Jリーグは15日、7月度の「2023明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP」、「2023明治安田生命JリーグKONAMI月間ベストゴール」、「月間優秀監督賞」を発表した。

 J1リーグの月間MVPは、ヴィッセル神戸に所属するFW大迫勇也が受賞した。横浜F・マリノス名古屋グランパスとの三つ巴の優勝争いを首位で引っ張るヴィッセル神戸の“エース”は、7月のリーグ戦4試合に出場し4得点を記録。得点ランキングでもトップに立ち、5月度に続いて2度目の月間MVPに輝いた。Jリーグ選考委員会の反町康治委員は「チームが苦しい時に助けてくれる絶対的なエース。川崎F戦の2点目に象徴されるようにヘディングでの得点も多く、得点に対する勘が冴えている」と絶賛している。

 大迫は受賞に際し、「明治安田生命J1リーグ7月の月間MVPに選んでいただき、ありがとうございます。5月の受賞に続いてとなりますが、チームとして結果が出ていたからこそいただける賞なのでチームメイト、スタッフに感謝したいです。先月6月の武藤選手と合わせるとクラブとして3カ月連続の受賞となりますが、チームがここ3カ月で見せてきたパフォーマンスが評価されたからこそだと改めて思います。毎試合一人ひとりが成長していくことが大事だと思いますし、これからもチームとしても個人としても更に成長していけるように、シーズン最後まで続けていきたいと思います」とコメントを残した。

 J2リーグの月間MVPは、いわきFCに所属するMF岩渕弘人が受賞した。J2残留争いに身を置く同クラブは、7月に行われたリーグ戦全6試合で3勝2分1敗と勝ち越しに成功。浮上の立役者となったのが6試合で5得点を挙げた岩渕だ。寺嶋朋也委員は「負傷離脱から復帰し、7月は6試合5ゴールを決めてチームの救世主に。トラップからシュートまでのスムーズな動きに好調さを感じさせた。降格圏から脱却する貴重なゴールを奪っていた。出場時間が短い中での活躍を評価したい」と賛辞を送っている。

 岩渕は受賞に際し、「素晴らしい選手がたくさんいる中で、7月度の2023明治安田生命J2リーグ KONAMI 月間MVPという名誉ある賞を受賞できたこと、とても嬉しく思います。そしてたくさんの方々に感謝したいです。大怪我から復帰まで支えてくれたメディカルスタッフ・現場スタッフ・チームメイト・村主前監督・サポーターの皆さん、本当にありがとうございます。いわきFCに関わる全ての皆さまのおかげでいただいた賞です。この賞に満足せずチームとしてJ2残留、そして1つでも上にいけるように1試合1試合を謙虚に、貪欲に全力で戦います」とコメントを残した。

 J3リーグの月間MVPは、愛媛FCに所属するFW深堀隼平が受賞した。快足ストライカーは、カターレ富山との“上位決戦”で圧巻のハットトリック達成。チームも同試合での勝利の勢いのまま首位に浮上し、J2リーグ復帰も現実味を帯びてきている。FW深堀は受賞に際し、「まずは7月の月間MVPの受賞に関して、本当に嬉しく思います。上位との試合が多かったこの7月を無敗で切り抜けられたことは、チーム全員が『優勝』という一つの目標に向かって気持ちを一つに毎試合臨めたことが大きいと感じています。その中で、こうして自分が月間MVPに選出されたことというのはもちろん嬉しいことですし、チーム全員のおかげで受賞できたことだと思っています。シーズン序盤は怪我で苦しみましたが、復帰してからは調子も良く、特に3得点を決めた7月のカターレ富山との試合では、チームの逆転勝利に繋がり、自分としても今季初ゴールを決めることができて一安心しましたし、その後の自信にも繋がっています。ただ、まだまだ重要な試合は続きます。目標に掲げている『優勝』へ向かって、自分も全力で戦いますのでサポーターの皆さんも勝利を目指して一緒に戦ってください!よろしくお願いします!」とコメントを残した。

 また、各リーグのベストゴールも発表。J1は浦和レッズに所属するMF岩尾憲が、第19節サガン鳥栖戦で見せた自陣ハーフウェイライン付近からの超ロングシュートが受賞した。同選手は「7月の月間ベストゴールに選出していただき、ありがとうございます。普段からゴールを取る選手ではないですが、日々チームが勝つためにプレーしている過程でこのようなゴールが生まれたことはよかったですし、それがチームの勝利に繋がったことが、何よりもよかったことだと思います。これからもこのゴールを自信に変えて、チームが勝つために直向きに取り組んで行きたいと思います。ありがとうございました」と披瀝。さらに、J2から清水エスパルスに所属するMF乾貴士の第25節大分トリニータ戦のゴールが、J3からはFC大阪に所属するMF木匠貴大の第16節ガイナーレ鳥取戦のゴールが、それぞれ選出されている。

 月間監督賞に輝いたのは、アビスパ福岡を指揮する長谷部茂利監督だ。J1定着を目指す同クラブは第19節から3連勝を達成(現時点では5連勝)。また天皇杯でも勝利しており、公式戦無傷の4連勝で7月を終えた同指揮官は「このたびは、明治安田生命J1リーグ7月の月間優秀監督賞に選んでいただきありがとうございます。 このような名誉ある賞を受賞できたことを大変嬉しく思っています。毎試合全力で挑む選手たち、支えてくれる優秀なコーチやスタッフ、みんなの頑張りがこの賞につながったと思っています。そしてどんな時も応援し続けてくれるファン、サポーターの皆さん、パートナー企業の皆さん、日頃からクラブを支えてくださっている方々に改めて感謝申し上げます。シーズンもいよいよ終盤に差し掛かりますが、チームの目標に向かってさらに一丸となって戦っていきます。引き続き応援よろしくお願いします」と感謝。加えて、J2はいわきFCの田村雄三監督が、J3は愛媛FCの石丸清隆監督が、それぞれ受賞した。

 7月度の各表彰は以下の通り。

■2023明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP
J1大迫勇也ヴィッセル神戸
J2:岩渕弘人(いわきFC
J3:深堀隼平(愛媛FC

■2023明治安田生命Jリーグ 月間優秀監督賞
J1長谷部茂利(アビスパ福岡
J2:田村雄三(いわきFC
J3:石丸清隆(愛媛FC

■2023明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール賞
J1:岩尾憲(浦和レッズ
第19節 サガン鳥栖

J2:乾貴士清水エスパルス
第25節 大分トリニータ

J3:木匠貴大(FC大阪
第16節 ガイナーレ鳥取

7月度の月間MVP賞を受賞したFW大迫勇也 [写真]=金田慎平