Kawaguchi Yurina(川口ゆりな

 アーティスト・モデル・俳優として活動しているKawaguchi Yurina(川口ゆりな)が、7月26日に4th digital single 「C.O.S.M.I.C Love」をリリース。日中韓ガールズグループのオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』で世界中の注目を集め、帰国後の2022年3月にソロアーティストとしてデビュー。「Look At Me」「Cherish」と立て続けにシングルを発表。2023年に入りお笑いコンビ・ガンバレルーヤとのコラボユニット"Kawaguchi Yurina×ガンバレルーヤ"での活動も話題となった。今作「C.O.S.M.I.C Love」は、川口本人も出演している『折りたたみスマートフォン-「Galaxy Z Flip4」-』Web CMの挿入歌として流れている。インタビューでは、「Look At Me(Korean ver.)」から、1年ぶりの韓国語詞での歌唱となったレトロポップな「C.O.S.M.I.C Love」の制作背景から、スマートフォンを使用するにあたっての自身の考え方まで、話を聞いた。

いろんな方法で私の表現を届けていけたら

「C.O.S.M.I.C Love」ジャケ写

――上半期を振り返るとどのような半年間でしたか。

 いろいろなジャンルの私を見せられた時期だったと思います。アーティストとしても「Cheeky Cheeky」、「花束」の2曲をリリースさせていただきましたし、モデルとしてはコレクションや、さまざまなブランドさんのカタログだったり、韓国から帰国して初めてのお芝居も参加しました。すごくいろんなことに挑戦できた上半期だったと思います。

――お芝居は昔から興味が?

 事務所に所属した時は、芸能界での夢みたいなものは特になかったのですが、お芝居のレッスンをして、その時に演じるって楽しいなと思い、最初にできた夢がお芝居でした。それが高校1年生頃なのですが、韓国に行くまではお芝居に関することをやらせてもらっていたので、帰国してからもお芝居をやりたい気持ちはありました。夢をひとつに絞るよりも、いろんな方法で私の表現を届けていけたらと思っていました。

――お芝居をすることの楽しみというのはどんなところに感じていますか。

 アーティストとしての私とモデルの私、役者の私というのは全く違います。同じ表現でも同じ感じではないところが楽しいです。お芝居に関してはいろいろな役になれるのも楽しいですし、お芝居は誰かがいて成り立つものなので、アーティストとはまた違った表現の場で活動できることは、歌の表現にもつながると思っています。

――歌手活動のヒントにもなっているんですね。

 アーティスト活動にも変換できる表現をお芝居で吸収できているなと思います。それぞれ切り離して考えているというよりは、どれもつながりながらレベルアップしていけてるというのを感じています。

――どんどん夢が叶っていますね。

 1つ叶ったらまたそれ以上の夢ができます。どんどん新しい目標ができるのでエンドレスです。だから一生現状に満足することはないのかもしれません。

――そして、新曲「C.O.S.M.I.C Love」が7月26日にリリースされました。初めて聴いたとき、どのような印象を持ちましたか。

 「C.O.S.M.I.C Love」はガンバレルーヤさんとのコラボ曲を決める候補曲の中の1曲でした。候補曲は何十曲もあって、私は全部聴かせていただいて、この3人で表現するなら「Cheeky Cheeky」がいいなと即決でしたが、「C.O.S.M.I.C Love」はどうしてもソロで歌いたいなと思っていて、今回それが実現しました。「C.O.S.M.I.C Love」は韓国語がわかる方もわからない方も、居心地のいいリズムとグルーヴがある楽曲なので、何回聴いても飽きないですし、リラックスできるメロディーで、心が解き放たれる、休日気分が味わえる楽曲になっていると思います。

――最初から歌詞は韓国語だったのでしょうか。

 はい。デモを聴いた時の韓国語の響きがこの曲にすごくピッタリだなと思いましたし、違和感なく耳に入ってきました。そして、今回タイアップさせていただいている「Galaxy Z Flip4」のSamsungさんからも、デモのまま韓国語で歌ってほしい、というリクエストがありました。

――川口さん、韓国語は現在どのくらいのレベルなんですか?

ネイティブの方、現地の方が早口な感じでしゃべられると、ちょっと厳しい部分はあるのですが、ところどころ単語は聞き取れるのでニュアンスで理解はできます。あと、テキストならかなり理解できるようになってきました。

――今回の歌詞も見ただけで意味は理解できてしまうわけですね。

 はい。普段使わないような言葉も歌詞には出てくるので、そこはニュアンスで理解しながらになります。あとは歌詞を直訳したものを頂いて、理解を深めながら練習しました

――本作にも歌詞特有の表現もあったり。

 あります。例えば、知らないふりをするつもりならやめて、という意味の歌詞があるんですけど 、話し言葉になるとハショる部分があったりするみたいで、そういうところは教えていただきながら学んでいます。

――韓国語はどのように勉強されていますか。

 文法を勉強するという感じではなくて、韓国語をしゃべれる友達とテキストでやり取りを頻繁にしています。他には歌詞を見ながら韓国語の曲を聴いて意味を翻訳したり、映画や韓ドラを字幕で見て、ヒアリングしたりしています。

SNS時代だからこそ、自分で考えるというのは大事なこと

――「C.O.S.M.I.C Love」にはどのようなメッセージが込められていると思いますか。

 宇宙的な愛です。私はSFが大好きなんですけど、無重力のなかでお互いがふわふわくるくる回って、2人がくっつくわけでもなく絶妙な距離感で宇宙空間で回り続けている、そんなイメージを私はしています。前回リリースした「花束」の歌詞は、私の心情をリアルに描いた楽曲になっているのですが、今回は正反対で、音楽というものを楽しむ曲になっていると思います。ドライブしてる時や、休日をラフに過ごしたい時、こういった曲を私はよく聴くので、ラフに楽しんでくれたら嬉しいです。

――SFがお好きとのことですが、例えばどのようなドラマや映画作品を見られますか。

 マーベル作品や『スター・ウォーズ』です。「スカイウォーカーの夜明け」を1人で観て、大号泣して帰ってきました。女性が好きなリアリティのあるジャンル、例えば恋愛系のストーリーだったり、人生を描いたような映画はあまり観てこなかったので、これから演技ためにも観たいと思っています。

――さて、「C.O.S.M.I.C Love」のレコーディングはいかがでした?

 レコーディングは「Cheeky Cheeky」の時と同じディレクターさんにディレクションをしていただきました。ソロデビュー曲「Look At Me」を韓国語レコーディングした時の私を振り返ると、当時の精一杯でしたし、ベストだったと思うのですが、時間が経って今の自分と比べるとまだまだだったなと感じるので、自分が成長したところを、今回のレコーディングで見せられたらというのは1つの課題でした。そこをクリアしながら、しっかり表現できたと思います。歌詞に乗せる表現方法をいろんなアーティストを聴いて研究していて、そこもアウトプットしていけたらと思いながら今回レコーディングに臨んだので、そこが納得のいく形で完成できたのですごく満足しています。

――ところで川口さん、今回「Galaxy Z Flip4」のタイアップ曲ということで、スマホとの付き合い方は?

 私、オーディション期間中にスマホと離れた生活を一定期間していたので、その時に私はどれだけスマホに頼って生きてきたのかと痛感しましたし、スマホの良さも悪さも実感しました。デメリットでいうと頭で考えることをしなくなってしまいます。ですので、私はあえてスマホを使わずに一人で考える時間を作るようにしています。でも、エンタメなどはスマホに頼って吸収していますし、ファンの皆さんとのコミュニケーションにも欠かせないツールになっているので、上手に使いたいなと思っています。

――頼りすぎてしまうのはダメですよね。

 プライベートで遊びに行くときも、いろいろ調べてしまいますし、スマホは日常生活に欠かせないものにはなっているけれど、自分で考えるということに関しては、韓国語もすぐ翻訳にかけるのではなく、まずは自分の頭で意味を考えてから、スマホで調べるようにしています。SNS時代だからこそ、自分で考えるというのは大事なことなんじゃないかと、スマホから離れた時期に感じたことでした。

――「Galaxy Z Flip4」もそうですが、最近は2画面のスマホも登場して便利ですよね。

 私は効率人間で、効率の良さを求めて生きてるタイプなんです。今回発売される「Galaxy Z Flip4」にすごくハマってしまって、母に買ってもいいか相談しています(笑)。「Galaxy」はセルカ(自撮り)の写り方がすごく好みなんです。韓国のオーディション番組出た時にセルカがアップされていたんですけど、すごく盛れるなと思っていて。「あれはなんでだったんだろう? なにか魔法がかかってる!」というくらい盛れた記憶があって、そういえばあの時も「Galaxy」だったと思い出して、私は「Galaxy」のカメラだと盛れることがわかりました(笑)。

ポップで懐かしいサウンドの楽曲を聴くことが多い

――「C.O.S.M.I.C Love」のMVはどのような仕上がりになっていますか。

 今回はビハインドシーンがメインのMVになっているので、構成的には「花束」と近いところもあります。ただ、「C.O.S.M.I.C Love」と「花束」では曲調が違うので雰囲気は全然違います。デザインをすごく凝っていただいて、私の描いたイラストも登場しますし、すごくポップで曲の雰囲気に合うMVになりました。

――レコーディングをしてる場面があったり。

 これ、MVのために撮ったわけではなく、本当にこの曲のレコーディング中の映像なんです。作り込んだ表情ではなく、私のリアルな表情を切り取っていただきました。ですので、振り入れしてる時に「間違っちゃった」といった表情も入ってますし、リリック・ビデオのように歌詞を入れてみたり、「Galaxy Z Flip4」で撮影したセルカや私が描いたブルーモンスターも登場します。

――ペンを持ったままレコーディングするんですね。

 ペンでリズムをとってしまう癖があります(笑)。私は吹奏楽部だったので、その時の影響があるのかも知れないです。

――振り付けもかわいい感じですね。どんなところが注目ポイントになりますか。

 歌詞の<C.O.S.M.I.C LOVE>の部分が耳に残りやすいキャッチーなフレーズで、そこに合わせて振り付けもキャッチーなものを作っていただきました。手で「C.O.S.M.I.C」を作る振り付けになっていて、わかりやすいけど、若干難しい感じになっています。ぜひSNSで皆さんマネをしてほしいです。

――西城秀樹さんの「YOUNG MANY.M.C.A.)」の振り付けを彷彿とさせますね。「C.O.S.M.I.C Love」はオールドスクールな楽曲ですが、普段どのような音楽を聴かれていますか?

 ポップで懐かしいサウンドの楽曲を聴くことが多いです。シティ・ポップやオールドスクールなテイストの曲を聴いています。

――昔の曲にも興味があるんですね。

 いま懐かしいサウンドの楽曲が新しくリリースされたりするじゃないですか。NewJeansさんもそういう雰囲気の楽曲でよく聴いてます。母は「時代が巡ってるね」とよく話してくれるのですが、私はまだ生まれていなかった時代の音楽で、トレンドのサウンドとしてインプットされているので、昔の曲を聴いても、新しい音楽を聴いているような気分になります。

――物心がついた時に聴いていた曲は覚えていますか?

 幼かった頃からずっと音楽が流れているような家庭でした。松浦亜弥さん、BoAさんの曲はよく覚えています。特に松浦亜弥さんはデビュー曲から聴いていて、5歳の時に私がライブに行きたいとお願いして、家族を連れてコンサートに行ったのは良い思い出です。他にも母の影響で小学生の頃は安全地帯さんのライブに行きました。

――音楽が大好きな家族なんですね。

 はい! 家にはホームビデオで撮影したものがたくさん残っているんですけど、音楽が流れると私はベビーカーで宙ぶらりになった足を揺らしたり、手叩いたりリズムにノっていました。ですので、両親の影響で音楽に興味を持てたのかなと思います。まだ2〜3歳くらいでしたが、当時家で流れていたCDの曲順も記憶に残っています。

――下半期の展望は?

 下半期はこのまま勢いは止めずに、さらに前に進み続けていけるようにアーティスト活動もそうですし、モデル活動、そしてお芝居もどんどん更新していける活動ができたらと思っています。

――その中でチャレンジしてみたいことはありますか。

 「C.O.S.M.I.C Love」で少しだけラップに挑戦しています。ラップは好きなのですが、自分でパフォーマンスするというところでは、正直ちょっと自信はなかったんです。でも、今回ディレクターさんに私のラップを褒めていただいたので、自信を持って、今後ラップ部分を増やした楽曲にも挑戦できたらと思いました。韓国語のラップは難しかったのですが、難しいからこそ楽しい、やりがいになるところもあるので、昨日の自分をどんどん超えていきたいです。

(おわり)