飼い主にとってペットは大事な家族の一員と考えるだろう。しかし、そのペットについて「大金を払うので売って欲しい」と言われたらどうするだろうか。ブラジルのコメディアンアラブ大富豪なりすましてそのような社会実験を行い、多くの注目を集めた。ブラジルの動物情報ニュースメディア『Amo Meu Pet』などが伝えている。

ブラジルでコメディアンとして活動するフリオ・セザル・ロペスさん(Julio Cezar Lopes)が7月29日、犬の飼い主に対する社会実験を行った動画をTikTokに投稿した。動画には、トーブと呼ばれるアラブ諸国の民族衣装を着て、アラブ大富豪に扮したフリオさんが映っている。

フリオさんは通訳に扮した男性とともに、犬を連れた若いカップルに声をかけた。フリオさんがアラビア語で「この犬はダニとかいますか?」と言うと、それを通訳に扮した男性がポルトガル語に訳してカップルに尋ねた。

犬を連れた男性が「ダニはいませんよ」と答えると、フリオさんは通訳を介して「あなたの犬を100万レアル(約2900万円)で売ってくれませんか?」と交渉を始めた。男性は訝しんでいたものの、様々な質問を投げかけた結果、フリオさんをアラブ大富豪だと信じて、犬を売ることにした。

しかし一緒にいた女性は、男性の決定に納得していない様子だった。フリオさんは女性の様子に気づき、「彼女が承諾したら犬を買います。私の国では女性たちの意見が最も重要視されているんです」と伝えた。

男性は女性をなだめ「こんなチャンスはないだろう! 多額の借金だってあるし」と説得した。そんな2人のやり取りを見て、フリオさんは「彼女の承諾は絶対です。もし彼女の承諾がないまま犬を譲り受けたことを私の父が知ったら、私はひどく叱られてしまう」と告げた。

そのようなやり取りが進む中で、女性はお金に目が眩んで勝手に犬を売ろうとする男性にショックを受け、その場で泣き出してしまった。どうやらこの女性にとって、愛犬はたとえ大金を積まれようとも手放すことのできない大事な家族の一員だったようだ。

そんな女性の姿を見て、フリオさんが「これはただのいたずらです。ごめんね、悪気はなかったんだ」と自分の正体を明かしたところ、女性の顔にようやく笑顔が戻った。フリオさんの動画は多くの人に笑いをもたらしたようだが、ペットを飼っている人からはこのような声が寄せられた。

「私だったら、たとえ命を奪われようとしても誰にも愛犬は譲らないね。」
「たとえ10億レアル(約290億円)積まれても、自分の犬は売りません。」
「世界中のお金持ちが『譲って』と来ても、私は自分の娘(ペット)を売ることはない! 比類なき愛だ。」

今回のフリオさんの社会実験は、ペットを飼っている人にとって「自分だったら…」と自問自答させられたようだ。また多くの飼い主が、家族の一員であるペットは「プライスレスだ」と考えていた。

ちなみに昨年11月、オーストラリアで行われた社会実験の動画が多くの人に感動を与えた。そこには、男性から親切を受けたホームレスが他のホームレスに対して親切の連鎖を起こす様子が捉えられていた

画像は『Divacci 2023年7月29日付TikTok「Tem carrapatcho kkkkk」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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