ススキノで起きた「生首持ち去り」事件が、少しずつ明らかになってきた。

当初、ひきこもりと報道されていた田村瑠奈容疑者(29)だが、友だちと居酒屋で飲んだりダンスホールに行くなど、まったく社交性がないわけではないようだ。

瑠奈容疑者と被害男性(62)が、はじめて会ったのが、ススキノのダンスクラブで開かれた閉店イベントであったという。そして初めて会ったはずのダンスイベントの映像に、被害男性に笑顔で抱き着く瑠奈容疑者がいた。

そしてその数メートル先には、瑠奈容疑者の父親である田村修容疑者(59)が、踊るでもなくだまって2人を見つめている。自分の愛娘が自分と同世代の女装をした男に、しなだれかかる姿を修容疑者は、どういう心境で見つめていたのだろうか?

その後、瑠奈容疑者と被害男性は2人でダンスクラブを出て行ったことが確認されている。おそらく修容疑者もついて行ったことだろう。

そして、なんらかのトラブルになったという。どういうトラブルかはハッキリとはわかっていない。「不同意性交」という報道もあれば、「被害男性が不本意な映像を撮った」というものもある。

しかしホテルには“2人同意”で入っているようだ。父親はそれを黙って見ていたのだろうか?

集英社オンラインによると、瑠奈容疑者の祖父が
「相手が女装していて瑠奈は女だと思って(ラブホテル)に入った。入った途端に相手に襲われた」
といったことが、書かれていたが、本当に瑠奈容疑者は被害男性を「女だと思っていた」というのは信じがたい。クラブでは抱き合い話し合っているのだ。被害男性の女装写真を見ても、おじさんにしか見えない。

2人は出会って約1か月後に加害者と被害者になるのだが、これまでだと被害男性が瑠奈容疑者に、執着していたという情報があったが本当なのか? むしろ被害男性に執着していたのは瑠奈容疑者なのかも知れない。

瑠奈容疑者は、自分で被害者の首を切り、首を弄ぶシーンを自ら撮影し、生首を持ち帰っているのだから、ただの復讐劇とは思えない。瑠奈容疑者には猟奇趣味や殺人願望があったというが、最初から被害男性を殺すつもりだった可能性もある。

そんな異常な娘を全面的に協力した父親は、精神科医であったが、この父親自身何か大きな闇や狂気を抱えていたのではないか? まったく目立たないが協力していた母親もしかり。

瑠奈容疑者には、多重人格など精神疾患を疑う報道もあるが、これは父親が娘に「責任能力」がないように見せかけるために仕組んでいたのかもしれない。

事件当初「悪いのは被害男性で、加害親子は追い詰められて・・・」という同情的憶測もあったが、いまやそれも逆転してきている。

あまりに異常で狂気に満ちた事件。一日も早い全面解明が待たれる。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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