ラ・リーガ第1節が14日に行われ、アトレティコ・マドリードとグラナダが対戦した。

 ディエゴ・シメオネ監督体制13年目のシーズンの幕が上がる。昨季のアトレティコ・マドリードは早々に優勝争いから脱落したものの、年明けからは一時6連勝を飾るなど上昇気流に乗り、最終的には“2強”に次ぐ3位でフィニッシュ。今季は3シーズンぶりのラ・リーガ制覇を目指したい。開幕戦で相見えるグラナダは昨季のラ・リーガ2部で優勝を果たし、1年での1部復帰が決定。昇格1年目の今季、まずは残留を確定させた上で、クラブ史上初のヨーロッパリーグ出場権を獲得した2019-20シーズンのように“台風の目”となれるか否かに注目だ。

 アトレティコ・マドリードは夏のマーケットで新加入したセサル・アスピリクエタが早速先発に入り、ハビ・ガランとチャグラル・ソユンクはベンチスタートに。昨季までの主力であるアントワーヌ・グリーズマンロドリゴ・デ・パウル、コケもスタートからプレーする。一方、グラナダはヘスス・バジェホやホセ・カジェホンらがスタメンに並んだ。

 試合は立ち上がりの5分、ホームチームがチャンスを作る。自陣右サイドからアスピリクエタがボールを持ち運ぶと、大外に開いたマルコス・ジョレンテを経由してデ・パウルのスルーパスが炸裂。ペナルティエリア右に抜け出したグリーズマンが中央へ折り返すと、最後はアルバロ・モラタが合わせたが、シュートはGKアンドレ・フェレイラに阻まれた。

 その直後、アトレティコ・マドリードアクシデントに見舞われる。足を痛めたコケがピッチに座り込んでしまい、プレー続行が不可能に。パブロバリオスとの交代でピッチを後にした。

 その後はグラナダがボールを握る時間もありながら、アトレティコ・マドリードは組織的な守備と鋭いカウンターで攻撃に出る。それでもなかなか決定機の数は増えず、このまま前半終了かと思われた前半アディショナルタイム、試合が動く。右コーナーキックのこぼれ球を拾うと、右サイドに開いたデ・パウルがマイナス方向へ落とし、アスピリクエタがアーリークロスを供給。相手に当たってこぼれたボールをモラタが見逃さず、右足で冷静にゴールネットを揺らした。

 先制に成功した直後、アトレティコ・マドリードが見事な見事なコンビネーション攻撃を披露。ペナルティエリア手前でグリーズマンからのパスを受けたヤニック・カラスコダイレクトで浮き球のボールを入れると、頭での折り返しをモラタが沈めた。しかし、ここはオフサイドのため得点は認められず、アトレティコ・マドリードの1点リードで前半は終了している。

 後半に入ると、立ち上がりの47分にグラナダはシンプルなサイド攻撃からチャンスを作る。左サイド開いた位置でボールを持ったカルロス・ネバが左足でセンタリングを蹴り込むと、中央で待っていたサム・オモロディオンがヘディングシュート。ジャストミートした一撃はGKヤン・オブラクに阻まれた。

 勢いに乗るグラナダは62分、敵陣右サイド高い位置でゴンサロ・ビジャールがカラスコからボールを奪う。ペナルティエリア右からグラウンダーのボールを流し入れると、中央へ走り込んだオモロディオンがダイレクトでねじ込んだ。この日がラ・リーガデビューとなった19歳が大仕事をやってのけ、グラナダが試合を振り出しに戻している。

 それでも、ホームチームは直後のプレーカラスコが左サイドを破ってチャンスを作る。続く67分にはソユンクのボール奪取から再び攻撃へ。左サイド開いた位置でボールを持ったカラスコが横へ繋ぐと、ペナルティエリア手前で前を向いたメンフィス・デパイが右足一閃。ややアウト回転のかかった目の覚めるような一撃を突き刺し、アトレティコ・マドリードが勝ち越しに成功した。

 後半アディショナルタイムには敵陣右サイドからアンヘル・コレアが強引に仕掛けると、ボックス内でこぼれ球に反応したマルコス・ジョレンテが左足で流し込み、試合を決める追加点を記録。試合はこのままタイムアップを迎えた。アトレティコ・マドリードが昇格組グラナダとの試合を白星で飾り、昨季から数えて本拠地『シビタス・メトロポリターノ』でのラ・リーガ10連勝を記録している。

 次節、アトレティコ・マドリードは20日に敵地でベティスと、グラナダは21日にホームでラージョ・バジェカーノと、それぞれ対戦する。

【スコア】
アトレティコ・マドリード 3-1 グラナダ

【得点者】
1-0 45+4分 アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード
1-1 62分 サム・オモロディオン(グラナダ)
2-1 67分 メンフィス・デパイ(アトレティコ・マドリード
3-1 90+8分 マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード

メンフィスの一撃でアトレティコが白星発進 [写真]=Getty Images