話題の「山梨空港」もリニアの新駅整備が前提です。

新幹線駅と高速道路の「スマートIC」が直結

山梨県は2023年8月、リニア山梨県駅周辺の「まちづくり基本方針(案)」を策定しました。この駅は、新幹線駅と高速道路の「スマートIC」が直結するという非常に珍しい形で計画されています。駅周辺はどのように整備されるのでしょうか。

リニア山梨県駅は、JR甲府駅から南に約7kmほど離れた場所に建設される予定で、リニア中央新幹線の単独駅となります。最寄り駅はJR身延線の小井川駅ですが、そこからも約3kmほど離れています。これらの駅とはシャトルバスで結ぶことが想定されています。

駅はホームが2つある高架駅とすることが想定されており、改札は2階部分に設けられます。南北を結ぶ連絡通路が1階と2階部分に整備され、2階部分は災害時の最大進水想定ラインより上に整備して垂直避難を可能にする方針です。

駅北側には「交通広場」や中央自動車道の「(仮称)甲府中央スマートIC」、駐車場を配置。駅南側エリアは賑わいを創出する「民間活用ゾーン」と「公的活用ゾーン」に分け、今後開発に向けた検討が進められる予定です。また、駅を南北に縦断する市道大津南北2号線の拡幅や県道化も計画されています。今後、県は10月まで「まちづくり方針案」に対する意見を募集した後、2024年度に基盤整備方針を策定する予定です。

山梨県は、県内に空港を設置する可能性についても調査に乗り出しています。新空港はリニア新駅と接続可能な位置に整備することが前提で、羽田空港の補完的機能を果たすことが想定されています。今後は空港の規模や就航機材、リニア新駅へアクセス方法を含め、各条件を網羅して可能性を探る方針。年度末に報告書がまとまる見込みです。

超電導リニアの改良型試験車(画像:JR東海)。