近年、話題となっている「キラキラネーム」。本来の読み方、意味とは異なる漢字をあてた名前のことで、難読となりやすいのが特徴です。そんなキラキラネームについては、戸籍法の改正に伴い、2024年度から戸籍に「読み仮名」が必須となり、一定の制限がかかる見通しとなっています。これを受け、弁護士ドットコム(東京都港区)が「キラキラネーム」に関する意識調査を実施。その結果を発表しました。

法改正「知らなかった」が6割超

 調査は2023年6月、同社の一般会員を対象に実施。1048人から有効回答を得ています。

 戸籍法の改正に伴い、認められない例として法務省が挙げた「キラキラネーム」のケース例は次の通りです。

(1)漢字とは意味が反対 「高(ヒクシ)」
(2)読み違いかどうか判然としない 「太郎(ジロウ)」
(3)漢字の意味や読み方からは連想できない 「太郎(マイケル)」

 調査では、まず全回答者に「今回の法改正で『キラキラネーム』の制限が強化されることを知っていたか」を聞いたところ、「知っていた」が33.2%、「知らなかった」が66.8%という結果に。法改正が認知されていない実態が浮き彫りとなりました。

「『キラキラネーム』への制限が強化されることをどう思うか」については、「賛成」が51.1%、「どちらかといえば賛成」が31.1%となり、全体の82.2%に「賛成」の意思がみられる結果となっています。一方、「どちらともいえない」は11.1%、「反対」は2.8%、「どちらかというと反対」は3.9%となりました。

 賛成派、反対派のそれぞれに意見を聞いてみると、賛成派からは「表現の自由を主張される方がいるが、子どもの名前で表現の自由を発揮しようとしないでほしい。日本の名前も一つの日本文化と理解し、慣例に沿った形で命名をするべきだと思います」という声の他、「自身がキラキラネームに近い名前で、常用外の読み方をするため人生で何度も名前を訂正しなければならず、子どもの頃は名前をもじったいじめもあり、つらい思いをした。30代となった今、人前で名乗ることが恥ずかしいとも感じます」といった当事者からのコメントも。

 一方、反対派からは「名前は記号であり、その読みも記号だと考えます。グローバル化の中で漢字の『表意』性は相対的に意味が薄れていると思います。自己責任で良いと思います」「時代で感性が変わるので今は悪く思えても将来分からないため。それよりも後々、自分で名前を変えやすいようにすべき」「何が良くて何がダメかは、国が口を出すものではないと思います」などの声が寄せられる結果となりました。

 こうした意見を受けて、同社は「どの意見にも共通するのは、非常識な名付けは避けるべきであるということ。一方で、法務省が定める基準が現時点では明確でなく、判断が難しい、法律で制限することに違和感があるという声もありました」とコメントを寄せています。

オトナンサー編集部

「キラキラネーム」を法で制限…あなたはどう思う?