの一つでもあるラブストーリーも盛り上がっていきますので、有栖と祐馬(鈴鹿央士)、瞳子と加瀬(上杉柊平)、さらには康介(八木勇征)、綾香(嵐莉菜)、6話から登場する透子(北香那)も含めてどんな恋模様が進展していくのか楽しみしていただけたらなと思います。

福原遥深田恭子の起用理由&現場での印象は…

――改めて、福原さん、深田さんのキャスティング理由を教えてください。

福原さんが出演されていたドラマやドキュメンタリーを見ていて、お芝居がうまいのはもちろんですが、それ以上に、とても誠実なお芝居をされる方だなと思っていました。今回の有栖という役は、とても難しい役だったので、福原さんの誠実さと真摯さが、有栖の信念の強さに重なり、彼女なら説得力を持って演じてもらえると確信してオファーさせていただきました

ドラマ界を代表する深田さんが、瞳子という年齢もキャリアも重なる部分がある役を引き受けてくださったらこれ以上のキャスティングはないと思いお声がけさせていただきました

今作は女性のキャリア、妊娠、出産などをテーマにしていて、ともすればテレビドラマとしては重い内容と受け取られるところを、深田さんに演じていただくことでいい意味で柔らかく見やすくなると思ったのも理由のひとつです。

――お二人の現場での印象はいかがですか。

福原さんも深田さんも撮影の合間はいつも笑顔で、共演者にもスタッフにも自分から話しかけていて、そういう気遣いできるところがさすがだなと思います。お二人ともせりふ量も多くて大変なのですが、そうしたことを感じさせないで、積極的に声をかけている姿を見ると改めてすてきな方だなと感じます。

■鈴鹿さんがどんな祐馬を演じるのか見てみたかった

――そんな福原さんと深田さんが演じる有栖と瞳子を取り巻く男性キャストについても伺いたいのですが、まずは鈴鹿央士さんの起用理由を教えてください。

鈴鹿さんは、以前お仕事でご一緒したことがあって、現場での立ち振る舞いも含めてジェントルで素敵な青年だと思っていました。鈴鹿さんが演じる祐馬は、少しチャラい印象もある今時の大学生という役柄なので、これまでの鈴鹿さんのイメージとは一見真逆の役だなと感じた方も多いと思います。作り手としてはだからこそ彼がどんな祐馬を演じるのか見てみたかったんです。鈴鹿さんに相談したときに、「自分の中で新しい挑戦になりそうな役です」と言ってくださってうれしかったです。

■加瀬の立ち位置や役柄をしっかり捉えてアプローチしてくれている

――瞳子の恋の相手・加瀬を演じる上杉柊平さんはいかがでしょうか。

鈴鹿さんの祐馬とは対照的に、上杉さんは、ビジュアルも気配ももう加瀬そのもののイメージだなと思いお願いしました。今までご一緒したことはなかったのですが、音楽活動を通じた独自の表現力や魅力を持っている方だなと感じて、そうしたミステリアスで独特の雰囲気も加瀬に合っていると思いました。また、上杉さんは恋愛ドラマの相手役を演じるのは初めてで、深田さんとも初共演で、視聴者の方に瞳子とのラブストーリーを新鮮に楽しんでいただけるんじゃないかとも思いました。

――ヒロインとの相手役を演じるのが初めてということで、上杉さんと役について話し合ったことはありますでしょうか。

脚本の最初の方では加瀬はミステリアスな部分が多く、役作りが難しかったと思います。初めて役をどう捉えているかというお話をしたときに、上杉さんが「瞳子の気持ちをしっかり受けとめて加瀬に恋してもらうこと、それができるかどうかが自分の役割だと思っています」というようなことを話してくれて。その言葉を聞いたときに、加瀬の立ち位置や役柄をしっかり捉えてアプローチしてくれているなと思いました。加瀬というキャラクターを崩さず、瞳子さんに素直に気持ちを伝えるストレートなお芝居がとてもすてきで、魅力的に演じてくれているなと思っています。

■八木勇征は「すごく考えて演じてくださっている」

――有栖の子供のお父さんでもある、康介を演じる八木さんの起用理由も気になります。

これまで何度かFANTASTICSのライブを観させていただいたのですが、ライブでの八木さんがすごく輝いていると感じて、前々からいつかご一緒したいなと思っていたんです。康介は、妊娠した有栖の前から姿を消してしまうとてもひどいことをしてしまった役なのですが、八木さんが演じることで、有栖が過去に康介に惹かれた理由が、シーンをそこまで重ねなくても理解してもらえる説得力があると思いました。そして八木さんだったら、この先の康介がどうなるのか、期待を抱かせてくれる演技をしてもらえると確信してオファーさせていただきました

――八木さんは、康介という役についてどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

康介を演じるのはとても難しいと思いますが、ご本人は康介を客観的に捉えてくれているように思います。現状、康介はひどいことをしただけの人物ですが、もちろん違う一面があるという設定を意識して演じてくれています。また、八木さんは「康介が有栖から離れて、再び戻ってくるまでの間にどこで何をしていて、どう思っていたかというところを皆さんに気になってもらってほしくて1話から3話の康介を演じていた」ともおっしゃっていて。すごく考えて演じてくださっているのだなと思いました。

福原遥×安田顕の撮影シーンに感銘

――毎回、有栖の父・市郎を演じる安田さんのお芝居も話題になっていますが、安田さんの起用理由も教えていただけますか。

今作で市郎はキーパーソンなので、何としてもこの役を演じていただきたかったんです。安田さんしか思いつかなかったですし、脚本の龍居さんも、キャスティングが決まる前から安田さんのイメージで本を書かれていました。市郎は安田さんと同じ年齢で、安田さんご自身もお嬢さんがいらして、ご自身と重なるようなストレートな芝居をしてくださったら、安田さんにしかできない最高で唯一無二の市郎さんを演じてくれることは間違いないと思っていたので、引き受けてくださったときは本当にうれしかったです。

――有栖が妊娠していることを市郎に打ち明けるシーン(第3話)は、お二人のお芝居に胸を打たれました。実際にそのシーンを撮影されてみていかがでしたか。

このシーンは時間をかけて撮ったのですが、同シーンに懸けるお二人の気持ちがすごく強くて、福原さんがこのカットで全ての力を出し切れるように安田さんが色々発言されていたのは印象的でした。通常、撮り方について俳優さんが意見を言うことは少ないのですが、安田さんは監督に「こうやったらいんじゃないか」と提言されていて、いろいろと考えてくださってとてもありがたかったです。福原さんも、このシーンを後悔なく演じきりたいと仰っていて、お二人の熱量の高いお芝居が、視聴者の方の心にも響いたのだと思います。

■浦井のりひろは「高嶋政宏さんの心をつかんでいます」

――今作は男性ブランコの浦井のりひろさんのレギュラー出演も話題になっていますが、浦井さんを起用した理由は何でしょうか。

寺田は、浦井さんの実年齢よりかなり上で、深田さんの上司役という設定です。浦井さんはどこの会社にも居そうな雰囲気があるので、今回の役に馴染むだろうなと思いました。また、ご本人は本当に謙虚で腰が低くて優しい方なのですが、目の奥に影がありそうなところが、寺田のちょっと意地悪そうな雰囲気に合うかなと感じたので、浦井さんに演じていただきたかったんです!

――現場での浦井さんの印象を教えてください。

今もまだ緊張はされているのですが、最初はとても緊張されていました。でも、共演シーンが多い高嶋政宏さんが浦井さんに話しかけていらして、少しずつ緊張が和らいだ印象があります。浦井さんは、高嶋さんの心をつかんでいて、撮影初日あたりから、高嶋さんと浦井さんお二人でずっと芝居の相談をしていました。高嶋さんが浦井さんに色々アイデアを出していて、現場ではお二人のコンビネーションが当たり前の光景になっています。

――最後に、後半に向けて注目してほしいキャラクターを教えてください。

後半にラブストーリーが盛り上がっていきますが、同時に家族の物語の要素も大事にしています。有栖と市郎、瞳子と貴美子(片平なぎさ)、祐馬と黒澤(高嶋)、康介の両親、それぞれの家族の姿にも注目していただけたらと思います。恋愛の部分では、瞳子さんにとって恋のライバルになるような存在である透子が後半から登場しますので、彼女の存在が瞳子の恋をどう動かしていくのか、そちらにも注目してご覧いただければと思います!

※高嶋政宏の高は「はしご高」が正式表記

福原遥“有栖”と安田顕“市郎”「18/40~ふたりなら夢も恋も~」より/(C)TBS